- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784253171205
感想・レビュー・書評
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少し設定は粗いが、人間の変化・成長を昆虫にリンクさせた発想に、やる気を感じる。手塚さんはいつもそうだが、何気ない物語に世相や経済を少し絡め、ほのかな深みを創っている。何にでもなり、何をも盗む女、十村十枝子。元来、強い女性とは、このような人なのか。
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『アドルフに告ぐ』みたいな、全部一気に読み切らないと気が済まない中毒性がある。
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まねたり盗んだりするのも人間の個性といえちゃうのかもしれないなと
考えさせられる作品。
人のためを思ってしていても、その人のためにならないこともあるんだよね… -
主人公の生き様は動物として合理的だと思った。
社会の常識の範疇からは外れているが筋は通っている。
異常だと思いながらも回りの人間は彼女に翻弄される…
ここまでではないけれど現実にもそのような人は居る。 -
あなたは読んだ方ですか、読まされた方ですか?と、あとがきにも書いてある。これは間違いなく読まされてる方だった。なぜなら、主人公の人間の所作を模倣する生き方に何かしらの共感の念を抱いてしまったこと、そして一つのサスペンスドラマを見ているようで最後まで見なくては済まない状況になっていたこと。
決して良い生き方ではないだろうが、個性とは様々な影響を受けて形成されていくと思われる故に、非常に感慨深い作品でありました。久々に読みがいのあるマストな作品でした。 -
今まで読んだ中で、文学と呼びたいと唯一思った漫画。
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変態する変態女の物語。あまり好きではない。
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2009年12月姉に譲る。
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変態に乾杯!
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人間誰もが多少なりとも持っている「人の知識や能力をコピーする」生きかたを誇張させ、主人公十村十枝子に演じさせた人間昆虫記。何にでもなれるが、本来の自己が伴わない主人公の巧妙さ、悪さ、そして悲しさをグロテスクな描写を交えつつ巧みに書き出しています。僕としては、あまり好きになれない手塚作品のひとつなのですが…。