- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198926267
感想・レビュー・書評
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半沢直樹のドラマの様な、がむしゃらな人物像でなく、今回の主人公 大原次郎は、生真面目なおっとり型の性格のように、思える。
銀行の倒産で、失業の身になった元銀行員の大原次郎の再就職活動において、次々と、態の良い言葉で、就職を出来ずにいるが、、、、
人生、小説のように甘くなく、就職するのにどうしようと悩む主人公は、今の世相の人たちも共感するところがあるのではないだろうか?
そんな主人公が、就職活動をしながら、頼まれごとを解決していく話である。
連作短編小説で、次から次へとの流れが、面白い。
「銀行はやめたけど」
就職活動の元銀行員の大家が、銀行からの融資の貸し渋りに、協力したことについて、物語が、始まって行く。
「プラスティック」は、
主人公の大原次郎が、交通事故を、起こすが、被害者が、一時的な記憶喪失にかかり、其の本人の住所を、たどって行くと、別人と、すり替わっていた。
隠し財産のことを、親しい運転手に漏らした結果の事件であった。
人生って、プラスティックで、出来たジオラマみたいに脆いという言葉からの題名ないなったのだけど、、、、少し飛躍してるかな?
「眼」は、
角膜を移植した建築家の見た既視感からの物語であり、少し、ホラー的かなと、思いつつ読み進んだけど、角膜のドナーが、死亡した事件は、恋人の女性と借金まみれの水商売の男の犯行で、あったことで、ドナーが少し可哀想であった。
「誰のノート」は、
遺産相続で、貸金庫から、出てきたノート3冊からの物語である。
サンチームと言う小銭も、私が、40年ほど前に、フランスに行った時はあったけど、1フランが60円位だったから6円位の価値だった。
今はユーロで、そんな言葉も、聞かなくなっている。
3法で、3フランの事と、初めて知ったけど、、、。
ノートを残した人物は、画家で、依頼者の祖父が、フランスに行った時は、画家が流行っていたのだろうか?
私の昔の親戚もその時代、画家にあこがれて、フランスへ遊学して、殆どの財産を、使ったと、聞いている。
森鴎外はドイツ、夏目漱石はイギリス、高村幸太郎は、フランスへ、と皆夢を持ち海外へ行った時代なのだろう。
意外だったのが、このノートの持ち主が、島崎藤村ではないか?と言うことだったけど、偽物と言うオチで、あった。
「家計簿の謎」は、
これも、前の画家からの話が、続き、昔の家計簿から、ノートの秘密を暴きだしており、画家が、贋作に手を染めたか?どうか、、、、
其の時の話題になった贋作の話で、、モナリザの絵と言うのは、スケールが、大きい。
絵は、77×53の小さなサイズなのだけど、、、。
「人事を尽くして」は、
脱税資産に、大原次郎が、手を貸すことになる話である。
しかし、会社に未練はなく、資産を温存するために、不渡りを出すと言う社長は、死亡しており、大原次郎に相談に来た人物とは違っていたのである。
就職活動に行った先のの銀行マンが、不正である浮き貸しが、事件の真相であった。
「常連客」は、
マッサージ店が、舞台であり、A地点通過と言う言葉から、現金輸送車襲撃事件の真相がわかるけど、主人公の大原次郎が、身の危険を感じる一幕もあった。
全体的に、銀行マンのキャリアを駆使して、色々なお金のつながりからの事件を、推理して行くところと、連作なので、次々と、読めてしまって、面白かった。
お勧めの作品である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元銀行員が次々に謎を解き明かしていく短編集。
ノートの話がおもしろかったし、最後の話もスリルがあって良かった。
一気に読める。 -
銀行員目線をフル活用して、事件を解決していく手法は、設定にちょっと無理があるのでは…と思いながらもサックリ読める短編集でした。家計簿の数字だけで人となりがだいたいわかる、という視点は面白かったんですけどね(^^;;
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どの作品も何が書きたいのかわからん感じだった。
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続きがあると思う。
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就活中の主人公が金融に関わる事件を解決していくストーリー。
ほかの作品に比べると、勢いというかスピード感が足りないような。 -
20140309~0312
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面白いことには変わりないけど、個人的に彼の作品は中長編で読みたい。
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銀行はやめたけど
プラスチックス
眼
誰のノート?
家計簿の謎
人事を尽くして
常連客
解説 村上貴史
ブックオフで150円で売却 -
失業中の元銀行員・大原次郎は、再就職活動中に金融絡みの難題について相談を受けた。これまでの経験と知識を生かし、怪事件を鮮やかに解決していく。出納記録だけの謎めいたノートの持ち主を推理するスリル満点の「誰をノート?」他全七編。