- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198648060
作品紹介・あらすじ
生誕から約500年。主殺しの謀反人としての汚名を着せられ続ける武将・明智光秀。謎に包まれた出生、ミステリアスな決起と最期。「ときはいま雨が下しる五月かな」も誤解と曲解に満ちている。本能寺の変の直前に愛宕山で光秀が催した連歌会で詠まれた句だが、続いて詠まれた句を全体として解釈すれば、光秀の真意は明快に読めるのだ。豊富な史料と綿密な取材で綴る歴史再考の書。これまでの「光秀本」を吹き飛ばし、孤独な英傑の実像に迫る。
感想・レビュー・書評
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主殺しとして悪名高いが、謀略無人の信長を生きながわせたらどういう世の中になっていたか?死んで喜んだ人が大勢いたことは想像に難くない。豊富な文献と、綿密な取材で定説を覆す。実際の出来事の現場に、現在の視点で足を運んでいる事に、本気度を感じる。光秀は大河ドラマと同じイメージだと感じた。
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最新のデータや実測を盛り込んだうえで、明智光秀さんが長いこと悪人にされたのは、その後に権勢を得た豊臣秀吉さんが自分の正当性を主張するために都合よく明智さんを悪人に仕立て上げたから…というのは、正しいと思いました。
途中、キリスト教についてなど、必要だけれど少し紙面を割き過ぎかな…と思う部分や、西郷さんを顕彰し過ぎと思われる部分などバランスの悪さもありましたが、全体的には読ませる本になっていました。
当時の人たちが織田信長さんを嫌っていたことや、細川藤孝さんなどが後世評価され過ぎであることは自分も同感です。
後世に作られた書物による歴史は、勝者によって都合よく書かれたものが多かったり、記載者の主観に基づいたものばかりであることは当然として、今、明智さんの評価が良い方向に変わろうとしていることは面白いことだと思いました。