ものだま探偵団 ふしぎな声のする町で (徳間文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198947378

作品紹介・あらすじ

「活版印刷三日月堂」のほしおさなえが描く、
ちょっぴりふしぎで、あたたかい物語。

小学校5年生の七子が両親と一緒に
引っ越してきたのは、坂木町にある古い一戸建て。
夜中に、部屋でだれかが話している声が聞こえたり、
ふしぎなことが起こったり…。
そんなある日、七子は、クラスメイトの鳥羽が、
公園でひとりでしゃべっているのを見かけた。
そばにはだれもいないのに、男の人の声も聞こえる。
話し相手は、なんとカサ立てのツボ。
この町では、ものに宿った魂=「ものだま」の声が
聞こえるらしい…。

七子のまわりで起こるふしぎなできごとに、
「ものだま探偵」桜井鳥羽が挑む! 

表題作と「駅のふしぎな伝言板」の2話を
おさめました。

心がほっこりあたたかくなると評判の
ほしおさなえによる、少女探偵物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 「三日月堂」「月光荘」「紙屋ふじさき」と読んできたが、ほしおさんの別のシリーズに行ってみる。
    ちょっと少年少女向きって感じだが、疲れている頭にはちょうど良いか。

    小学校5年生の七子が父親の仕事の都合で母親が昔住んでいた町に引っ越しをするところから始まるお話。
    引っ越した先の古い一戸建ての家では、夜中に誰かは話している声が聞こえたり不思議なことが起こったり。どうやらこの町ではものに宿った魂(ものだま)の声が、聞こえる人には聞こえるらしい…。

    七子は、ものだまの声を聞くことが出来る同級生の鳥羽と一緒に、周りで起こる不思議なことを解き明かしていくことになるが、最初の話は人物紹介や背景・設定の説明もあっていささかゆったり、まだ序の口といった趣き。

    二話目でようやく少女探偵団っぽくなってきた。
    行きつ戻りつの推理はやや子どもっぽいが、伝言板の暗号の謎解きは鉄道好きには結構楽しい。
    その上で、暗号が解けてからがこの作者の真骨頂。増田くんやそのおばあちゃんが伝言板を通して伝えたかった思いにしんみり。
    のみならず、多くの人が思いを伝言板に託した時代のことが偲ばれ、『いろんな人がいろんなこと思ってるんだなあ、って、それ見てるだけで、なんか力が湧いてくるんだ』というそば屋のおじさんの言葉にまたじんわり。

    続きもそのうち読んでみようと思う。

  • モノの声が聞こえるという設定なのでともするとただのファンタジーになってしまいますが、謎解きのロジックはなかなか面白いつくりになっています。
    まだエピソードはあるようなので、続巻の文庫化も楽しみにしています。

  • 続編を先に見つけてしまい、結局まずはこの本を買って読んだ。安定のおもしろさ。

  • 物に魂が宿る「ものだま」。

    タイトルと表紙から見て感動系かとおもいきや、おもしろい系のお話。

    物がおもしろいことを言うところがおもしろかった。

  • 荒ぶるトランクケースと伝言板の話。児童文学でした。寂しさを思いやれる子供が増えるといいね。

  • 付喪神の概念がうまれる日本らしい物語。
    思い出のあるもの、探してみたくなりました。

  • 「ちょっぴりふしぎで、あたたかい物語。

    小学校5年生の七子が両親と一緒に
    引っ越してきたのは、坂木町にある古い一戸建て。
    夜中に、部屋でだれかが話している声が聞こえたり、
    ふしぎなことが起こったり…。
    そんなある日、七子は、クラスメイトの鳥羽が、
    公園でひとりでしゃべっているのを見かけた。
    そばにはだれもいないのに、男の人の声も聞こえる。
    話し相手は、なんとカサ立てのツボ。
    この町では、ものに宿った魂=「ものだま」の声が
    聞こえるらしい…。

    七子のまわりで起こるふしぎなできごとに、
    「ものだま探偵」桜井鳥羽が挑む! 」

  • 読みやすいし、あたたかいお話。
    伏線がいろいろあって、今後のシリーズも気になる。

    ものだまとは、日本らしいなぁと思う。
    あらゆるものに神が宿る神話や、妖怪、そしてことだま。
    ものだまも違和感なくすっと入ってくる。

  • 著者の作品は「活版印刷三日月堂」、「菓子屋横丁月光荘」と読んできたけど、このシリーズの方が先なんだ。「月光荘」に繋がるところがあるな。主人公たちが小学5年生なので、ジュブナイルになっているが、その感じもなかなかいい

  • 少女探偵物。主人公が小学五年生なので子供向けになっていて、展開が凄く丁寧に書かれているためちょっともどかしく感じますが、人と物の暖かい物語。
    鳥羽と七子が楽しそうでわくわくしてくる。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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