計画結婚 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
3.31
  • (5)
  • (15)
  • (33)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 172
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198643447

作品紹介・あらすじ

まさか、美人で頭のいいあの久曽神静香が結婚? 彼女をとりまく人々は、戸惑いつつも結婚式に出席する。<新婦出席者> 佐古怜美 静香の幼稚園からの唯一の友人。桜井祐介 高校生時代の久曽神に恋をした美容師。富永仁 静香が足繁く通った結婚相談所の担当。<新郎出席者>高原満男 妹が結婚詐欺にあった警官。小暮宏 三年間で十四回結婚式に代理出席。その結婚相手には深い謎があった。予測できないフィナーレが待っている!連作長篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女同士の友情のお話かと思っていたら、途中から何となくミステリの様相が出てきて、タイトルから想像していたのとは違う内容だった。

    いや、実際彼女のような人がいたらちょっと怖いかも。そこまでやるの?とやることが大掛かり過ぎてちょっとひいた。

    映像化したら面白いのかも?

  • 美しい外見と傲慢と見えるその態度によって静香の魅力が怜美、祐介くん、富永さんを通すと溢れるように出てくる。
    静香は一緒にいると確実に疲れる。だけど惹きつける何かがある。そんな静香に選ばれる幸せと妬ましさを伴う苦痛がある。
    だけどそこに静香の痩せ我慢が加わって、絶対に復讐すると誓った塚本直樹に対する行動は狂気を感じつつも可愛いと思えてしまう。
    ヘリコプターに乗った後どうなるのか、その後の結婚生活がどうなるか続きを読みたい。

  •  女王様気質で超美形の久曽神静香を中心にしたエンタメ系ヒューマンドラマ。全5章。

         * * * * *

     ハチャメチャなドタバタコメディでした。

     特に、静香のウエディングを描く最終話は、少しばかり飲み込みにくい流れです。静香の選んだ男が、結婚詐欺師の塚本とは ⁉ しかも塚本の正体を見抜いた上でなど有り得ないでしょう。

     佐古怜美に幸せが訪れそうなラストシーンは良かったですが、全体的に落ち着きのない展開で読んでいて疲れました。

     アニメにすればおもしろいかも知れないとは思います。

  • ミステリのジャンルには入るのであろうが、これまでのような青春小説の要素はない。
    そのせいで、物語に深みがない。


    頑固でプライドが高い静香の結婚相手はどんな人なのか?
    その相手について語られた後は、どうしてそんな男と結婚を?
    というのが本作の謎だが、いつものどんでん返しはさほど衝撃を受けなかった。

    どんな男でもいちゃもんをつける静香だから、塚本についても手放しで褒めているのが納得いかない。
    静香の選択は一般人の感覚では理解し難い。
    仮に彼女の価値観に則っても、いずれ周囲から見下されるのは明らかで、それを彼女自身が受け入れられるとも思わない。
    キャラクターのブレを感じた。

    あと、勧善懲悪を求めてしまう私としては、高原が塚本をどうしたのかが気になってしまう。

    白河三兎らしさを感じられなかった。

  • 可もなく不可もない感じ。
    ☆3つは、つけすぎ?…

    でも、話のスピード感はいい。
    あっという間に読める。

    どう、終わるのかと思いながら読み進めていたけど、なんか釈然としない 終わりかただったように私は感じた。

  • 船上の披露宴で同じテーブルに配置されたゲストの男女。
    彼らが語る新婦、そして新郎の話とそこから浮かび上がるこの結婚の真実…なんだけど。
    前半のほんのり切ない友情と三角関係の話の段階から新婦静香の破天荒過ぎる性格に圧倒され、一転して後半は不穏な匂いがしてきたかと思えば物語の着地点は予想のさらに斜め上。
    「えええええ、そこに落ち着くの!?」と、唖然とした後思わず苦笑。
    凡人の私が彼女の思考行動を想像しようとした事がそもそもおかしかったのかもしれない。
    色んな意味でエキセントリック。
    読み終えた後で表紙を眺めるとなるほどなあと。
    面白かったです。

  • 少し先が読める感じあったけど、エンタメ性抜群で面白かったです。
    結婚相談所の人がなかなか素敵だったな。

  • はじめて読む作家さん。
    連作短編ですが、テンポ良く楽しく読めました。
    難儀な性格の主人公ですが、このくらいの方がお話としては読みやすい気がします。

    個人的には、桜田くんと怜美にくっついていて欲しかった…。

  • 久曽神静香なる圧倒的美女かつ超自意識過剰なキャラの結婚披露宴を中心に置き、その周りにいる披露宴出席者(衛星キャラ)たちを主人公にした短編をつなげた連作短編集。最終章までの展開は「上手いなぁ、さすが白河三兔」と思えたのだが。

    なんだ、このクライマックス。得心いかんわぁ。犯罪者でも好きになるのは自意識過剰キャラだから?惚れたはれたに理屈はない、とはいえ、張ってきた伏線を、もっと丁寧に回収できるんじゃないかと思うんだけどなぁ。これじゃ、伏線引きちぎってるだけやん。
    残念だけど、ちょっとついていけなかった。

    どうしても比べてしまうが、「わたしを知らないで」みたいな圧倒される小説を、作者には期待している。

  • まさに。タイトル通り。女は怖くて強い。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2009年『プールの底に眠る』で第42回メフィスト賞を受賞しデビュー。『私を知らないで』が「本の雑誌」増刊『おすすめ文庫王国2013』にてオリジナル文庫大賞BEST1に選ばれ、ベストセラーに。他の著書に『ふたえ』(祥伝社文庫)『ケシゴムは嘘を消せない』『もしもし、還る。』『小人の巣』『田嶋春にはなりたくない』『十五歳の課外授業』『計画結婚』『無事に返してほしければ』などがある。

「2020年 『他に好きな人がいるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白河三兎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×