- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198631918
作品紹介・あらすじ
時は幕末。芸に悩む若き噺家・圓朝は、娘殺しの下手人を追い、江戸の町を尋ね歩く。手には怪談『牡丹灯籠』の創作帖…。時代小説の旗手が描く、「落語の神様」事件帖。
感想・レビュー・書評
-
圓朝という 一語に惹かれ
読み始める
「怪談 牡丹灯籠」はまだ未読ですが
それを 読んだ気にさせてもらえるほどの
ストーリーテラー性を感じる
放送作家さんらしく
それぞれの会話が秀逸です詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
代表作『怪談 牡丹燈籠』で有名な三遊亭圓朝。
落語家として悩んでいた25才の圓朝は、かわいがっていた蕎麦屋の娘が何者かに殺されたことから、元侍の弟子とともに犯人探しに奔走する。殺人犯の心理を追求し追い詰めようとする一方で、この事件を新作落語に取り入れようと苦悩して・・・人間味あふれる圓朝が魅力的。 -
時は幕末。芸に悩む若き噺家・圓朝は、娘殺しの下手人を追い、江戸の町を尋ね歩く。手には怪談『牡丹灯籠』の創作帖…。時代小説の旗手が描く、「落語の神様」事件帖。
-
飽きさせない楽しさがあり、
師匠円朝が弟子文朝に落語の心得の話が、心に響いた。 -
時は幕末。大川のほとりで、一人の女が絞殺された。芸に苦悩する若き噺家・圓朝もよく知る蕎麦屋の娘だった。圓朝は、事件の謎を解き、娘の供養をすると同時に芸に役立てたいと考える。だが、事件はいっかな解決せず、しかも幽霊譚まで飛び出して……。落語中興の祖で、その語りが近代日本文学の出発点ともなった稀代の天才、圓朝の『怪談 牡丹灯籠』創作秘話にもつながる、江戸時代ミステリーの快作登場!
-
「真景累ヶ淵」や「芝浜」などの名作古典落語を創作して、幕末から明治にかけて活躍した初代三遊亭圓朝が、怪談「牡丹灯籠」を苦しみながら創作する過程を、身近で起きた殺人事件を解決していくなかで得た人間観察や、聞いたエピソードから得たヒントを取り込んでいく様子を描くフィクション。
時代小説としては変わった作りになっているが、人を殺す心の闇や、人の欲を冷静に見つめて分析し、犯人の心理を推測することで犯人を突き止め、かつ創作に生かす圓朝を描いている。
それは、とりもなおさず著者が、実在の圓朝が名作の数々を生み出したことに驚き、生み出せた原因をこのように推測したということなのだが、作中の圓朝が語る、落語は人物の声色や仕草を真似ただけではお客は引きつけられない。その人物の性格や心情をよく理解してなりきって演ずる必要がある。という言葉に集約されているように思う。