- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784274226748
作品紹介・あらすじ
アートの世界で重要な役割を果たす、光・音・色・形・動きの基本がわかるテキスト、待望の改訂!
本書は、「ド・ミ・ソの和音が美しく聞こえるのはなぜ?」、「光の三原色を混ぜると白になるのはなぜ?」、「ミロのビーナス像や雪の結晶を美しく感じるのはなぜ?」のような、人の感覚に訴えるアートの「なぜ?」を、簡単な数式と豊富な図を使って解き明かします。
アートの基本をなす光・音・色・形・動きといった知識をすっきり理解するには、数学が必要になります。本書は、難しい数学を用いることなく高校レベルからやさしく解説しており、数学が苦手でもアートを通して数学を楽しめる内容としました。
さらに、カメラによる撮影、画像編集、2Dイラストや3DCGの制作といった基本的な技術のベースにある数学も、わかりやすく解説します。
今回の改訂では、数学に関する記述を一段とわかりやすくしたほか、CG制作のプログラミング言語としてProcessingを扱うなど現代的な内容にアップデートしました。
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
“アート”が何故美しいと思うのか?
その理由を数学で解釈する、ロジカルな一冊。この“アート”は古典芸術の方法論に留まらず、カメラやデジタル分野のツールにも言及している!
そのため、機械工学やデータの仕組みの話にもちょっとだけ触れている。
更には人体が色や音を受け取った時の人間の現象まで。
何気なく使っている言葉――色とか音など――の定義を簡単な言葉で解説し、その仕組みを“数学”で表す。
プラトンは「神は永遠に幾何学する」と言ったが、正にその通りだった。
色も音も波長(光の波、振動の波)であり、数式に表せる。
美しい和音を生み出す整数比、倍音、ピタゴラス音律…音楽と数学を結び付け《天体の音楽》(これが後に《楽奏の天使》となる)を提唱する…
光(目)、音(耳)から受けた刺激を、人体はダイレクトに受け取っている訳ではない。
興味深かったのは、私は今まで感覚的にしか受け止めていなかった、デジタル描画ツールの仕組み――ペジェ曲線や、明るさ・コントラスト、トーンカーブ――について、数式で表して解説している後半。
私はその辺りを専門的に習ったことが無かったので、とにかく新鮮だった。
0と1のデータであるデジタルの世界で、描画がどのように解釈されているのか……基準点からビットで描写され、その積み重ねの膨大なデータ、“数”があった。
また、5G以降の普及に伴い今後注力されそうなメタバース、3DCGの概念も解説されている。「3DCGはプラモデル作り(p.180)」……なるほど?
最後は同著者『デザインのための数学』( https://booklog.jp/item/1/4274068250 )のダイジェストっぽい内容。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは、科学的な観点から音・光・色などアートにまつわるものを見ていく本で、物理の内容も含まれている。私はもともと数学や物理が得意でなく、大学入学以降は理系科目にあまり触れていないが、高校までに習って何となく覚えた事項が実際にどう活用されているのかを学べたほか、CG関連など初めて知ることもあって好奇心が刺激された。また、明るさ・音などの単位の意味がわかりやすく説明されている点が良いと感じた。時々耳にする単位でも、何を表していて、どのような基準で算出されているのかをほとんど知らない場合が多かったので参考になった。それ以外にも、アートに限らず日常生活全般に関わりがありそうな内容が多く、数学の重要性に改めて気付かされた。理系対象の内容も一部にはあるものの、基本的には文系対象のようなので、物事の原理や仕組みに関心がある人なら誰でも面白いと思えるのではないだろうか。
テーマによって章が分かれており、興味のある分野を扱っている章だけを読んでも全く問題ないので、気になるトピックの箇所を目次からすぐに開けるというe-bookならではの利点も活かしやすい。学内からであれば、下のURLをクリックするだけで本書を読めるため、少しでも興味を持った人はぜひ気軽に見てみてほしい。
(文科I類・1年)
【学内URL】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000102538
【学外からの利用方法】
下記URLをご参照ください
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/literacy/user-guide/campus/offcampus -
【電子ブックへのリンク先】
https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00043438/
学外からのアクセス方法は
https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
を参照してください。 -
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著者が大学で行っている講義のの教材として使用していると書かれていて納得。
広く、浅く、雑多であるという印象。
各分野の入門的な位置づけになっていると思うが、心躍るような内容ではないことは確か。