- Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167919696
感想・レビュー・書評
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「自分だったらどうするだろう」と、登場人物に自身を重ねつつ読み進めた作品でした。
最後の『あとがき』から、著者のこの作品の出版における覚悟を見ました。
文庫本での書き下ろしということにもそのことを感じます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある一家の娘が何者かに殺された
そこから推測された犯人は少年法で守られた未成年の少年たち
のちに少年たちが転落死していく中で、あるジャーナリストと亡くなった娘の元教師とが、事件に関わってゆく物語
少年法が改正される前に起こった殺人事件
読み進めていくうちに、元教師がこの事件になぜそんなにも関わっていくのかが分かっていく
ラストには意外な真実も明かされ、ラストはいい意味で心が温かくなる
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2023.11.03
救いのない現実だからこそ哀しみしか感じない。自分も40歳のときに授かった子を持つため余計にリアリティを感じる。
毎日を丁寧に生きていないととんでもない後悔をすることになるとも感じた。 -
序盤から不安しかない。流石。
考えたらこの展開がクセになってる。 -
やりきれなさばかりか胸に残った。理不尽さは最後まで回収されることなく悲しみだけがずっと続いていく。救いのない展開や描写の古さに違和感を感じていたのにもラストの作者ご自身のあとがきで納得がいった。ここまで身を挺して成し遂げたことと、後半から匂わせ的にラストを彷彿させる内容がどうも腑に落ちなかった。主人公に肩入れできなかったのが大きいのかも。
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この構成はとてもよくできている。無駄がないのはありがたい。
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主人公があまり好きになれなかったので端々でいらいらしてしまったものの、展開に無駄がなくのめり込んでしまった。
主人公以外の登場人物視点の描写もあり、メリハリのある構成ですぐに読了。
締め方がちょっと…急なハッピーエンド?で一気に陳腐になった気がする。 -
今まで何冊か読んだ伊岡さんの本は、
面白いのかな...
ハズレかなぁ...
と、思いながらも何故か読み進めてしまうという感じで、で、また他の作品も手に取ってしまうという繰り返しだった。
今回の本は、悩むことなく読み進んでいった。
よく本を人に薦める時に、「よかったよ」「面白かったよ」と言うことが多い。
もしそのどちらかの言葉でこの本を人に薦めるのであれば、「面白い本」なのかもしれないが、この本に関してはかなり不適切な言葉である。
作品としては、さすが伊岡さんだなと思わせる構成で、読み応えがあります。
ただ、作者の伊岡さんも"あとがき"に書いてらっしゃるけども、とっても"悲痛な物語"です。
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雨音/前兆/過去と現在/暴走/推理/真実/誤算/
あとがき
犯罪を起こした少年。処罰よりも更生を期待する考えもあるけれど、更生の道を進まない人もいるかもしれない。見極めるのはとても難しい。
被害者遺族の立場になったら………
と考えてみるけれど……
見極めるには長い時がかかるだろう。今日は許すと思えても明日には復讐をと思うかもしれない。これが最善と決められない。一体どの道を進むのだろう -
あとがきにあるように少年法に訴える作品ではないのはわかる。
けど、少年法に関して色々考えさせられる。
獣のような少年もこの世には必ずいてて、その少年を改心させるのが法の趣旨なら、そんな法律は間違ってる。
小説の中にあったようなとんでもない少年は存在してるし、被害に遭ったら運が悪かっただけで終わってしえない。
皆、当事者にならないと考えないものというセリフがあるが、この言葉が正しい。
もっと社会の不条理にも目を凝らして、考えなければいけないな。
内容は、理不尽に少女を殺した少年らが殺害されていき、その背景にある闇を元教師が追っていくというもの。
犯人の出所や山岡の存在に少し違和感を感じたけど、読み応えあり、家族の大切さも再確認させてもらえた