月にトンジル (読書の時間 8)

著者 :
  • あかね書房
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本棚登録 : 129
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251044785

作品紹介・あらすじ

「テツヨン」とよびあう仲良し4人組のムードメーカー、ダイキが引っ越すことに。変化を受け入れられない主人公トールは、おじいちゃんが残した言葉をきっかけに、見えていなかった「テツヨン」の内面に気づきはじめる……。オモテとウラの顔があることにはじめて気づいた怖さ。ウラガワをもつからこそ感じる人間らしい魅力……他人の心にふれるとまどいを、等身大の目線でみずみずしく描く。友情の変化がリアルな成長物語。

感想・レビュー・書評

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  • 永遠に仲良しだと思っていた4人組だったが、1人の引越しによって変わっていく。
    と、いうのが主人公トールの見方だった。
    トールが、今までテツヨンのメンバーで楽しかったのは、自分が得意なことで遊んでいたからだと気づいたところがよかった。
    成長する様子を丁寧に描いた作品。

  • 4.5年から。人にはオモテとウラがあることを、すっと落とし込めない気持ちを消化させてくれる作品。思い通りにならない日常のお話が長めに続くが、最後の巻き返しで急激に、それぞれのオモテウラの理解と、ウラも持つ人間らしい成長が描かれて納得する。

  • 手に取る機会があって読む。

    トール、ダイキ、シュン、マチは、「テツヨン」とよびあう仲良し4人組だった。
    ダイキが引っ越すことになり、テツヨンはばらばらになってしまう。
    永遠の友情はあるんだろうか?

    友達とは、を考える本。
    高学年ともなると、幼馴染みだからと一緒にいた子達とのずれも出てくる。
    友達づきあいにもやもやを感じるのが、思春期の始まりなのかも?
    語り手のトールは、亡くなったじいちゃんの言葉を思い出す。
    月のウラガワやトンジルの脂が、人間の魅力。
    ほんとそうだなと思います。
    人の意外な一面を知ると、その人に興味が湧いてくるもの。
    絶対とか永遠を求めるけれど、その時間を共有できたってことがかけがえのないことなんだよ、と、おばちゃんは思うのでした。
    絵もすてきでした。

  • 大樹(ダイキ)、旬(シュン)、万千(マチ)、そしてぼく徹(トール)
    幼稚園時代からつるんできた遊び仲間の“テツヨン(鉄の四人組)”

    来年は四人いっしょに近くの市立中学に行くと決めていたけれど、大樹が引っ越すことになりすきま風がふきはじめる

      表向きは友だちみたいな顔して、いざとなったら本当の友情はなにもなかった……

    くずれていく固く結ばれていた“テツヨン”のきずな

    「けどな、月には、こっちから見えないウラガワがあんだよ。ウサギのいねえ、ムスッとした顔のほうだ。けど、それも月なんだ。わかるか?」

    死んだじいちゃんが残したことばをきっかけにみんなの心に気づきはじめたトールは、里帰りする大樹の歓迎会を計画するが……

    《等身大の目線でみずみずしく描くリアルな成長物語》──帯の紹介文

    著者は『アドリブ』で第60回日本児童文学者協会賞(2020年度)を受賞したイタリア在住の作家 佐藤まどか

    6年生の表情にウラガワまで表現するイラストはさすがの佐藤真紀子

    あかね書房“読書の時間”レーベルから、2021年5月刊

    《中学年から高学年向けの創作読み物シリーズです。朝読などにも最適! ふしぎでワクワクするお話から、家族や友情のことまで、楽しくて心温まる物語と出会えます!》──“読書の時間”サイトの紹介文(既刊10冊)

    月のウラガワを想像しながら読むのもまた楽し

  • タイトルのトンジル、外国語なのかなと思っていたがなんてことはない豚汁のことであった。鉄の絆で結ばれた幼なじみ4人組のテツヨン。一人が転校することをきっかけにテツヨンは少しぎくしゃくしていく。ずっと小さな子供のころのままではいられない。大人になっていくにつれて関係は変わっていく。

  • 表と裏
    子どもから大人に向かう年頃の戸惑い、
    人って複雑で、だからこそおもしろいってことだけど、
    そうだね、
    戸惑いながら生きていく、何かが解決して
    「よかった!よかった!」
    って話じゃなくて、こんな感じだなあと。

  •  幼稚園から続いている4人の友情は、小学校の卒業を前に危うくなった。ムードメーカーの大樹が大阪に引っ越すことになったことがきっかけだったけど、本当はもっと前からギクシャクしていた…?

  • 幼稚園からの幼なじみ4人組。
    友情は永遠に続くと思っていたが、趣味も性格も異なる彼らは、仲間の引っ越しを契機に徐々に疎遠になっていく。
    友人との関係が変わってしまったことにとまどうトールはその原因を考えるうちに、亡くなった祖父が言っていた「人間にはオモテガワとウラガワがある」ということの意味を理解していく。
    友情が絶対的なものではないこと、人間には他者に見せない裏側があることなど、人間関係の真理を少年の目線で丁寧に描いていて興味深い。

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著者プロフィール

『水色の足ひれ』(第22回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞・BL出版)で作家デビュー。主な著書に『スーパーキッズ 最低で最高のボクたち』(第28回うつのみやこども賞受賞)『ぼくのネコがロボットになった』『リジェクション 心臓と死体と時速200km』『雨の日が好きな人』(以上、講談社)、『セイギのミカタ』(フレーベル館)、『つくられた心』(ポプラ社)、『一〇五度』(第64回青少年読書感想文全国コンクール中学校部門課題図書)、『アドリブ』(第60回日本児童文学者協会賞受賞)、『世界とキレル』(以上、あすなろ書房)など。
イタリア在住。日本児童文学者協会会員。季節風同人。

「2023年 『おはなしサイエンス AI(人工知能) ロボットは泣くのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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