プリズンホテル秋

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 197
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198601485

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず良くまとまってるなぁ。 確か再読。
    再び「プリズンホテル」へようこそ。ここは、極道の集まる温泉です。どんな珍奇な出来事がとび出すやら…。ユーモアとペーソスが交叉する、極道ファンタジー

  • 初めての給料を貰うと、久しぶりにバイクに乗って町へ行き、母親にサンダルを一足買ってきた。それはキャバレーのねえちゃんがはくような、銀色のケバい代物であったが、その晩両親は笑いながらないた。

  • 警察団体と、任侠団体。この二つが任侠団体経営のホテルで鉢合わせ。隣り合う宴会場で当然のように発生した大騒ぎに、拳銃片手に乗り込んでくる元アイドル歌手。
    かなりのドタバタですが、勢いがあって面白いです。
    今回、誠実で実直な花沢支配人、かなりの見せ場です。クラウンホテルでは出世を妨害した性質が、ここでは生きています。かっこいい。
    銃声の響く中に、『お客様が大変なんだ』というだけで入っていく。警察に客から預かったものを出せといわれても、断固拒否する。挙げ句に『タキシードを着た極道』と言い切る。
    真価発揮というところでしょうか、なかなか出来ることではありません。周囲が曲者ぞろいで今まであまり目立っていませんでしたが、このホテルで支配人が出来るのですから、ただ者のはずがなかったのですね。
    さて、清子の娘の美加。六歳とは思えないしっかり者です。大人びてはいるのですが、思い込みの強さと突拍子もない行動力はやはり子供特有のものですね。もっとも、小説家と並べてみるとどっちもどっちに思えるのは、どちらの責任でしょう。
    ラストでは当然のごとく小説家のエピソードになるのですが、ここまでの話は全部布石で、このためだけにあるんだなあと思います。
    どうしようもない偏屈者の小説家の、どうしようもない心の傷。この件に関しては、やり方はともかくとして小説家の方に同調します。自分が捨てたわが子に、自分からは会いたいとも許してほしいとも言ってはいけないと思います。二人の仲を取り持とうという周囲は、結局女将さん側の人間だから、彼女の気持ちしか考えてはいない。子供のほうが、全部を許して自分から会いたいと言うまで、他人が口を挟める問題ではないのではないかと、思います。

  • 秋はおやこ愛。

  • 96年6刷本

  • 「プリズンホテル」第2弾。鉄砲玉の壮行会を執り行う任侠業御一行様と警察署の慰安旅行御一行様が泊まり合わせ、一触即発のプリズンホテル。ここは、訳有りの宿泊客にひと時の安らぎを与えるのではなく、それらの人々の人生を幸せにしてくれる不思議なホテル。男気溢れるおもてなしが実にシブイ!第1弾を上回る面白さ。

  • この小説は夏秋冬春で構成されてますが、どこから読んでも楽しめるし完結したストーリーになってます。
    ただ、やっぱり夏から読み始めると登場人物の人物像の変化やその人の深みを感じることが出来てより楽しめると思います。
    個人的には秋の設定が一番好きですw

  • また読んでみる。

  • 面白かったのだけど、なぜか浅田ブームがプツリと途切れた。なんでだ?
    (060817)

  • ヤクザが経営する極道専門のホテルに、警察の団体客。これ以上の極めつけの設定はないのでは。ユーモアあり、しっとりした場面あり。楽しく一気に読めてしまいます。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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