-
天盆 (中公文庫 お 91-1)
- 王城夕紀
- 中央公論新社 / 2017年7月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫 JA タ 14-1)
- 多崎礼
- 早川書房 / 2016年5月24日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
人魚姫の弟 (フルール文庫 ブルーライン)
- 犬飼のの
- KADOKAWA/メディアファクトリー / 2014年9月11日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
バチカン奇跡調査官 2 (MFコミックス ジーンシリーズ)
- 日野杏寿
- KADOKAWA / 2017年6月27日発売
- Amazon.co.jp / マンガ
- 購入する
-
バチカン奇跡調査官 二十七頭の象 (角川ホラー文庫)
- 藤木稟
- KADOKAWA / 2017年7月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
祝福された吸血鬼 (キャラ文庫)
- 宮緒葵
- 徳間書店 / 2017年6月27日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
神の棘II (新潮文庫)
- 須賀しのぶ
- 新潮社 / 2015年6月26日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
「あぁーーー!!」
最後の一行を読み終えた直後、慟哭しました。顔を覆って天を仰いでしまいました。あまりにも、あまりにもアルベルト・ラーセンという男はずるい。ずるくて、愛しく、美質にあふれていて、悲しくなるほどです。
マティアスと同じく、アルベルト・ラーセンという人が、通巻二冊を通しても私にはわかりませんでした。内面は確かに書かれているのに、本心というものがよく掴めませんでした。その、よくわからんアルベルト・ラーセンは、妻から見れば強靭な夫で、マティアスから見れば様変わりしたよくわからん冷徹な男でした。よくわからん強靭で部下からの信頼も厚いアルベルト・ラーセンの内面や憶測が外部の一太刀から語られるたび、ツンデレかよ!と突っ込まずにはいられませんでした。
マティアスの行く先には、かならずアルベルト・ラーセンがいました。アルベルトはまるでマティアスを導くように先まわりして、マティアスを信仰の道へと先導しました。アルベルト・ラーセンは、マティアスにとって、道を示すような人だと思いました。ラストを読んで、なお、その思いは深まりました。
アルベルト・ラーセンはずるい男です。友を自分の理想に引き立てたように、私には思えます。アルベルト・ラーセンの思う、マティアス・シェルノが、最後には残されました。アルベルト・ラーセンはひどい男です。
「なぜおまえばかり」とアルベルトはこぼしました。その先は「神は救うのだろう」と続くのかな、と思いました。もしくは、選ばれるのだろう、かもしれません。
「神の棘」は、羨望の物語でした。羨望、嫉妬がなければ起きなかったことです。でもそれは、人からは、拭い去れない感情です。
神の棘とは愛だと語られています。神の愛は試練で、選ばれて痛みを与えられ、それを乗り越えれば、神の愛に応えられる、ということなのかな。なぜおまえばかり。アルベルトの台詞は、ふとした瞬間に頭によぎりました。
信仰とはいいものだな、とマティアスを見ていて沁み入りました。荒れていたマティアスが手放さなかった信仰、愛は美しく、とてもきれいで、アルベルトの最後の台詞に説得力を持たせています。
一巻はなんとなく読み終えたのですが、二巻はそれはもうのめり込んで読みました。安楽死施設のくだりから、聖体、謁見、叙階、裁判……めまぐるしく、一気に読みました。アルベルト・ラーセンに降りまわされ、アルベルト・ラーセンの幸福を祈って読みました。
最後、アルベルトは幸福だと言いました。本心かもしれないな、と、ここまで書いていて思いました。マティアスとすごした、コーヒーの匂いに包まれた時間。切なく、美しい、もどかしいラストが、読み終えた直後に唸るほど、私は好きです。
2017年7月22日
-
後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)
- 篠原悠希
- KADOKAWA / 2016年12月22日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
寂しがりやのレトリバー (リンクスロマンス)
- 三津留ゆう
- 幻冬舎コミックス / 2017年2月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
幸せならいいじゃない (ディアプラス文庫)
- 久我有加
- 新書館 / 2016年9月10日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
美しい義兄 (キャラ文庫 と 2-21)
- 遠野春日
- 徳間書店 / 2017年4月27日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
プライド高くてつっけんどんで高慢な美人受けのお兄様、端から見ると冷たくて機嫌をすぐ損ねる壮絶に扱いにくい人だけど、内面は繊細で不器用で、うまく優しくできない、人間味のあるひとでした。それだけに、221Pを読んだときはひえー!かわいいー!!!と悲鳴を上げて崩れ落ちました。なんと愛しいことでしょう……!
めちゃくちゃやっかいな美人だけど、攻めはそんなお兄様が大好きなので末永く幸せにおすごしいただきたいです。
2017年5月21日
-
可愛い兄のしつけかた (プラチナ文庫)
- 渡海奈穂
- プランタン出版 / 2016年12月12日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
stand up, please! (ガッシュ文庫)
- 栗城偲
- 海王社 / 2016年4月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
不機嫌な弟 (キャラ文庫 た 7-3)
- 田知花千夏
- 徳間書店 / 2016年1月27日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
初恋にさようなら (リンクスロマンス)
- 戸田環紀
- 幻冬舎コミックス / 2016年8月31日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
グレーとブルーのあいまで (Canna Comics)
- 糸井のぞ
- プランタン出版 / 2016年7月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
男やもめも花は咲く (KARENコミックス)
- ゆくえ萌葱
- 日本文芸社 / 2016年6月29日発売
- Amazon.co.jp / マンガ
- 購入する
-
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)
- 若林正恭
- KADOKAWA/メディアファクトリー / 2015年12月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
地図のない場所で眠りたい (講談社文庫)
- 高野秀行
- 講談社 / 2016年10月14日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
文章の話、執筆の話など、普段はあまり出てこない話がぽろぽろあって楽しく読みました。あらすじよく見たら書いてありましたが、創作論的な一冊でした。文章を書く理由、みたいなところが好き。
2017年4月28日
-
物語論 基礎と応用 (講談社選書メチエ)
- 橋本陽介
- 講談社 / 2017年4月11日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
バチカン奇跡調査官1 (MFコミックス ジーンシリーズ)
- 日野杏寿
- KADOKAWA / 2017年2月27日発売
- Amazon.co.jp / マンガ
- 購入する
-
文豪失格 (リュエルコミックス)
- 千船翔子
- 実業之日本社 / 2015年11月28日発売
- Amazon.co.jp / マンガ
- 購入する
-
バチカン奇跡調査官 ゾンビ殺人事件 (角川ホラー文庫)
- 藤木稟
- KADOKAWA / 2017年2月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
-
来たる晴れかけの明日よ (Canna Comics)
- 上田アキ
- プランタン出版 / 2016年6月29日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する