- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260020121
感想・レビュー・書評
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ベテランカウンセラー・臨床心理士である著者が、カウンセラーとしての自らの歩みを綴った自伝的著作。自伝のスタイルを借りたカウンセラー入門という趣で、「カウンセラーの仕事がどういうものか」がざっくりわかるようになっている。
印象に残った一節を引いておく。
《思い切った言い方をすれば、カウンセラーとは、バーやクラブのチーママ、占い師、そして新興宗教の教祖を足して三で割り、そこに科学的な専門性という装いをまぶした存在である。これは私の長年の持論であり、水商売と占いと宗教の三要素がカウンセリングには欠かせないと考えている。水商売というと引いてしまう人もいるかもしれないが、援助がサービスであるとすれば、サービス業の特徴をもっともよく表している業種である水商売とつながっていても不思議ではない。》
ただ、カウンセラー入門として読んだ場合、不要だと思える記述がけっこう多い。
とくに、第2部の「カウンセラーは見た!」は、著者が狭心症で入院したときの出来事がメインになっていて、しかも“ヘタな小説仕立て”みたいな書き方をしている。
この第2部は、丸ごとカットすべきだったと思う。カウンセラーの仕事について知りたい読者にはほぼ無意味な内容だからだ。
私は信田さよ子の著作はけっこう読んでいて、『母が重くてたまらない』などは大変面白かった。
しかし、著書をあれこれ読むうちに、当たり外れの振幅が大きい書き手であることがわかってきた(著書が多いだけに)。これまで読んだなかでいちばんひどかったのが『選ばれる男たち』(講談社現代新書)で、あまりのくだらなさに途中で投げ出したほど。
本書も、前半はわりと面白かったが、全体としてはハズレだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思っている内容と違った。勝手に「家政婦は見た」的な下世話な好奇心を満足させてくれる内容だと思っていた。なので拍子抜け。どちらかと言うとカウンセラーになりたい人が参考にする書籍。かたい言い回しながらエッセイ風にも書かれている点がページが進まない理由。私のようなおばさんには難易度が高かった。ただ自分がカウンセリングを受けるときに、多少なりとも参考にはなるかも知れない。