製造迷夢 (徳間文庫 わ 9-1)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198914127

感想・レビュー・書評

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  • 文章が読みにくく自分に合わなかった。
    解説を読むと異色作らしいので他の著作も読んでみたいと思います。

  • 2015/09/15読了。
    全体的に切ないというかやるせないというか…。
    後味の悪い終わり方をする話が多い。
    二人の関係も、うまく行ってるんだけどもどかしいというか…。
    一条さんが不器用だな!

  • 連作短編集。

    警官「一条風太」 超能力者「美潮」が事件を解決へと導く。

    短編なのに事件自体が複雑なので、かなり無理があるような
    感じを受けた!

    各章で犯人側?の気持ちが詩のような形で織り込まれているが
    物語に奥行きを持たす目的だろうが、反対によく解らなくなって
    しまった。

  • 渋谷・猿楽町の刑事、一条風太とリーディング能力のある井伏美潮。二人、協力して事件解決していくのだが、控えめではあるが、二人の恋愛小説でもある。

  • 渋谷の猿楽町署の刑事・一条風太に女性の面会人が訪れた。妹の親友の彼女は、3ヶ月前に覚醒剤所持で逮捕され拘留中に自殺した作曲家・石原流名の、逮捕された正確な時間を知りたがっていた。同じ時間に受取ったテープが流名の遺作に思える、ある人からも流名の作品だと言われたという。ある人…物から残留思念を読み取る能力の持ち主…井伏美潮から。―――「天国の花の香り」
    薬物で酩酊状態のところを保護された少女・亜実が、万引きで連行されてきた主婦のふくらはぎに突然噛み付いた。「あの人があたしを殺したから」と少女は言うが2人に面識はない。しかし少女の友達に頼まれ「転生前に殺された」という言葉から過去の資料を調べ始めると、符合する事件が浮かび上がってきた。―――「製造迷夢」
    夜のオフィスで女性が連続して殺害される事件が発生した。被害者らに共通点がなく捜査が難航する中、重要参考人・若葉が線路に飛び込み自殺した。アリバイが見つかり放免された後にも関わらず「俺は無実だ」と叫んでいたという…。疑念の湧く一条に美潮が協力し、捜査は新たに展開していく。―――「逃亡の街」
    あるマンションで妙な事件が頻発していた。ドア前に25個のコンクリートを積まれたり、酔っ払いの集団が全裸でストリップしたり、パウダーをまぶした男が家宅侵入したり…。しかし「事件」のひとりが幻覚作用のあるサボテンを誰かに与えられ唆されていた、という話を聞き、一条はこっそりと調べ始めた。―――「光明凱歌」
    エリート大学生・笹田が、隣人で恋人・淳子の父親を刺殺した罪で逮捕された。黙秘を続けて3日。ようやく口を開いた彼の話では犯行の日、男をあてがわれる愛人生活から逃れる為に淳子が父親を殺害しようとしていると電話があったという。電話の主の心当たりを訊ねると、笹田は「残留思念を読む能力の、若い女性」と答えた。―――「寵愛」
    以上5作の短編ミステリ。

    毎回毎回、毒が強いと申し上げてる若竹作品ですが。…今回は毒というか全体的にやりきれなさが漂っている気がします…。すごく哀しく、じわじわとくる毒ですね。その点、異色といえるかもしれません。この本を若竹作品の最初に読む!というのは正直やめた方がいいですよ。絶対です。
    ミステリですが、人や物に触ると思念を読み取ることが出来る能力者・美潮がいる、ということで少しファンタジーっぽく思えるかもしれません。が、そんなに夢のある能力でもないと思うんですよリーディング能力って。見たくも無いのに見えてしまう、それこそ悪意も見えるのだから精神的にはキツイはず。しかし、それにも関わらず美潮が純粋で、事件に遭遇し首をつっこむ度に悲しみ傷つきます。そんな彼女が、このやりきれなさの中で私には救いに感じました。
    そしてその姿を傍らで見ている一条。故あって頬に目立つ傷跡を持った彼ですが、彼もまた色々な事に傷ついてきたんだろうなぁ…。
    この2人の出会った当初(「天国の~」)から最後までの、恋愛感情へと続く気持ちの変化が、もどかしくもイイ感じです。会話が微笑ましいv あらまぁいつの間にvvなどと途中でちょっとニヤついて読んでしまったよ(笑) 恋愛がらみをあまり書かない若竹さんだから、コレもちょっと珍しい?

  • 刑事がリーディング能力を持つ女性の力を借りて事件を解決していく話。
    何気ない事件、必ずしもハッピーエンドにならないところがこの作者らしい。

  • サイコメトラー思い出した。

  • 刑事の一条風太&「残留思念を読む」という能力を持った井伏美潮。
    2人のコンビが事件の謎を追う、連作短編集。

    主要人物の二人ともが、どちらかといえば、
    暗い・・・
    相変わらずの作風です・・・好みではあるケドねΣ( ̄ロ ̄lll)

    彼女の“能力”を利用して事件を解決することに、拒否感を持ちつつも、
    事件を解決するごとに、微妙な信頼感?
    それとも?

    能力の性質上、触れ合うことが「思念を読まれる」ことにも繋がる。
    複雑だろう。

    最後には、2人の関係を表す描写がありますが、
    コレだとシリーズ化はないのか?

    個人的には続編を期待したいな。

  • 2003年12月4日読了

  • 連作短編集。サイコメトラーと、刑事さんのコンビ。刑事さんが語り手だけどワトソンではなく、自ら主役を張って事件解明に奔走する姿が好もしい。でもあの途中で一体どんな進展があったんだろう、と思うわ(笑)。ちょっと唐突で安易なくっつけ方の気もする。モノローグが、Aと見せかけてB、ていうパターンが読めてくる。結構アンハッピーばかりだがラストで少し救われる。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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