飛ぶための百歩

  • 岩崎書店
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本棚登録 : 311
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265860296

作品紹介・あらすじ

中学を卒業したばかりのルーチョは、5歳の時に失明した。だが世界は消えていなかった。
周りの目が気になり素直になれない中、無口な少女キアーラと出会い、大切な何かに気付いていく…。
大人への一歩を踏み出す少年少女の成長物語。

10代から大人まで読んでもらいたいイタリアの児童文学作品。

感想・レビュー・書評

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  • 2024/03/25 更新

  • タイトルがいい。
    前向きでメッセージ性がある。
    小学校の読書感想文の課題作品だったので読んだが、大人が読んでも楽しめる。

  • 目の見えない少年の登山。そこに絡む密猟者とワシの親子。
    視覚以外で楽しむ登山の魅力が伝わり、世界の広さを思い知る。
    ハンデがあるからこそひとりで何でもやりたい、やれる。でも人を頼るのもありじゃないか? 新たな世界が広がる。

  • 第66回(2020年度)青少年読書感想文課題図書
    小学校高学年の部

    内容:
    「環境教育にも携わるイタリア人作家、ジュゼッペ・フェスタの作品。動物と山を愛する目の見えない少年と、実際に出会ったことから書かれた。
    幼い時に失明した少年、ルーチョは、叔母のベアと山歩きをするのが大好き。ある夏、山小屋で出会った少女、キアーラとワシのヒナを見に行くことになる。しかしそのヒナを、2人組の密猟者が狙っていて......。
    自立を願う2人の成長と、五感を大切にすることで得られる喜びを描く。」

    おもしろかった。

    ・ルーチョは、内気な少女キアーラと共に山を登ることになる。近寄りがたい人だとルーチョもキアーラも互いに感じていたが、少しづつ相手のことを知り心を開くようになる。そして、土砂崩れが起こった時には口喧嘩をしながら、言葉で、本気で、気持ちを伝えあう。
    そんな相手に人生で出会えるって、素敵だね。

  • ベアトリーチェと甥っ子のルーチョ
    ルーチョは目が見えない
    5歳の時に目の焦点を合わせることが出来なくなり、徐々に見えなくなってしまった

    家を離れて旅行にいくということは、くたくたになる治療と医者の冷たい診断を思い出させる
    ベアトリーチェはルーチョに小さな村で閉じこもってほしくないと思い、旅行に連れていくようになる

    初めていったディズニーランドが素晴らしい思い出となり、旅行は1年に1度の年中行事となる
    ベアの職業が変わり休みも取れなくなったため、家からそれほど遠くない山にハイキングに連れていくようになる

    ベアの友達のエットレの山小屋に泊まる
    そこで孫のキアーラと山岳ガイドのティッツィアーノに出会う

    悪魔の頂という場所で鷲の夫婦の子どもをみるため登山をすることになるが
    子どもが密猟者に連れ去られてしまう・・・

    目が見えないからといって、人に頼ろうとしないルーチョ
    素直な自分を出せないキアーラ
    2人が登山での事故をきっかけに素直に気持ちを
    吐露出来たキアーラ
    その気持ちを受けてルーチョにも変化

    人は誰だって、人に頼って生きている

  • 5歳の時に視力を失った14歳の少年が主人公。目が見えないことで失ったものもあるが得たものもある。大人への階段を上り始める年ごろの子供たちに。

  • 目が見えなくなることは、私にとって、すごく辛いイメージがあり、実際にちょっと目を瞑るだけでも、ものすごい不安を覚える。

    でも、それって、本当に見えないわけではないから、真意を理解することにはならないのですが、目の見えない人全てが、辛い気持ちで生きているわけではないことは、この物語が教えてくれました。
    悲観的になるよりも、それに合わせた生き方を考えることの大切さを。

    この物語の主人公「ルーチョ」も、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされることで、自然や動物を愛し、山登りを楽しんでいます。

    しかし、彼はそれ以外の世界が、あくまで目の見える人の為に作られた世界であることを痛感し、彼の中でも他人に迷惑をかけたくない気持ちが強くなることで、人に助けを求めず、意地を張る姿が目立つようになりました。

    所詮、目の見える人たちに、自分の辛さなんて分かるわけがないと思い込んでいたルーチョですが、そんな彼の考え方を見直すきっかけとなる、ある出来事が起こります。

    それは目の見える人の言葉ですが、それでもルーチョは他の人のそれとは違う、共感に近い感覚を覚えます。

    なぜか?

    私の中の固定観念も、度々見直さなければいけないと思ったのですが、「目の見えないこと」が最も辛いこととは限らず、人の数だけ、その人自身にしか分からない辛さがあるということだと、私は思いました。

    誰にも言えなかった、辛い思い。
    でも、その勇気を振り絞っての心からの声に、ルーチョはきっと心の奥深くに響くものを感じ取った。

    そして、その瞬間、世界の広さを改めて実感し、自分だけが辛いのではなかった、心強さを得たのだと思います。

  • タイトルが素敵すぎて思わず購入したもの。

    目が見えないルーチョの感性が新鮮。彼のチャレンジする気持ち、だけどがんばりすぎるところも、10代らしくてよい。

    キアラ、ワシの親子、おばさん、色々な人のやさしい思いにあたたかい気持ちになりつつ、サスペンスも楽しめた。

  • 数ページで、好きになった。静かでいて、音楽のような森の描写が美しい。できないことは恥ずかしいことじゃない。

  • 飛ぶためにはこんなに時間がかかるんだと思いました。

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