- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198632380
作品紹介・あらすじ
仕立て職人を父に持つ十三歳のメアリーは、刺繍が得意なお針子だ。花や鳥など、自然の美しさを布に刺していくメアリーの腕は、かなりのものだった。父が仕えるシドニー卿のもとにウォルター・ローリーが訪れた。シドニー卿の妻子がエリザベス女王を訪問するのに同行しようというのだ。そして、その際に身に着けるマントを作るのは、メアリーと父の仕事になった。しかしある夜、メアリーは、カトリック派の数人の男が、女王の暗殺を計画している話を偶然聞いてしまった。そのうえ、そこに来合わせた父が殺されるところまで目撃してしまう…。エリザベス朝時代を舞台に、実在の人物を巧みに配して、女王を救おうと奔走するお針子の少女の冒険を描く、ロマンティックでスリリングな物語。
感想・レビュー・書評
-
読書日:2018年9月11日-9月16日.
Original title:Tread Softly.
Author:Kate Pennington.
身分低きお針子Maryの視点から描かれる
貴族の生活や内情、実情等に面白さを感じました。
Elizabeth IやSir Walter Raleigh等々
実在の人物が登場する事により、益々物語に惹き込まれます。
Maryは仕えている館で命の危険を感じ
Sir Walter Raleighに命を救って恩義を感じ
ひょんな事から女王陛下のお針子として勤めるも、
田舎の木々や花々を懐かしみ王宮を退官します。
私であれば田舎は過去の思い出として回顧し
この生活を存分に自分の物とするのですが……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
YA向けと少々侮ってましたが、これは良かった。
カトリックと国教会の争いのあるエリザベス1世の御世、お針子である13歳のメアリーは女王暗殺計画を耳にした事で事件に巻き込まれていく…。
時代背景を上手く生かしたスリリングな筋立て、仕立て職人の仕上げる衣装の見事な描写、日本語訳も読みやすく最後までハラハラでした。
結局ローリーが裏切っていたのかいないのか真相ははっきりしませんが、そこがまた陰謀渦巻く宮廷で生きる処世術を匂わせているようでいいとおもいます。原題が『そっと歩いて』なのですから上手く立ち回らないとね。 -
手芸好きの私にピッタリの作品でした。
冒険もまあまあ楽しめたし、、、
この時代のファッションを検索してみたいと思います。 -
エリザベスとローリーのお話を上手く使って、一人の少女の成長物語として面白く仕立て上げてある。
歴史ドラマとしても、それなりに面白かった。
ただ、メアリーの思考や行動には共感できない部分も多くて、ちょっと苛々する。
それから、もっとお針子としての描写があればよかったかな。 -
図書館の児童書コーナーにあったけど、タイトルとジャケットの美しい絵に惹かれ読んでみた。
時代背景も興味深いしストーリーも退屈することなく楽しく読めました。
両親を次々に亡くし使える屋敷からも逃げるように去るも、流される事なく自ら人生を切り開く主人公。主人公と同じ年くらい(13歳)の中学生とかが読んだら、このたくましさに共感できるのでは。 -
時代背景やファッションについての描写が面白いけれど、主人公はやはりこの時代の女の子、エリザベス女王の周りの陰謀について知るものの、行動は起こせない。だからあんまり主人公が活躍した気がしないし、周りの登場人物もどこまでいい人なのか、読み終わってもイマイチはっきりしないのがスッキリしない原因か。
-
著者が何を書きたかったのか、ちょっと見えにくいかな。あの時代は書きやすいのだろうけど……だから何?という感じ。でも主人公のメアリーが、時代もあって弱々しく見えるのに、実際にはここ一番!という時は常に自力で苦難を脱出しているのがよかった。もうちょっと機転の効く設定だともっと面白かったかも。
-
ダッハウの仕立て屋のような、歴史に埋もれてしまった、しかし歴史に翻弄された庶民の話を期待していたのだが、やはりそこは児童書の域なのか、ちょっと中途半端な感じがしてしまった。
世界史ではヘンリー8世の都合でカトリックから離脱したとサラッと習っただけだった気がするが、カトリックとプロテスタントの抗争がこのようにあったとは、思っていなかった。かつて北アイルランドであった紛争を思い出した。 -
刺繍が得意なお針子メアリーが女王を救おうと奔走するスリリングな物語。エリザベス王朝の絢爛豪華なファッションが描写されてます。
(カウンター担当/アメリ)平成29年6月の特集「ファッションの本」