- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784199004827
感想・レビュー・書評
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読み返すのは3回目くらいかな。なので初読の感想ではないですが、最初と同じところではっとしている気がします。とても好きな本。好きなのでうまく感想が書けません。
ゆっくりゆっくり進んでいく話。想いが通じ合うまではすんなりいくのですが、手にしたら判るけどBL小説にしては結構分厚いのです。通じ合った後を丁寧に描いてる作品。通じ合って終わり、じゃなくそこから始まる。
心理面が中心の話です。お互いに好きだと判ったところで、その瞬間から考えてる事が全て解るようになるわけじゃない。楓がずっと胸の奥底に抱えてきた諦観。物事は全て、いつか終わる。悲観しているわけでもなくただ淡々と事実として知っている。そのせいで、触れても好きだと言っても、楓自身に本当には触れられていないようなもどかしさを感じる鴻島。太陽のような鴻島と静かな楓。好き、がどうして届いている感じがしないのか。いつか終わる、が不安ではなく事実と捉えているのは。それは楓自身も気づいていなかった理由でした。自覚して、事実が不安に変わり失くす事を恐れ、漸く本当に感情を知る楓。こころの動きを本当に丁寧に描いています。だから、解らないところがないし、ひとつひとつに得心がいく。どういう意図からその言葉が出ているのかとか。よく「話し合えよそれで解決でしょ?」とイラっとする事があるのですが、言葉を費やさなくてはいけないと自戒したりしてて本当に痒いところがなくすっきり。
鴻島は年下の彼氏、大学生だけど自分をしっかり持っていて揺らがなく強く人の気持ちも汲めて、甘える素振りで甘やかす優しい青年。その器の大きさ包容力がとても素敵です。だけど楓からしたら子供なわけで、楓に「大丈夫」と言わせてしまう自分に苦しんだり。
まだ早いんじゃない?という楓に対して言う鴻島の言葉の説得力。成る程、と頷いてしまいました。そういう場面が沢山ある話。子供がした事への責任とか。どんなに大人びていても、責任は取らせてもらえない。一番は楓の妹の言葉ですが「きちんと愛させてほしい」「愛される責任」は何度読んでもはっとします。知っているのと受け取るのは全く違うのよって。
菱沢さんは文章に癖があるのですが、この作品の場合それが逆に良いと思いました。夜の重さや深さだとか幸せの哀しさだとか、表現の仕方がとても叙情的で。静かに胸に入り込んできて泣きたくなる。
挿絵。これは本当に穂波さんで良かった。ぴったり。他の人では考えられないと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学生×社会人。家族がいない部屋とか居た時の夢とか
悲しくて泣けた;;めっちゃ分厚いんだけど、そんなに長くは感じなかった。
達観していた楓が、徐々に心を開き愛されたいと思えるようになるまでの過程が丁寧に書かれていて、とても満足でした。 -
塾講師 後輩x先輩 甘すぎてムズムズするほどに純愛 安心して読めるが物足りない
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《勝手に評価》
エロ度★★★
純愛度★★★★★
ワンコ度★★★★★
【大学生×社会人・ネガティブ・ワンコ・ライバル出現】 -
「切ない本」タグから見つけた本でした。
とても好きな話でした。切なかったし、楓さんがすごく魅力的でした。少しずつ距離を縮めていく感じがとてもいいです。 -
年下攻はやっぱいいなあ
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★3.5
読了日:? 出版日:05/2008 -
あらすじが好みだったので何となく衝動買い。厚さの分、心理描写が丁寧で、周囲の人々(妹や上司)の人柄も温かく描かれていてよかったです。こういう穏やかな人情系は大好きだ〜。(2008.09.07読了)
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08/6/13
大学生×塾講師。
イラスト買いでしたが予想外に面白かったのでラッキーです。二人とも敬語なところがツボでした。
妹がキーだったようなきがします。兄妹で仲が良いのはいいですね。たとえ兄がホモでも(笑)
『・・・人生は強制参加だと思うけど』253P -
めちゃめちゃ穏やかなBLなのに、この分厚さ。分厚いけど全く苦になりませんでした。