後悔の経済学 世界を変えた苦い友情 (文春文庫 ル 5-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167918385

作品紹介・あらすじ

「人間の直感はなぜ間違うか?」。その命題を突き詰めてあらゆる学問の常識を覆したのは、2人の天才心理学者だった。生い立ちも性格も全く違うカーネマンとトヴェルスキーの共同研究は、やがて経済学の分野にも革命を齎(もたら)すのだが……。『マネー・ボール』で著者が見落としていた先に隠されていた、感動のヒューマン・ドラマ。解説・阿部重夫


「ぼくらは友だちだ。きみがどう思っていようと」

不合理な人間モデルを前提とした行動経済学を生み、世界を永遠に変えた、2人の天才科学者の友情と別れ


世界的ベストセラー『ファスト&スロー』著者にして、
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン。
華やかに見える彼の人生には、決して欠かすことのできない共同研究者がいた。
彼の名はエイモス・トヴェルスキー。
カーネマンはこの悲運の天才を愛し、そして激しく嫉妬した――。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。(特に後半)
    行動経済学が生まれるきっかけとなった心理学と意思決定の研究者、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの研究生活と友情の物語。
    二人の研究の成果については、カーネマン著『ファスト&スロー』に詳しいので、この研究が生まれるまでの物語として読んだ。

    序盤・中盤は彼らの生い立ちと初期研究の話で、あまり興味が持てずに、しばらく読むのを止めていた。しかし、後半を読み出すと、見知った行動経済学の話や、カーネマンの苦悩と二人の別れなど、話がドラマチックになり、一気に読んでしまった。名声を得たが故の二人の別れは、人間心理の難しさを感じると共に、「成果は一人では出せないが、評価されるのはただ一人」という残酷な現実を認識させられる。

  • 行動経済学の創始者である二人、カーネマンとトヴェルスキーをめぐるノンフィクション。人間ドラマとして秀逸なのは確かだが、目的としては行動経済学の入門として読んだ。そういう読み方も可能。

    そもそも発端として、イスラエル軍における人材評価として始まったということが興味深い。判断する際に権限を有する者が行い勝ちな「思い込み」「経験偏重」「統計軽視」などについて研究を深めていく。

    軍事分野に次いで医療業界において理解者が現れ、経済学に話が及んだのは、その後であること。このあたりも興味深い。

  • エイモス・トベルスキーの名前はこの本で初めて知った。まさにトベルスキーの死後、世間の注目がカーネマンにシフトしたことが伺える。

  • カーネマンの愛情であり、嫉妬。行動経済学の裏ストーリーに関する読み応えのある著書。

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