クリムゾンの疾走: 南アルプス山岳救助隊K-9 (徳間文庫 ひ 24-5)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198943028

作品紹介・あらすじ

東京・杉並区で起こった連続愛犬殺害事件。殺された犬はすべてシェパード。空手の全国大会に出場するため上京していた山梨県警南アルプス署の神崎静奈と後輩の曾我野は、愛犬のバロンを迎えに行く途中、偶然、一匹のシェパードと飼い主の少年が車で連れ去られる現場に遭遇する。カーチェイスの末、犬と少年を無事救出した静奈たち。だが今度はバロンが攫われる……。事件の裏に隠されたもうひとつの事件とは? 大藪春彦賞作家の書下しサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの8冊目。
    読む順番がバラバラになってしまっているのだけれど、シリーズとしてはこの前に読んだ「白い標的」の次の巻ということで良いのかな?

    今回は冒頭から怒涛&波乱の展開。
    静奈が出場した空手大会を皮切りに、最近出没しているシェパードばかり狙う賊と遭遇してのカーチェイスと見せ場が続く。
    ここまででも結構凄いと思っていたがなんのなんの。今度はバロンが捕らわれ再び激しいチェイスと格闘劇、挙句に犯人一味と間違われた静奈が警察から追われるはめに。
    くう~っ、なんと言うこと…、一旦本を閉じて心を鎮めないと次に進めないくらい苦しい展開。遂に捕まってしまっても手錠のままに脱出し、警察から逃げながら、バロンを救いに追い縋る。
    もしもバロンが被害に遭ったらと問われて『そのときは自分を抑えきれる自信がない』と言ってはいたが、それにしても無茶するなぁ…。

    この窮地をどう脱するのかとドキドキしていたが、新宿のホームレスや所轄の刑事・大柴の助けで意外とあっさり抜け出し、警官を撃った疑いをどう晴らすのかと思っていたがこれも簡単に晴らされ、それまでの展開からするといささか肩透かし。
    その後は、どちらかと言えば大柴が事件の全貌を解き明かしていく話となり、公安が貼り付いたりフリーライターが接触してきたり、それなりに面白い話ではあったけど、あまり山岳救助隊とは関係ない話になってしまったのがやや残念。

    今回、巻頭にお馴染みの地図がついておらず、大半が都内での話だったので必要なかったということだが、このシリーズでは北岳で犬たちが活躍する話を読みたいね。

  • 山岳救助犬シリーズ最新作。
    まさかの文庫書き下ろしで、発売されたことに最近気がついた…何故いきなり文庫書き下ろしなの〜?
    今作は北岳ではなく、空手大会出場の為に東京を訪れた神崎静奈が、運悪く、シェパードの連続誘拐事件に遭遇してしまい、バロンを攫われてしまう。
    静奈はバロンを取り返す為に、必死に犯人を追う。
    いくら大事なバディを取り返したいと言っても、本来は警察官。あまりにも取り乱し、常識を外れた行動を続ける静奈に同情の余地はない。それでも、簡単に事情聴取も終わってしまって、前にも書いたけど、この作者さんは大規模犯罪を絡めた話は向いていないと思う。
    公安やテロ組織の話より、やはり山の安全を守る人々の話を描いて欲しい。

  • 都内で発生しているシェパードを狙った事件に、たまたま上京していた静奈とバロンが巻き込まれる。
    物凄い勢いで話が突き進んで読み切ったのは、やはり読み易いのだと思うが…
    事前に助けた人が、実は下見に来た犯人だったというのは、どこかで読んだことがあるようなありがちな感じも。

  • 最後に北岳でのシーンがあるが、大半の舞台は東京。
    このシリーズではちょっと異色作。それゆえ、いきなりの文庫なのだろうか。
    誘拐されたバロンを奪い返すため、ハンドラーの神崎静奈が犯人たちを追う激しいカーチェイス、思わぬアクシデントで警察からの指名手配!を受けながら、その包囲網を潜り抜け、絶望的な状況にもかかわらず、ひたすら犯人たちに迫る。
    相棒のバロンを奪還しようとする、静奈の哀しいまでに一途な追跡から目が離せない。
    ともかく、題名通り疾走感あふれるノンストップアクションエンタメ。

  • 2019.6.5読了

  • 天空の犬シリーズ 最新刊。
    今回の主人公は、山岳警備隊一の美人キャラ、神崎静奈巡査。
    警備隊随一の武闘派である神崎巡査の強烈な戦闘シーンから息つく暇もないカーチェイス。そして、奪われたバディであるシェパードのバロンを救うための強烈な追跡シーン。
    今回、いつものヒロインの夏美とメイの出番は少ないが、いつもに増してスピード感のある追跡シーン、戦闘シーンは、山岳救助犬シリーズに新しい展開をもたらしている。
    ますます面白くなる本シリーズ、最新作を読み終わったその時から次の作品が読みたくなる。

  • タイトル通り、一気読みできるサスペンス。
    今回の主役は静奈とバロン。
    シェパードばかりを狙う連続誘拐犯に拐われたバロンを追う静奈が犯人たちと激闘を繰り広げる中で大変な窮地に陥る序盤はハラハラドキドキの連続だったが、意外にアッサリと解決。
    その後公安が絡んできてどんな横槍や駆け引きがあるのかとワクワクしていたが、こちらもしつこくなく退場。
    所轄の中年刑事が良い味を出していたが、もう少し活躍して欲しかったような。
    面白いんだけど色々半端な感じがしたのが勿体ない。
    夏実と深町は相変わらず進展なし。
    静奈は曾我野に思われてるのかと期待してたら、そう来るか。
    しかし夏実も静奈もしばらくは仕事に情熱を向けてる感じで、それも良いか。

  • 樋口明雄『クリムゾンの疾走 南アルプス山岳救助隊K-9』徳間文庫。

    文庫書き下ろしシリーズ最新刊。何時ものように南アルプスから物語は始まるが、序盤を過ぎると驚愕のハードな展開が待っていた。そもそもタイトルの『クリムゾン』とは何だ、何だと、気になりながらの予想外のハードアクションな展開に一気読み。

    空手大会出場のため上京中の山梨県警南アルプス署の神崎静奈の愛犬バロンが謎の男たちに拐われる。バロンを取り戻すために静奈はなりふり構わずハードなカーチェイスと男たちとの闘いを繰り広げるが…

    こういう血沸き肉踊るようなハードアクションを描ける作家の存在は非常に貴重だ。しかも、主人公が美人空手家というのがまた良い。

  • 山岳小説なのに警察小説にするのが申し訳ない
    でも、今回は失踪感あふれる作品に仕上がっているのだが、山に登った(下見して)理由がいまいちわからない
    流し読みになれ過ぎてしまうのも問題だと自覚した(笑)

  • シェパードばかりを狙った飼い犬の連続誘拐殺害事件が都内で発生していた。空手大会出場のため上京中だった山梨県警南アルプス署の神崎静奈の愛犬バロンまでもが、犯人グループに連れ去られてしまう。「相棒を絶対に取り戻す!」静奈は雨の降りしきる都会を突っ走る。激しいカーチェイス。暗躍する公安捜査員の影。そして事件の裏には驚愕の真実が!大藪春彦賞作家の書下しアクション。

    シリーズ第7作。勢いだけで読み切ってしまう。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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