東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&福島復興提言:2011+10

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198652739

作品紹介・あらすじ

カンニング竹山氏
この10年で僕は福島が好きになった
だからこそ教えてほしいんだ
あの時本当は何が起こっていたかを!

上念司氏
細野議員が集めたオーラルヒストリーは
事故の客観的な記録として有用であるだけでなく
風評被害をもたらした人が誰であり
何をしたのかという告発にもなっています

田中秀臣氏
今も3.11に真摯に向き合う人たちとの対談
政治家としての現時点での具体的な提言
そして開沼博氏の周到な編集と解説で織りなした
今後も長く参照される本である

早野龍五氏
細野さんの勇気ある「自己調査報告」に
感銘を受けました 三章で取り上げられている
処理水、甲状腺検査、食品摂取基準などの
6つの課題と提案はいずれも首肯できる内容

佐々木俊尚氏
この本の注目すべき点は(中略)
ステレオタイプな政治家のことばを
乗り越えているということです
自説を声高に訴えるのではなく
ひたすら謝罪するのでもなく、驚くほど客観的に
みずからのおこないを点検しているのです

矢部達哉氏
長く普遍的な価値を持つであろう
驚嘆すべきこの著作が
事故から10年後の2021年に出版されたのは
必然だったに違いない

東京電力福島第一原発の事故から10年。
原発事故収束担当大臣として現場と対峙した
細野豪志が、改めて当事者たちを訪ねた。
原発処理水、放射線、健康影響の科学的根拠
原発、そして隣接自治体の今ーー。

現場から集積した圧倒的なファクトを
気鋭の社会学者・開沼博と共に読み解く。

◎主な登場人物
田中俊一(初代原子力規制委員会委員長)
近藤駿介(元原子力委員会委員長)
磯部晃一(元陸上自衛隊東部方面総監/陸将)
森本英香(元環境事務次官)
佐藤雄平(前福島県知事)
遠藤雄幸(福島県川内村村長)
渡辺利綱(前福島県大熊町長)
緑川早苗(元福島医科大学内分泌代謝専門医)
竜田一人
(『いちえふ福島第一原子力発電所労働記』作者)
遠藤秀文(株式会社ふたば代表取締役社長)
南郷市兵
(福島県立ふたば未来学園高等学校副校長)
大川勝正(株式会社大川魚店代表取締役社長)
林智裕(福島県出身・在住ジャーナリスト)

<目次>
はじめに 歴史法廷での自白 細野豪志
第1章 最前線の闘い
第2章 10年たった現場へ
取材構成者手記 林智裕
第3章 福島のために、わが国が乗り越えるべき
6つの課題
編者解題 開沼博
おわりに 自己事故調がなし得たこと 開沼博

感想・レビュー・書評

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  • 事故当時その中枢にいた細野氏が、事故から10年たった今、改めてその現場の中心にいた人たちに問うと同時に、痛烈な問題意識のもと自己検証した一冊。
    この本の素晴らしいところは、細野氏が極めて客観的に、当時の行いと本質を語っているところだ。
    私たちはあの時何があって、何が行われ、何が行われなかったのかを知るべきであるし、風評被害という人災がいかにして生み出されたかを知るべきである。
    そしてその上できちんと見つめ直し、考えるべきである。
    まだまだ課題の多い原発事故の処理、それには政治の力がもちろん必要。細野氏のこれからの行動に期待しつつ、私たちもまた、忘れることなく真実を見る目を養わななくてはならない。

  • 10年という節目。過去に戻ることはできないが未来のために残さなければならない記録。貴重な資料。
    特に遠藤川内村長の姿勢が胸を打つ。

    ・危機管理はトップのリーダーシップによる。政・学、様々な分野のリーダーが必要。

    ・100mSv以下の被爆で健康影響は出ない

    ・除去土壌8000Bq基準の厳格適用と再利用

    ・食品摂取基準100Bq/食品1kgは汚染物を365日摂取する前提の値で国際基準の10倍。風評被害の原因。

    ・処理水保管によるデブリ保管場所の圧迫。災害時の漏出リスク。安全側の基準は他のリスクを高める。

    ・救援要請はできるだけ大きな声で、広く求めるのが危機の鉄則。東電からオールジャパン体制になったのは3/15

    ・結論だけでなく意思決定プロセス、ファクトの情報発信、誰が言うかの重要性、体制を平時から考えておく

    ・科学的な判断とは、真っ直ぐ向き合って逃げないこと

    ・ふたば未来学園
    震災を経験した世代が卒業していくこれからこそが、教育の使命

    ・予断を持って見るとデマ情報を掴むことになる

    ◯遠藤川内村長の早期帰村(8割)の要点
    ・被災者の意識の早期払拭:避難することがリスクになる
    ・確かに事故は不幸だが、今までになかったことができるようになる
     例 ひとり親世帯移住サポート政策が帰村だけでなく新規移住者を誘発
     大阪からの工場誘致、野菜工場、ワイン

    ・イノベーションコースト構想における宇宙産業

    ・「政治的振る舞い」とは、「自らの味方と敵を分ける」言動。どんな話し合いや利害調整をしたところで、根本的なところで価値観・感覚を共有できない対立に判断を下す必要がある。
    ・政治は、倫理的に善である意図や思い・信念(=信条倫理)ではなく、倫理的に善である結果についての責任(=責任倫理)が求められる。意図と結果のズレの甚しさが福島事故の大きな葛藤。

  • 東2法経図・6F開架:543A/H95t//K

  • 3.11原発事故発生当時、原発事故収束担当大臣そして環境大臣だった、細野豪志議員と当時、色々な面で福島と向き合った責任者の方々との対談形式の事故の振り返りがなされています。
    震災当時、どのような事柄があってどのように対応して現在に至るのかを知ることができたのも大きいですが、福島の現状と未来の為にすべきことが明確に知ることが出来たのもかなり大きいです。
    第三章に「福島のために、わが国が乗り越えるべき6つの課題」については、我々他県の住人でも意識して出来ることが掲載されています。
    将来、原発事故を振り返るのにも残しておきたい貴重な資料になった一冊だと思います。

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著者プロフィール

昭和46年8月21日生まれ、選挙区は静岡5区。京都大学法学部卒業。三和総合研究所研究員(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)を経て、1999年より政治の道をスタートさせる。環境大臣、内閣府特命担当大臣(原子力発電所事故再発防止・収束)、総理大臣補佐官などを歴任。著書に『未来への責任』『証言細野豪志「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』『パラシューター 国会をめざした落下傘候補、疾風怒濤の全記録』『情報は誰のものか』。

「2021年 『東電福島原発事故 自己調査報告 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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