神去なあなあ夜話 (徳間文庫)

著者 :
制作 : 三浦しをん 
  • 徳間書店
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本棚登録 : 3358
感想 : 251
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198941178

感想・レビュー・書評

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  • 神去村の時間の流れ方が好きだなぁ。勇気はずいぶん神去の人間になった。勇気と直紀の恋もおもしろく、ほほえましく、なつかしく、読ませてもらった。

    一人称の語り口も、この物語の味わいだと思った。

    「神去村では、道を歩けば声をかけられる。「名古屋では、だれにも見られていないんだ」と思うと、ものすごく清々した。同時に、なんとなく心細い気もした。変なもんだね。どこにいても、なにかが行きすぎだったり、たりなかったりするように感じられるなんて。」

    「この村のひとたちは、百年後を見据えて山に木を植えつづけ、先祖が植えた木を切りつづけて、生きてきた。それは、笑ったり怒ったりしながら暮らす毎日を、自分たちと同じように、百年まえのひとたちも送っていたし、百年後のひとたちもきっと送るにちがいないと、信じているからだ。自分が死んでも、あとを生きるひとが幸せでありますように祈って、神去村のひとたちは山の手入れをしつづける。その信頼こそが、愛ってやつじゃないのかなあ。」

  • おもしろかった!!!
    主人公の勇気が話を綴る一人称形式で、勇気の文章がしをん先生のエッセイの文章と似てて思わず笑ってしまう。
    初めは脱走まで試みた勇気が、森のうつくしさみたいなものに魅せられて、過去の事件や恋愛要素も混ぜながら、神去村の一員になっていく過程がとてもよかった。人間のあたたかさが全面に出され描かれてて、読んでいてすごく心が暖かくなる。また読み返したい。

  • 日常の話なんだけど凄く魅力的で
    あったかい気持ちになれる。
    まだまだこの先のストーリーに浸っていたくなる。
    また気が向いたらこの話の続きを書いてほしいなあ

  • 『なあなあ日常』の続編を見かけたので、これは読まねばと。『日常』の方は非日常が日常な神去や林業が面白かったけど『夜話』はただの日常の話でした。後日譚という意味では楽しめました。

  • 神去村の人々がみんな優しい

  • すっごーく面白かった。読んでいて落ち着く。なあなあの精神すごく落ち着く。
    勇気と直紀さんの恋愛事情が結構メインだった。(もちろん他にも神去の神話とか色々な話もあったけど)
    読み終わってしまって、すごく寂しい。自分もなあなあの精神で焦らずゆっくりと人生を送っていきたいと思いました。

  • 前作同様面白い。

    130ページの、夜道の描写で、「闇が圧力となって、前方に立ちはだかる。」
    153ページの、「空に浮かぶ雲の影が落ちて、山のところどころが、黒に近いほど濃い緑に染まってる様子」
    景色や自然の情景を見たときに、私も様子を表す言葉を持っていたいと思う。

  • 前作が面白かったので読みました。
    コロナのためか、鬱々としてしまうことが多く、落ち込まない内容のものを探していたのですが、ばっちりでした。
    主人公の若い男の子の語り口はかるいものの、山への愛情や村の人々としっかりと関わろう気持ちが感じられ、あたたかい気持ちになった。

    なあなあの気持ちで、今をのりきりたい。

  • 神去村で林業を始めた勇気くんの手記・第2弾。前作でも感じたとおり、“神去村綺譚”ともいうべき続編だった。繁ばあちゃんが語る「神去村神話」が白眉。ほかにも神去村の“なあなあ”な愛すべき人々、勇気と直紀の恋模様など盛り沢山だ。……にしてもこの作家、まだ数作しか読んでいないが、どれも驚くほど完成度が高いし、引き出しが多い。未読がいっぱいで、この先読むのが楽しみだ。

  • 神去村シリーズ第2弾。
    林業のこと何も知らなかった勇気君が、仕事に恋に大奮闘。
    明るいストーリー展開がいいね!

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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