カリスマ(上) (TOKUMA NOVELS FUYUKI SHINDO’S ROMAN)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (532ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198505950

感想・レビュー・書評

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  •  自らの母親が新興宗教にのめりこんだ挙句に自分を虐待(本人は愛の懲らしめだと思っている)、夫を惨殺したという過去をもつ岡崎平八郎は今、神郷宝仙と名乗り、「神の郷」の教祖として多数の信者の上に君臨している。幹部たちを意のままに操り、馬鹿共から金を巻き上げ、救済という名目で女性信者を欲望の赴くままに犯す日々。ある日、「神の郷」が主催する講習会の中に、ひときわ目を惹く美しい女が。母親の佐代子そっくりのその女が気になってしょうがない神郷は、特別に声をかけ、宝仙ロッジで行われる合宿になんとか参加させようとする。

     第一章は主に神郷目線、第二章は自分の母親の佐代子に似た女性・麗子の夫である頼りない一般サラリーマン・城山信康目線で描かれている部分が多い。信者達にはもっともらしいことを吐いておきながら、私利私欲にまみれた日々を送る神郷。どうしてこんな奴のこんな言い分に騙されるのかと思うのだが、それが宗教というものの怖さなのだろう。最近読んだ「仮想儀礼」とは違い、教祖に肩入れしたくなる部分は全く無い。現時点では盲目な程に神郷を崇拝している幹部の氷室あたりが何かしてくれそうな感じがするのでそれに期待して、下巻に進もうと思うが・・・・・・、この文章のダラダラ感はもうちょっとなんとかならないかと思う。あと、性的表現のえげつなさ。女性には決して薦められない。

  • 洗脳の怖さを学んだ作品。きっと某宗教団体もこんな感じだったのかなぁって思った。終盤のどんでん返しの連続はちょっとクドかったかな。

  • 新堂冬樹 最高傑作

  •  冒頭、母親が反社会的な宗教を妄信し荒みきった家庭に生活する少年。母がどれだけ非常識なことをしても、どれだけ自分に暴力を振るっても、少年はいつか優しい母が帰ってくると信じていた。けれどもその希望は、母が父を殺害し自らの腹をも裂いて恍惚の表情のまま死んでゆく一部始終を目撃したことで、終わりを告げた。僕は死ぬまで神を信じない──絶望の底でそう呪詛した少年は、後に、自ら教祖となっていかがわしい宗教を運営するようになった。
     明らかにオウム事件を彷彿とさせる内容。なぜ一般の人が新興宗教にのめりこんでいくのかが克明に描かれておりリアルでした。
     随所にユーモアなところがちりばめられており、思わず吹きだすシーンも結構ありました。

  • オモロー!

  • 新興宗教の洗脳というテーマと、ラストの盛り上がりは良かった。しかしエロいくどいうざいの3拍子はたまらんわ。あの文章ふざけてんのか?

  • 2007/04

  • 新興宗教を舞台にした本。エグイ!!新堂ワールド全開!

  • 新興宗教の裏側を描いた作品。
    キモデブの教祖に見も心も捧げる
    女信者たち

  • 下巻にまとめて

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著者プロフィール

1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』と続く“純恋小説”という新ジャンルを打ち立て、話題となる。著書に『動物記』『ブルーバレンタイン』など多数。近年、『虹の橋から来た犬』がスマッシュヒットとなる。

「2023年 『なごり雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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