激流 下 (徳間文庫 し 22-7)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 2028
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198929442

作品紹介・あらすじ

十五歳の記憶の中の少女はいつも哀しげにフルートを吹いていた。冬葉は生きているのか?彼女が送ったメッセージの意味は?離婚、リストラ、薬物依存、不倫…。過去の亡霊に、次第に浮き彫りにされていく現実の痛み。苦悩しながらも人生と向き合う、六人の三十五歳の闘い。「今」を生きる、すべての人に贈る、渾身のサスペンス・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 中学時代を絡めて伏線回収されていくが、複雑なことはなく読みやすかった。「激流」のタイトルにも納得。

     大人の勝手な事情・感情に行方不明の冬葉と当時関係していた6人が巻き込まれ、主人公:美弥とハギコーを中心に事実を追い求め真相が明らかになる。

     過去にやってしまったことや起こったことは変えられないし、立場によっては今後に影響を及ぼしてしまう。でもその失敗を糧に前進しようと努力するのか更に悪いほうにいくかはその人の選択や行動が大事だと思う。
     新たな部署で目標をもって仕事に取り組むサンクマはカッコイイし、美弥の母親との会話や恋人との会話がなんか良い。

     悲痛な物語だけれど、起きる出来事や主人公:6人それぞれの感情から得られる気づきもたくさんあった。

  • 面白かった。
    登場人物がどはまりでした。
    柴田さんの本は初読でした。
    こんなにも人物描写がうまい作家さんだったとは!
    特に美弥の性格はとても共感できるものでした。
    尖っているようで実は一番に純真でピュア。
    また人間が愚かな行為の一線を越える簡単さ、、、
    もっと長編にしても良いくらいの飽きのこない素晴らしい本でした。
    また柴田さんの本を読んでみたいと思える1冊でした。

  • 続きが気になって、下巻もあっという間に読みきってしまった。

    柴田作品には、絵に描いたように分りやすい身勝手な人物が登場する。本書にも何人か出てきた。
    身勝手、我儘、自己チュー、エゴイズム‥‥ことばはいろいろあるけど、それが人類最大の罪なのかもしれない‥‥と思わされた。

  • 下巻も飽きずに一気に読み進められます。

    後半は、繋がりそうで繋がらない手がかりに、もどかしさを感じつつ、ついに事件の真相がわかる期待感と、この長作を読み終えてしまうという寂しい気持ちでいっぱい。

    最終章を読む前にはちょっと緊張してしまったぐらいハマります。

    …が、しかし。
    オチがあっけなさすぎて、
    私の好みでなかったのが残念。

    事件解決までのメインストーリーの他にも、
    それぞれの登場人物の生活模様も興味深くておすすめです。

  • う~ん………。

    夢中になって読んだ。先が気になって仕方がないから。途中で読むのを止めたら気分が悪くなりそうだから。寸暇を惜しんで読み続けた。

    …けれども、読了してみると(いや、途中から既に)、不思議なくらいこの物語に魅力を感じられない。

    複雑に絡み合ったストーリーを破綻なくまとめる手腕は見事としか言いようがないし……。
    読み手の予想を裏切り続ける、目まぐるしい展開も、良い意味で期待を裏切ってくれるしワクワクさせてもくれた。

    …なのに、何故?

    ●説明的すぎる台詞回し。
    ●若干都合のよすぎる展開や“新発見”。
    ●鼻白む表現………登場人物たちが非現実的な思いつきを自ら否定する際の台詞「小説の中ならばいざ知らず」………普通の生活してる人間ならばそこで“小説”は浮かばない→“映画”または“マンガ”なら分かるけど。
    ●全てが繋がるのかと思いきや、完全に“捨て石”にされてあっさり解決されてしまった無関係の2つの事件に、アンフェアさを感じる。
    ●全く必要の無い恋模様の描写。(サンクマの方だけならば認めるけど:笑)



    …突っ込みドコロ満載、不満続出…。下巻の序盤から↑なような不満が続出しているのにもかかわらず、読むのを止められずに最後まで一気に読まされてしまった、とても不思議な作品。

    柴田よしきは、これの前に2作読み、どちらも割りと好きだったんだけどな…。たまたまコレが自分に合わなかっただけなのか?

    2012.01.25.了。古

  • なんだろ、途中で高速読みにシフトするほどではないものの、会話部分が普通の小説とは逆にブレーキの役割をしてた感じで、自分としては読むのに時間がかかった。

  • 視点が次々に変わっていき、話の展開が早くて、正に激流‼︎
    続きが早く読みたくて、徹夜で一気読みの面白さだった!

  • いつまで経っても、自分はあの人たちの子供なのだ、と思った。あの人たちの心の中で、すべては連続したひとつの物語なのだ。産院ではじめてあたしを抱いた時から始まった、長い長いひとつの物語。それは途切れたりちぎれたりすることなく、自分ではすっかり大人なって昔とは別人になったと思い込んでいても、彼らの心の中ではあたしはずっと、彼らの子供であって、それ以外のものではない。

  • 黒幕が明らかになるまで、ページをめくる手が止まらない。

  • 上巻で広げた伏線を次々と回収してゆくのだが、
    出来過ぎの偶然が多く無理があるように思う。
    ミステリーではなく、ヒューマンドラマとしてなら面白かった。

    結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。
    これはもはや反則と言えるのでは?
    上巻を読みながらの犯人探しの推理は何だったのか...。

    • hs19501112さん
      【結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。】


      ですよね(笑)
      【結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。】


      ですよね(笑)
      2013/09/05
  • う~~~ん・・・
    なんか、中途半端感が・・・。

    20年っていう時間を飛び越えての
    壮大なミステリーのはずなんだけど、
    なんていうのかな、
    点が点としてしか存在してないというか、
    絡み合ってないというか。

    え、そんなただの偶然でした、
    で終わっちゃったら、
    伏線でもなければ面白みもないじゃないっていう。

    柴田さんの作品は、
    そういうとこしっかりしてるという印象が強かっただけに、
    なんか余計残念な感じが残ってしまった。

    む~ん。

  • 本作は上下巻2つにわかれており、その下巻にあたり
    ます。

    美弥に送られてきた冬葉からのメールは同じ内容で、
    「おタカ・ハギコー・サバ」にも送られており、彼ら
    はそれぞれ、ある事件へと巻き込まれていく。

    事件それぞれには当初、関連性がないものと思われて
    いたが、刑事であるハギコーと美弥が調べていく内に
    、裏で糸を引いている黒幕が、共通の人物ではないか
    という事に辿り着く。

    そしてそれは、彼らの高校時代に関係した人物を黒幕
    として、浮かび上がらせるのだった。

    「冬葉が修学旅行時代に行方不明になった理由は?」
    「彼女は当時、どのような問題を抱えていたのか?」
    「現在、海外にいるナガチは何を知っているのか?」
    「冬葉は今どこにいるのか?」

    全ての謎がこの下巻で解明されます。

    興味がありましたら、ご覧ください。

  • 20年前の修学旅行で行方不明になった同級生からメールが届き
    そのメールと、自分たちのまわりで起きる事件の関係を探る、という話の下巻。

    下巻の前半までは事件が続いて
    中盤になってやっと少しずついろんなことが明らかになっていく。

    ただ、ちょっと唐突。
    今まではなんだったんだ、という感じで拍子ぬけ。

  • 最後でよくわからん登場人物を犯人にするのはナシかなあ。
    でもおもしろかった。

  • Kindleにて読了。
    20年前に修学旅行中に失踪した女子中学生。
    同じ班だった6人に不可解な事件が起こる。
    中には『覚えてますか?』という不気味なメールも。
    彼女に何があったのか?彼女の失踪に自分達に責任はあるのか?

    上下巻2冊で長編となりますが…
    一体何が起こってるの???と気になり、ガンガンと読み進められます。
    また、章によって主人公というか視点も変わるので、飽きがこなく面白い!
    楽しく読ませていただきました。

  • 面白かったー!

  • 中学時代の修学旅行で同じ班になった7人の男女
    京都旅行のグループ行動中に一人の女子生徒が忽然と姿を消した
    捜索を行うも消息はつかめない
    その失踪事件を自分の心の中の傷として抱え、20年が経過しそれぞれの人生を歩んでいる彼らに失踪した女性とから突然のメールが届く
    「私を覚えていますか・・・」

    誰が何の目的で・・・
    35才の彼らは私生活でも様々な悩みを抱えながらメールの謎を解き明かそうとするが、彼らの周りでは次々と不可解な事が・・・
    女学生は生きているのか???

    結末部分が少し私の好みではありませんが、「じゃあどうだったら良いの」と聞かれると困ってしまう。。。

    登場人物のキャラクター設定が非常にハッキリしていて場面の展開も早く900頁の長編ですがスラスラ読めました。

  • 上巻から続く謎…
    結末だけみると、失踪の原因には意外性もあり面白かった。
    でも、なんというか……上巻でちりばめられていた謎が伏線としてどう回収されていくのかと期待していたので、ほとんど大筋とは関係なかったような……なんとなく『このくだりは、いる??』と思うところがあった。
    全般を通して会話がすごく説明調で、くどくて読むのがきつかった。言いたいことを言う前に前置きや説明が入るから、何を伝えたいのか大事なところはどこなのかぼやける。そこまで、説明してくれなくてもという感じ。
    あまりに長いので、飛ばし読みしてしまい、その後話がわからなくなって戻って読むを何度か繰り返してしまった。
    20年ぶりに再会した元同級生たちの、仕事や家庭、悩む姿なんかはすごく丁寧に描かれていて、読み応えがあった。ミステリーの部分でないところの方が面白かった。

  • 一気に読んだ。生きていたらもっと面白かっただろう。想像通りの結末であっけなく読了。

  • 上下巻共に序盤がやたら説明臭くて読み進めにくいが、登場人物が動き出すと一気に引き込まれてどんどん先が読みたくなる。話の展開そっちのけで引き込まれた作品。長い時間楽しめるという意味で良い作品。

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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