海辺の王国

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198601249

感想・レビュー・書評

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  • 小5くらいの時に読んでボロ泣きした記憶があります。
    好きすぎて下宿に持ってきた一冊。

    戦争を通じて精神的に大きく成長していくハリー。
    最後のオチがすごい印象的でした。
    ありきたりなハッピーエンドじゃないとこがよかったなぁと思います。
    どうしても抗えない現実と、未来への希望。

    またもう一度読み返してみよう。

  • 小学生の頃、初めて自分のお小遣いで買った小説。

    戦争で家と家族を失ったハリーと犬の海での物語。
    強く成長することは必ずしも幸福に繋がるわけではない。

    物語を最後まで読んだ人は、成長がもたらす孤絶と喪失の哀しみを知る。

  • 小学生の頃、読書感想文のために読んだ思い出。


    すごく印象的なシーンが多くて、最後はほんとに悲しい気持ちになったけど、少年の成長と戦争の悲しさを描いてて、とてもよかったです。
    ある意味シビアというか、世の中の厳しさというか、ご都合主義に大団円とはいかない、子供の読む絵本とは違ったリアルさが、なんとも、子供心に複雑に思ったものです。

    これ読んで、フィッシュ&チップスに憧れたんだ、当時…。
    おいしそうなんだもの。

  •  もっと結末が輝いているのかと愚考していた。苦しみぬいた子供が、しかもカバーによると『心の王国』を見出すというのだ。
     なんということだろう。こんなにすばらしい少年の本は、エンデのバスチアン以降はじめてだ。はてしない物語を読んだのは、私が小学校中学年ぐらいだったと思うが、その頃からある程度の理解ができた。真にうつくしい児童文学というのは、子供が読んで、わくわくしたり、なにかを感じられる。そしてその本の真相を、理解するにはまだ至らなくとも、おとなになった時、ああ読みたいと思う。読んでみる。涙がしずかに流れる音を耳にする。子供の頃を思い、涙する。そういうものだと私は信じているのだ。はてしない物語は、それに当てはまっていた。
     この本は――もっと幼い頃に読みたったかもしれない。そうすると、はてしない物語のように、もっとR・ウェストールという作者をたいせつに思えたのかもしれない。
     けれど今読めた。出会えた。十五歳で読めた。まだ少女に間に合った。
     それが途轍もなく嬉しい。
     もしも――もしも、幼い頃に読んでいたのなら、私は間違いなく結末に疑問を抱いていただろう。そうして、おとなになってから結末のすばらしさを悟って驚いただろう。けれど私は充分少女だ。この本の主人公・ハリーのように、ある程度を悟った。寧ろおとなになってからは気づけないことに、気づいているのかもしれぬ。(おそらくは、今だけ限定で。)結末は今の私になって、どうしようもなく、すばらしい。そうとしかいいようがない。
     今だけ限定で。そう書いたがたとえばエンデのように、ウェストールという人も子供を保持しつづけたおとななのだろう。
     そんなおとなになりたいと、心から思った。


    ★追記。今夏の読書感想文は、これにしましょう。

  • 冒険すること、大人になること、「どうしようもないこと」に出会うこと・・・。
    そんなことを体験しながら、決して“外の世界が変わる”のではなく、“自分の内なる世界”が変わるということをまざまざと見せられる。
    そして、そこで育った力こそが大きな宝になる。
    大人になってからだって、こういう瞬間は、本当はたくさんある。

  • (「BOOK」データベースより)
    空襲で家と家族を失った12歳のハリーは、イギリスの北の海辺を、犬とともに歩いていた。わずかな食べ物を犬と分けあい、親切な人や心に痛みを抱えた人、残酷なゆがんだ人など、さまざまな出会いをくぐり抜けるうちに、ハリーが見出した心の王国とは…。ガーディアン賞受賞、カーネギー賞銀賞受賞。

  • 小学生の頃、読書感想文のおすすめ図書みたいなので
    もらったパンフレットに載っていたのがこの本。

    表紙が印象的で、なんとなくこれを買ってもらって
    その年の読書感想文はこれをテーマにして書いて出しました。

    物語の舞台は戦時下のイギリス(たしか)。
    爆撃で家族を失った主人公が一人で生きていくというもの。

    たしか主人公10代前半とかだった気がする…(´Д⊂ヽ

    表紙イラストにもあるように、犬と一緒に生きていくのですが
    この犬も主人公の飼い犬ではなかった気がします。
    出会いや別れを通して成長していく少年の物語。

    フィッシュアンドチップスを初めて知ったのもこの本。


    <以降ネタバレ…>




    …実は家族は生きていて、主人公は最後に家族と再会します。

    でもその再会はハッピーエンドではなかった。

    なぜか?それはご自身で読んで補完されることをお勧めします。

    主人公の成長を
    「この家に入りきらなくなってしまったのだ」と表現しているところは
    今でも覚えているくらい印象的です。

  • 小学校の新聞に卒業する小学生へ贈る本を紹介してほしい、との依頼から本を探したのですが、なかなか決めきれず・・・選んだのがこれです。
    空襲で家と家族を失った12歳の主人公が、途中で出会った犬とともにいるべき場所を探してさまよう・・・という、まぁ簡単にいうとこれで終わっちゃうストーリーなのですが、そこはウェストール、読ませます!そして衝撃のラスト!
    このラストがどうかな~と思い2,3日逡巡。その間他の方の書評を見たり、少し冷静に考えてみたりして、あ~でも本当の人生、本当の成長をリアルに描くとこうなるのか~と思えたので、やっぱりこれを紹介しました。もし、自分がヤングアダルト世代だったら、このラストが好きだったかもしれないと想像できたからです。生き続けること、大人になることのリアルが大人にとってはむごいまでに表現された1冊です。

  • 児童文学。
    旅に憧れたわ。
    自分も広い世界を感じたいって思ったわ~

  • 結末に驚いた。最初から最後まで、夢中で読んだ。あっという間!
    ウェストールにはまるきっかけになった1冊。

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著者プロフィール

1929~1993.英国を代表する児童文学作家の一人。「かかし」(徳間書店)などでカーネギー賞を2回、「海辺の王国」(徳間書店)でカーネギー賞を受賞。

「2014年 『遠い日の呼び声 ウェストール短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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