- Amazon.co.jp ・マンガ (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267903588
感想・レビュー・書評
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全盲の白眼子と呼ばれる男には不思議な力があり、姉の加代が自分の愛人且つ白眼子のパトロンを見つけ、新聞に細々とだが広告を出し、千里眼の様な力で人の生死を視たり、死んだ人の本当の望みを残された家族に伝えたりしている…前半は戦災孤児の光子はこの家に貰われて来て、捨てられた子供の心細い目線から、白眼子の挙動を見ている様で描かれ、白眼子の力の噂が人を呼び、美津子の従姉妹に彼女が生き別れになった子供である事が判明し、祖母に引き取られ、光子は白眼子の家の子供ではなくなってしまう。不細工で不器用で取り得なしと思い込んでいた光子だが、一目惚れの相手と結婚し子供を設け、月並みだが人並みの生きる場所を得る。
自分の力に対してあるがままにしか受け止めていなかった白眼子と言う男の欲のなさに心が揺さぶられる。彼が人間の中で唯一「見えていた(ぼんやりと光の輪郭として見えている。彼には動植物と光子だけがそうして見えていたと最後に語る場面がある)」光子と彼の繋がりに答えは出ていないが、音もなく佇む植物の様な彼の生が心に響く作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
超能力(霊能力)を持つ男「白眼子」とその家族の物語を戦後の北海道を舞台に描く。大好きな作品です。
山岸先生の描く霊能者といえば「日出処の天子」の厩戸王子。厳しく先鋭的で目的のためには殺人をも厭わない王子に対し白眼子のなんと謙虚なこと、、、、。処天からウン十年。山岸先生はほかにも霊能者をたくさん描いておられますが、先生のたどり着いたひとつの終着点が「白眼子」なのかな、と思いました。 -
白眼子・雨の訪問者
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幸と不幸の量はみな同じ、という言葉に、はじめは違和感を覚えたが宿命を除けばそうなのかもしれないと思った。完全に納得はしてないけど。幸か不幸かの価値基準は自分の価値観とは違う。だから同じではないと思っているだけなのかも。
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今まで読んだ彼女の作の中では、かなり「まっとうな感じ」である。
「魔ポイント」が現実的なのだ。ヘタな自己啓発書を読むより断然いい。 -
短編が2編収録されてる中の「白眼子」が印象的で記憶に残った。
昭和21年。
戦災孤児の少女が、目が見えないけれど運命観相を仕事にする男に引き取られて育っていくお話。 -
素晴らしい。今でもこういう人が、どこかにいるんじゃないかと思う。山岸さんはよく、実際にあった出来事を元に新しい見地で作品をお描きになっているけれど、もしかして、この話にもモデルの方がいらっしゃるのかな、と気になる。
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号泣した記憶しか無い。