ユフラテの樹 (秋田文庫 1-42)

著者 :
  • 秋田書店
3.22
  • (2)
  • (8)
  • (24)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 111
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253171809

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1996年刊(初出1973~74年)。高一コース(多分学研の学習雑誌?)に連載とのこと。超能力を得られる果実に踊らされる少年らの全能感とその愚劣さを風刺。今風に言えば学生の「中二病」を揶揄、あるいは、真実そのような全能的な能力を身につけたことから産まれる人としての葛藤、善意との軋轢、善意を他人に強要する愚劣さを痛烈な筆致で描写。全共闘又は学生運動の中後期の時代模様を反映した、と思われるが、その実、現代にも、本書で描かれる心性は妥当するようにも思える。10代後半のある意味普遍的心性を描いたのだろうか。
    実のところ、そこまでとは思いにくいのだが、切り取った時代相が、時代を超えた普遍性を認めうるのであれば、手塚の天才をまざまざと見せつける一書と言えるかもしれない。

  • 突然超能力を覚醒させた高校生3人組の話。デスノートの原型のような部分もある。

  • え。メインキャラ3人の中でも最もメインかと思われていた鎌が、なんでこんなにおかしなパーソナリティに。

  • 「ユフラテのの樹になる実」=「知恵の実」を食べてしまった3人の学生が大変なことに!!

    ていうか主人公の変貌にびっくりしたよ。ハッピーエンドで良かったです。大きな力をもつってことにはそれなりの覚悟と自制が必要なのですね。

  • 普通の高校生がユフラテの樹の果実を食べ、それぞれが超能力を身につけ破滅に向かっていく作品。「全体の構想などまったくないままに連載を始めた」という、超見切り発車的名作です。

    「ユフラテ」とは旧約聖書に登場する川の名前であるそうな。後半、どんどん悪人化していく主人公のひとり・鎌の崩壊っぷりが凄まじいです。

  • やっぱり、手塚治虫先生は凄い。
    ユーモアある発送力と、物語に引き込む魅力。
    短編だからって侮れません。

    禁忌のものに対する人間の本能的な欲求は罰を与えるべき、とよく考えているのかな、手塚先生は…。

    (10,01,30)

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手塚治虫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×