沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ4〉 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198931353

感想・レビュー・書評

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  • 橘逸勢が他人とは思えない。
    自分のプライドズタズタにした男に縋らないと国に帰れないってのがね…。
    この天才と凡人のどうしようもない差が切なかった。
    優秀すぎる人が横にいるのは、色々と利点もあるけど、それ以上に自分の無能さが際立ってほんとつらい。

  • 人というものが愛おしく、悲しい愛の物語でした。

  • 17年かけて描いた作品をこの1か月足らずで読み終えた。天平から平安に至るこの時代の中国と日本の交流があったからこそ生まれるこの物語にワクワクして読み進められた。

  • 夢枕さん渾身の一作。17年もかかって書き上げた大作です。もう宮崎駿並みの初志貫徹ですね。途中、連載時にちょっと読んだ時は、どうかな?と思ったのですが、通しで読むと全てのプロットを拾って紡ぎあげています。
    個人的に中国モノは司馬遼太郎でもちょっとという感じであまり読んで来なかったのですが、中国にも、密教にも関心を持つに至りました。
    小説としては陰陽師と横溝正史モノを混ぜたような内容です。中国モノでは蒼天航路(漫画)以来はまってしまいました。
    映画は今ひとつですが、漫画でやって欲しいですね。
    神々の山嶺以来、夢枕さんのこだわり表現にはまっています。読み残した平賀源内モノも読み直そうと思いました。
    BS漫画夜話のコメンテータとしての夢枕さんのこだわりがわかるストーリーです。すばらしえ!

  • 旦那の本。
    夢枕 獏氏の本は読むの初めてで、タイトルに惹かれて手にとりました。
    全4巻、読む時間は結構かかったけど読みやすく長く感じませんでした。面白かった。

    空海、歴史の時間にさらっと教わっただけだが逸話の
    多い人だな~

    他の登場人物も豪華な上に話が大きい。
    楊貴妃絡みの事件はともかく、あの時代にこれだけの事したのに授業で教えるのが「真言宗の開祖」ってこと
    だけって、なんて勿体無い。

    橘逸勢とのやり取りも良く、空海と並ぶと凡庸に思えるけどやっぱりホームズにはほど良く鈍く、ほど良く察しのいいワトスンが必要だな、と思いました。
    読んで良かった。
    他の作品も読んでみたい。

  • こんな物語書けたらそりゃ自画自賛もするわと、あとがきを読みながら。

    今まで積み重ねてきたものがこの巻で花ひらいた。この方はこういう、泣きたくなるような眩しさを書くのがすごくうまいなあと思う。最後まで来てから言うのはちょっと卑怯だけど、博雅と逸勢はけっこう違ったなあ。逸勢はそれ単体の人生として見ると、けっこう悲しい。空海日本編絶対書きます、とのことだったので、これはもう楽しみに待つしかない。

    「たまらぬ曼陀羅の春であった。」

  • ついに宴ははじまる
    【内容】
    もう一通の手紙も終わる。
    そして空海主催の宴会が始まる。
    やってくる客は?

    【感想】
    全巻厚いけど読みやすかったです。すらすらすすむ。
    最初は「陰陽師」的な短編集と思ってたんで結末がこないのに戸惑いましたが、こんだけゆったりやってくれると、これはこれでいい感じでした。
    (2013年07月26日読了)

  • 高崎にて。

  • 面白かった。作者が自画自賛する気持ちもよくわかります。フィクションとは言え、宗教的な部分、歴史的な部分で勉強になるところがたくさんあった。
    その上で、サスペンス的な要素なんかもあって。あしかけ17年にわたる連載のまとめというのは、後で知りました。
    単純に空海に興味を持って、あまりそれ自体について知らなかったのもよかったかも知れませんが。
    ちなみに図書館で借りて読んだんですが、1巻目は結構汚れていたのにもかかわらず、2巻、3巻と進むにつれて汚れてなかったのが、興味深かったです。

  • おぉ~。
    全てはこの第4巻。この宴のためだったのか!
    「読みごたえあり。」の最終巻です。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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