地球が燃えている : 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言

  • 大月書店
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272330997

作品紹介・あらすじ

気候変動=温暖化への対処はもはや一刻の猶予もない!化石燃料を使い尽くし、戦争と格差を生み出す「採取資本主義」から脱炭素社会への大転換を可能にする「グリーン・ニューディール」政策の具体的ビジョンを示した必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • ナオミ・クライン | Democracy Now!
    https://democracynow.jp/video/tag-%E3%83%8A%E3%82%AA%E3%83%9F%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

    地球が燃えている - 株式会社 大月書店 憲法と同い年
    http://www.otsukishoten.co.jp/book/b532892.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      こんな話も、、、
      ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
      https://...
      こんな話も、、、
      ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
      https://cruel.hatenablog.com/entry/2021/06/06/213134
      2021/06/07
  • ナオミ・クラインの新作。今までのアンソロジー的なまとめになっている。グリーン・ニューディールについて進めているのだが、もっとくわしくしりたいと思った。
    気候危機の問題を扱うとどうしてもアンチの声が耳に聞こえてくるのだが、それを跳ね返す強さはさすがである。読んで強く勇気づけられた。それと共に、できることはもっとないのかと歯痒くなる。

  • 目的:
    気候変動の現在を知るため。

    要旨:
    筆者のナオミ・クラインは、長年気候変動に関わってきたジャーナリストである。地球が燃えているというタイトルからも窺えるように、気候変動がもたらす異常気象が人々の生活に直接的に影響を与えはじめた。
    本書はそのような背景から、今後どのような未来を築くのかに主眼が置かれている。
    これまで、気候変動否定派を取り扱い、対策が講じられなかった要因として新自由主義のイデオロギーを指摘した『これがすべてを変える』や、災害時に便乗し、利益を獲得する便乗資本主義を指摘した『ショック・ドクトリン』など、本書では網羅的に理解することができる。
    本書の特筆すべき点は、これまでの気候変動のアプローチとは異なる新たなオルタナティブを提供している点。
    新自由主義・資本主義が生み出した不平等・不公正、そして環境悪化を促進する社会に対して、有力な対抗策としてグリーン・ニューディールを提案している。そこでは、化石燃料企業や政府が促進してきた「ディグ(Dig: 掘る)エコノミー」や、非正規雇用に代表される人間を資源のように扱う「ギグエコノミー」から脱却し、「ケアとリペア(修復)」に基づいた社会への移行を促している。つまり、炭素排出が比較的少ない教育、保育、福祉などの人をケアする仕事、そして土地や水の保護する仕事が評価される社会である。
    これが意味しているのは、社会正義が全うされている社会ということ。気候変動対策、炭素排出を削減することを通して、格差や貧困などの問題も包括的解決するという革新的な提案をしている。
    このような革新的な提案に至った背景には、残り時間が少ないという大きな課題があるから。IPCC(政府間パネル)の報告では、気温上昇を1.5度(地球のティッピングポイント:限界値を超えると元の状態に戻ることができない点)を超えないためには、12年後までにCO2排出量を半減し、2050年までにゼロにする必要がある、と報告されたからである。
    そのため、筆者の論調も激しく、引き込まれる部分が多い。章立ては時系列で組まれているため、どのように世界が気候変動に対策してきたか、してこなかったかが理解できる。

    感想:
    焦燥感、危機感を感じざるを得ず、何か行動をしなくてはと思わせる読後感。
    しかし、ビジネスがどのように気候変動に貢献することができるのか、すごく難しい。資本主義という枠内では難しいように思った。

    本書の主題でもある未来の姿、グリーン・ニューディールで目指される「ケアとリペア」の社会を実現するためにビジネスができることとは何か。なぜそのような道に進まないのか?という問いを考えた。
    「生きる楽しさ」なのだろうと思う。「ケアとリペア」の社会に、どのような「生きる楽しさ」があるのだろうかと興味が湧いた。その楽しさに気づくためには、資本主義のもとで醸成された固定観念や、資本主義的思考から抜け出すことが必要だろうと思う。その上で、資本主義の外側にピンを打つような何かが必要で、その何かが人々に資本主義以外の社会をイメージさせ、「生きる楽しさ」を感じさせることができるはず。そうすることで社会の転換が可能になるのではと感じた。

    メモ:
    資本主義的思考=個別的に考える思考。気候変動だったら、CO2の削減が解決策、といったような個別的な観点を用いた思考。
    しかし、グリーン・ニューディールは、不公正・不平等・気候変動など多岐にわたる課題に対して、全体的な観点からの解決を提案している。
    → 一つの事業が持つ意味は、特にエネルギー事業などは、複数になり得るはず。
    例)太陽光発電→CO2削減。だけでなく、太陽光発電→コミュニティ再興。地域によるエネルギー保持と活用、必要な分だけ。など??

  • 東2法経図・6F開架:451.8A/KL4c//K

  • 実はまだ読んでいる。ノートをとりながら。
    SDGsはアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかない、現代版「大衆のアヘン」だという斎藤幸平までが推薦している。たしかにSDGsウォッシュ、グリーンウォッシュは忌むべきものだが、さてナオミ・クラインはどうか?
    資金は金があるところから取る、賛成。炭素に課税、賛成。金融投機に課税、賛成。企業や富裕層に課税、賛成だ。軍事費の削減、賛成。化石燃料産業への馬鹿げた補助金廃止、賛成。企業が利益を隠す場所がないようにする、賛成。そして汚染者負担の原則を、大賛成だ。グローバルサウスに対する気候債務の承認まで登場すると、このグリーン・ニューディールには脱帽する。
    これでやるなら乗るわ。

  • バイデン氏が早速パリ協定復帰に署名した。これは大きな前進だ。

  • AOCさっさと大統領なってくれ

  • 「ブランドなんか、いらない」「ショック・ドクトリン」「これがすべてを変える」「NOでは足りない」など、世界的ベストセラーを著しているナオミ・クラインの環境版ニュー・ディール政策の提言書。本書に記載されている16の項目の内容は、10年間にわたって様々な媒体に彼女が発表してきたルポや、講演原稿などのアンソロジーである。なかなかの力作で、環境問題関係の書籍の中にもよく登場する作品だ。発売されてから2年半もたっての読了はあまりにも長すぎだが、なかなか読み進めず、何度も図書館から借りては返してを繰り返しで待ち時間もかかったせいだ。それにしても表現がかなりラディカルで、ちょっと極端だなぁと感じる部分もあるのだが、それだけ強いメッセージを送りたいという意思の表れなのだろう。裏表紙にグレタ・トゥーンベリの推薦コメントが載っている。

  •      ―2023.02.10読了

    本書の特筆すべき点は、これまでの気候変動のアプローチとは異なる新たなオルタナティブを提供している点。
    新自由主義・資本主義が生み出した不平等・不公正、そして環境悪化を促進する社会に対して、有力な対抗策としてグリーン・ニューディールを提案している。そこでは、化石燃料企業や政府が促進してきた「ディグ(Dig: 掘る)エコノミー」や、非正規雇用に代表される人間を資源のように扱う「ギグエコノミー」から脱却し、「ケアとリペア(修復)」に基づいた社会への移行を促している。つまり、炭素排出が比較的少ない教育、保育、福祉などの人をケアする仕事、そして土地や水の保護する仕事が評価される社会である。
    これが意味しているのは、社会正義が全うされている社会ということ。気候変動対策、炭素排出を削減することを通して、格差や貧困などの問題も包括的解決するという革新的な提案をしている。
    このような革新的な提案に至った背景には、残り時間が少ないという大きな課題があるから。IPCC(政府間パネル)の報告では、気温上昇を1.5度(地球のティッピングポイント:限界値を超えると元の状態に戻ることができない点)を超えないためには、12年後までにCO2排出量を半減し、2050年までにゼロにする必要がある、と報告されたからである。
    そのため、筆者の論調も激しく、引き込まれる部分が多い。章立ては時系列で組まれているため、どのように世界が気候変動に対策してきたか、してこなかったかが理解できる。

  • 気候変動大きな話過ぎて分からないんだよなあ

    でもこの本はデータで気候変動の影響をまとめてくれてるし、グリーンニューディール政策も人に地球にとってもプラスになるってことで心が動かされるところはあった

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著者プロフィール

1970年、カナダ生まれのジャーナリスト、作家、活動家。デビュー作『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとして世界的ベストセラーになった。アメリカのイラク戦争後の「復興」に群がる企業の行動に注目したことがきっかけとなった大著『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』は、日本でも多くの読者に受け入れられた。『これがすべてを変える――資本主義 vs。気候変動』は、「『沈黙の春』以来、地球環境に関してこれほど重要で議論を呼ぶ本は存在しなかった」と絶賛された。2016年、シドニー平和賞受賞。2017年に調査報道を手がける米ネット・メディア「インターセプト」に上級特派員として参加、他に『ガーディアン』『ネーション』などさまざまな媒体で記事を執筆している。

「2019年 『楽園をめぐる闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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