自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン

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  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260016285

作品紹介・あらすじ

対人関係のカギは"自分の心"にある。気鋭の精神科医が説く"人とかかわる"ための知恵と技。

感想・レビュー・書評

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  • 怒り、不安、見下し、、、自分の中で起きていることが何なのかよくわかった。全ては怒りからきていると。

    対人関係は自分の心にあり、自分をコントロール、怒りを抑えること。人の心は瞬間的にコロコロ変わるというのは初めて知ったことで、コロコロ変わるなら瞬間的にコントロールできれば、希望にもなる。難しい場面ばかりだが、意識してコントロールしてみよう。出来たという実感をつかみたい。この話、仏教の教えに通じており、裏を返すと、昔から人のなやみってって同じなんだな。

  • 自分自身の備忘として。
    うつ病を患い、自分の心を平穏に保つ方法のヒントは仏教にあるのではないかなと考え始めた折に出会った本。著者は精神科医で仏教も嗜んでいるようで、私が求めていた考え方を明文化して示してもらえたように感じる。心も諸行無常である、という新しい発見も与えてくれた。

    「私は怒っている」と自覚したり「南無阿弥陀仏」と唱えることで怒りをコントロールする技法が紹介されており、ここ数日意識的に実践してみたところそれなりに効果が見られたので今後も続けたいと思う。

    また、陰・陽 × 集中・闘争・行動・感情・頭脳タイプに分類される名越式性格分類も興味深かったので、別の詳しい本も読んでみたい。(恐らく自分は陰×行動タイプ)

  • N150/ナ

  • 「人の心は一瞬で変わる」
    僕らは最愛の人にこそもっとも激しい怒りの感情を向けやすい。この文章は響いたなー
    古来より日本人は、文脈に依存した怒りよりも、解離的な怒りをみせる存在を好む。というのを読んで、YouTubeスパチャ額実写だと日本一(世界一位)のブチギレ氏原のことが思い浮かんだ。自分自身なぜ彼のよくわからない怒り芸に惹かれるのかわからなかったが、自分は日本人の特質を持っているのだろう。また氏原さんの怒り芸の根幹は、本にも書かれていることを言い回すと、親に認めてもらいたい、愛情欲求を出しているのだなと彼が言っていた親子関係からも想像することができた。

    「自分だけが正しくて、私の言うとおりにしない他人は間違っているんだ」と考える傲慢な自分が少なからずいるのが普通です。
    なぜ〇〇なんだという怒りは「他人も、自分と同じ感受性を持っているはずだ」というある種の思い込みに基づいている。
    昔の自分はこの通りだったなぁ、、

    他人はあくまで触媒で、他人に「変えてもらう」とか「成長させてもらう」のではなく、「自分が変わる」という気持ちがあって初めて学びや成長があるという文から、忍野メメの「ひとは一人で勝手に助かるだけ 誰かが誰かを助けるなんてことはできない」という名言を思い出した。

    性格分類もっと勉強しよ

  • 自分の心は自分でコントロールできるものではなく、暴れ馬、あるいは厄介な隣人のようなものだ。その証拠に、ただ目を閉じて何も考えないようにしても頭の中には様々な雑念がなんの脈絡もなく浮かんでは消えていく。この本はその暴れ馬とどう向き合うかについて書かれている。

    ・自分が怒っているということを自覚すること。自覚することで怒りという感情を切り離して考えることができる。
    ・今現在起こってしまっていることはひとつの原因に起因するものではなく、無限の要素が蜘蛛の巣のように絡んで起きたことに過ぎない。ゆえに特定のものに怒っても意味のないことだということを理解する。
    ・子供が泣くのは怒りからくるものであり、親は泣く子供に謝罪をしながら世話をする。怒ることで相手(自分を保護し育てる存在)をコントロールしようとするのは人間の生まれ持ったコミュニケーションであり、人間は最も身近な人間に怒りでコミュニケーションを取ろうとする傾向がある。
    ・欲や不安は突き詰めれば怒りである。
    ・意識レベルが低下するとネガティブな思考に陥りやすい。特に朝の起き抜けはその状態が顕著なので布団にこもってダラダラせずパッと起きてしまう方がいい。

    他にも仏教や瞑想、性格診断など怒りを意識して最小限に抑える方法が書かれている。

  • まず自分は毎日の生活の中で、小さな出来事に対し何度も何度もイラついていると気づくべし。
    前を歩く人が遅いとか、電車内の会話がうるさいとか、歩道を走る自転車とか。
    そういった小さな怒りの積み重ねが自分を疲れやすくさせている。
    まずそのことに気づけるかどうかで、感じるストレスが大きく違う。 

    怒っているときには「自分は怒っている」と言い聞かせる。

    毎日数分でも瞑想する時間をもうける。
    瞑想する瞬間、リラックスし落ち着くのではなく、
    瞑想を努力し続けた結果、リラックスした心が手に入ると考える。 

    大きな木に触れて怒りを流す。
    心に月を浮かべ、できるだけリアルにイメージする。

  • 5年前に一度読んだものの再読。
    当時は、読めと言われて読んだものの、あまりピンと来なかった。
    「怒り?何?」みたいな。
    帯に小田嶋隆さんの「怒っている人は必読」とか名越先生自身の吹き出しで「そろそろ、『自分の心に振り回される人生』に決別しましょう」とあるのだが、それも「私には関係ない」みたいな、今から思うと傲慢…

    少し前から本棚にあるのが目について、「あ、これ私今読む本かな」と気になっていた。帯の文も、めちゃくちゃ響く。5年後のために買っておいたのか。

    また大量の抜き書きをしたが、抜き書きできなかった部分で気になったのが、朝、起きた直後の大切さ。これも5年前には全然ピンとこなかったんだけど、今はすごくわかる。目を覚ましたら、できるだけ早く起き上がる。そうでないと暗い「自動思考」が始まってしまう。


    "僕ら人間は、最も愛している人、もっとも大切にしなければならない人、あるいはもっとも自分のことを大切に思ってくれる、もっとも破壊的感情を向けてしまう。幼いときから、繰り返しそういうパターンを刷り込まれているんです。"
    42ページ

    "ものすごくさびしくてしょうがないっていうときに、ちょっと俯瞰的な立ち位置から「哺乳類の中でも最悪に甘やかされた人間だから、しょうがないなあ」と考えることができれば、「ちょっと深呼吸して、風呂でも入ってみようか」という気分にもなると思うんです。" 48ページ

    "怒りにかられると視野が狭窄し、妄想的な思考に取りつかれるようになり、結果として判断を誤ってしまう。" 65ページ

    "心は一瞬にして変わるし、怒りにかられる宿命があるわけですが、それを落ち着けることさえできれば、世界の実相を捉えて適切にふるまうことができる、すごい力を持っているんじゃないか、と思うんです。" 77ページ

    "人間の目から見るとどんなに絶望的な状況に見えても、実際には僕らの目に見えないところですべては変化を続けています。" 85ページ

    "もし不安が強い人が、その不安の奥にある怒りに気づくことができたら、ものすごい進歩です。そう気づくだけでも、その怒りを取り払い
    心を落ち着けさせる可能性が生まれます。" 89ページ

    "これは、スマナサーラ長老が紹介されていた方法なんですが、怒りにとらわれているときに「私は怒っている。私は怒っている。私は怒っている・・・」と5回ほど、心の中でゆっくり唱えるというものです。そうすると、自分の中にある怒りはほとんど消え、気持ちをリセットすることができる。これこそ「ばかばかしい」といわれそうなんですが、完全といっていいくらい、消えるんです。" 109ページ

    "「心の明るさは自分で作る」" 117ページ

    "怒りというのはあくまで自分の心の中の問題" 117ページ

    "怒らせている人は苦しんでいる" 122ページ

    "嫌いな人のために祈る" 134ページ

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著者プロフィール

1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業。大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。主な著書に『驚く力』(夜間飛行)、『自分を支える心の技法』(医学書院)、『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』(PHP新書)などがある。

「2015年 『日本の反知性主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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