- Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198929442
作品紹介・あらすじ
十五歳の記憶の中の少女はいつも哀しげにフルートを吹いていた。冬葉は生きているのか?彼女が送ったメッセージの意味は?離婚、リストラ、薬物依存、不倫…。過去の亡霊に、次第に浮き彫りにされていく現実の痛み。苦悩しながらも人生と向き合う、六人の三十五歳の闘い。「今」を生きる、すべての人に贈る、渾身のサスペンス・ミステリー。
感想・レビュー・書評
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中学時代を絡めて伏線回収されていくが、複雑なことはなく読みやすかった。「激流」のタイトルにも納得。
大人の勝手な事情・感情に行方不明の冬葉と当時関係していた6人が巻き込まれ、主人公:美弥とハギコーを中心に事実を追い求め真相が明らかになる。
過去にやってしまったことや起こったことは変えられないし、立場によっては今後に影響を及ぼしてしまう。でもその失敗を糧に前進しようと努力するのか更に悪いほうにいくかはその人の選択や行動が大事だと思う。
新たな部署で目標をもって仕事に取り組むサンクマはカッコイイし、美弥の母親との会話や恋人との会話がなんか良い。
悲痛な物語だけれど、起きる出来事や主人公:6人それぞれの感情から得られる気づきもたくさんあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。
登場人物がどはまりでした。
柴田さんの本は初読でした。
こんなにも人物描写がうまい作家さんだったとは!
特に美弥の性格はとても共感できるものでした。
尖っているようで実は一番に純真でピュア。
また人間が愚かな行為の一線を越える簡単さ、、、
もっと長編にしても良いくらいの飽きのこない素晴らしい本でした。
また柴田さんの本を読んでみたいと思える1冊でした。
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続きが気になって、下巻もあっという間に読みきってしまった。
柴田作品には、絵に描いたように分りやすい身勝手な人物が登場する。本書にも何人か出てきた。
身勝手、我儘、自己チュー、エゴイズム‥‥ことばはいろいろあるけど、それが人類最大の罪なのかもしれない‥‥と思わされた。 -
下巻も飽きずに一気に読み進められます。
後半は、繋がりそうで繋がらない手がかりに、もどかしさを感じつつ、ついに事件の真相がわかる期待感と、この長作を読み終えてしまうという寂しい気持ちでいっぱい。
最終章を読む前にはちょっと緊張してしまったぐらいハマります。
…が、しかし。
オチがあっけなさすぎて、
私の好みでなかったのが残念。
事件解決までのメインストーリーの他にも、
それぞれの登場人物の生活模様も興味深くておすすめです。 -
なんだろ、途中で高速読みにシフトするほどではないものの、会話部分が普通の小説とは逆にブレーキの役割をしてた感じで、自分としては読むのに時間がかかった。
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視点が次々に変わっていき、話の展開が早くて、正に激流‼︎
続きが早く読みたくて、徹夜で一気読みの面白さだった! -
いつまで経っても、自分はあの人たちの子供なのだ、と思った。あの人たちの心の中で、すべては連続したひとつの物語なのだ。産院ではじめてあたしを抱いた時から始まった、長い長いひとつの物語。それは途切れたりちぎれたりすることなく、自分ではすっかり大人なって昔とは別人になったと思い込んでいても、彼らの心の中ではあたしはずっと、彼らの子供であって、それ以外のものではない。
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黒幕が明らかになるまで、ページをめくる手が止まらない。
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上巻で広げた伏線を次々と回収してゆくのだが、
出来過ぎの偶然が多く無理があるように思う。
ミステリーではなく、ヒューマンドラマとしてなら面白かった。
結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。
これはもはや反則と言えるのでは?
上巻を読みながらの犯人探しの推理は何だったのか...。-
2013/09/05
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20年前の修学旅行で行方不明になった同級生からメールが届き
そのメールと、自分たちのまわりで起きる事件の関係を探る、という話の下巻。
下巻の前半までは事件が続いて
中盤になってやっと少しずついろんなことが明らかになっていく。
ただ、ちょっと唐突。
今まではなんだったんだ、という感じで拍子ぬけ。 -
最後でよくわからん登場人物を犯人にするのはナシかなあ。
でもおもしろかった。 -
Kindleにて読了。
20年前に修学旅行中に失踪した女子中学生。
同じ班だった6人に不可解な事件が起こる。
中には『覚えてますか?』という不気味なメールも。
彼女に何があったのか?彼女の失踪に自分達に責任はあるのか?
上下巻2冊で長編となりますが…
一体何が起こってるの???と気になり、ガンガンと読み進められます。
また、章によって主人公というか視点も変わるので、飽きがこなく面白い!
楽しく読ませていただきました。 -
面白かったー!
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中学時代の修学旅行で同じ班になった7人の男女
京都旅行のグループ行動中に一人の女子生徒が忽然と姿を消した
捜索を行うも消息はつかめない
その失踪事件を自分の心の中の傷として抱え、20年が経過しそれぞれの人生を歩んでいる彼らに失踪した女性とから突然のメールが届く
「私を覚えていますか・・・」
誰が何の目的で・・・
35才の彼らは私生活でも様々な悩みを抱えながらメールの謎を解き明かそうとするが、彼らの周りでは次々と不可解な事が・・・
女学生は生きているのか???
結末部分が少し私の好みではありませんが、「じゃあどうだったら良いの」と聞かれると困ってしまう。。。
登場人物のキャラクター設定が非常にハッキリしていて場面の展開も早く900頁の長編ですがスラスラ読めました。 -
上巻から続く謎…
結末だけみると、失踪の原因には意外性もあり面白かった。
でも、なんというか……上巻でちりばめられていた謎が伏線としてどう回収されていくのかと期待していたので、ほとんど大筋とは関係なかったような……なんとなく『このくだりは、いる??』と思うところがあった。
全般を通して会話がすごく説明調で、くどくて読むのがきつかった。言いたいことを言う前に前置きや説明が入るから、何を伝えたいのか大事なところはどこなのかぼやける。そこまで、説明してくれなくてもという感じ。
あまりに長いので、飛ばし読みしてしまい、その後話がわからなくなって戻って読むを何度か繰り返してしまった。
20年ぶりに再会した元同級生たちの、仕事や家庭、悩む姿なんかはすごく丁寧に描かれていて、読み応えがあった。ミステリーの部分でないところの方が面白かった。 -
一気に読んだ。生きていたらもっと面白かっただろう。想像通りの結末であっけなく読了。
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上下巻共に序盤がやたら説明臭くて読み進めにくいが、登場人物が動き出すと一気に引き込まれてどんどん先が読みたくなる。話の展開そっちのけで引き込まれた作品。長い時間楽しめるという意味で良い作品。