超能力者とは言えないので、アリバイを証明できません (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299008879

作品紹介・あらすじ

大富豪の遺産をめぐり、孤島に建つ屋敷に集められた相続人たち。しかし、遺産の分配を示した遺言状が忽然と消えてしまった! 大富豪が雇った弁護士も、血のついた服を残し行方不明に。孤島、謎の屋敷、遺産の因縁。さらに、事件を複雑にする鍵がもうひとつ。なんと、屋敷に集められた人々は全員、「しょうもない超能力者」だったのだ! 「パンの中身を当てられる」「かかってきた電話が誰からかわかる」「寝ていても午前2時が正確に認識できる」「任意の範囲にある球体の数を当てられる」……まったく役に立たない(!?)能力を隠しつつ活かしつつ、事件の真相を突き止めるべく奔走する悲喜こもごものユーモアミステリー、開幕!!

感想・レビュー・書評

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  • 大富豪・蓮丸貴世彦の遺言で、一族が孤島の館に集められた。
    遺産分割で揉める一同に緊張が走る中、遺言状が消え、さらに弁護士が姿を消した。
    殺人事件かそれとも事故か。まるでよくあるミステリーだ。
    おれが「しょーもない超能力」を使えること以外は。


    曽祖父の遺言で集められた孤島の館で、遺言状が消え、弁護士が消え、当然携帯は圏外で突然接近する台風。王道テンプレのクローズドサークルミステリー。……と思いきや、「しょーもない超能力」を使える登場人物たちによるどたばたユーモアミステリー。まあ、ミステリーというかほぼコメディです。
    こんな超能力ならいらないなぁーと思いつつ、ちょっとワクワクしてしまいます。

    気軽に読めて、良い意味でのバカバカしさがあり、前半は一族のギスギスした描写が多いですが、進むごとに家族愛とか慈愛のようなものも感じられる、ちょっといい話。

    コメディに振って1時間半くらいのドラマにしたら面白そうだし、意外と映えるんじゃないかな。

  • 話的には面白い。どこかで聞いたことがあるようなないような話ではあるけど笑 ただ、肝となる一族の能力が本当にいまいち。しょーもないという前提ではあるんだけど、もう一捻り、二捻り欲しかった。こういう作品に出会うといつも思う。この設定で、あの人が書いたらどんなに面白いだろうかと。

  • 初めて読んだ作家さんだったが、かなり面白かった。主人公は手から1日3回水が出るというしょぼい超能力を持っている青年。大富豪の曽祖父の遺産争いで孤島に行くと、遺言書と弁護士が突然消えるという展開。
    ご都合主義といえば、それまでなんですが、一族それぞれがしょぼい超能力者で、それが不可思議な状況を作り出してく展開に意外性あり。一部はとんでもない能力者ですが、、、
    ユーモアミステリーというのは、やはりこのくらいライトな感じが必要。オタクよりになると笑えなくなってしまうのでは。

  • 超能力といえば…、万能感のある作品がほとんどで結構チートな感じがしますが、本作品で出てくる超能力はめっちゃ使いにくい、もはや意味あるか??ってぐらい奇妙な超能力がたくさん出てきます。これを考えれてしまうのがすごい!
    とてもサクッと読めてライトノベルのような作品なので、あまり頭を使わずに気軽に読んでください☆

  • ミステリー作品として読もうと思っている人には少し消化不良になると思いうが難しいトリックのミステリーを読んだ後の休憩として読むにはうってつけの作品。
    最後まで読むとキャラクターの魅力に虜になっている。パッとしないがとにかく優しい心を持つ主人公萌貴、おどおど具合が愛おしくもなってくる父の猛、しっかり者すぎる晃一とJKすぎるJKの珠緒。他にも個性豊かなキャラクターがたくさん登場して読んでいてワクワクする。読み始めにはこんな家族は絶対に嫌だなんて考えていたのにラストには家族愛すら感じられる不思議な一品。ぜひ読んでみてほしい。ちなみに私の推しキャラは猛。

  • ミステリーで定番のように、遺言書公開のため
    親戚で孤島に行く事に。

    主人公に微妙な超能力がある、というのと
    遺言書と、一体どうつながるのか…でしたが
    一応というか、驚きの繋がりでした。
    身内でごたついてる、というのもありますが
    主人公の思考回路が共感できず、で終了。
    こうなったのか、という結末ではありました。

  • 探偵が超能力者なのかと思いきや、特異体質の人たちの騒動だった。気楽に読むのにちょうどいいバカバカしさ。

  • 大富豪の蓮丸喜世彦の遺言で孤島の館に集まった一族。遺産を巡る戦いが遺言書が読み上げられる前から始まっている。館に着いた日の夜、弁護士が持っていたはずの遺言書がなくなった。全員で館や外を探すがどこにもない。そして、さらに弁護士先生までが姿を消し、海には弁護士来ていた上着と血がついたナイフが見つかった。事故か事件か疑心暗鬼に。まるでよくあるミステリー。しかし、俺がしょうもなく何の役にも立たない超能力を使えること以外には!



    主人公は一族の中でも末端で、親族(特に長男派)に馬鹿にされている子。そして、本当に何の役に立つっていうのさってぐらいの超能力の持ち主。そして、事件が起こるのに誰も名探偵はいない。パリピの女子高生だけが、このギスギスした親族の集まりの癒しってかんじ。


    そして、誰も死なないクローズドサークルは初めてかもしれなかった。本当に誰も死んでない。こういうのもまた面白い。


    しかし、理さん夫婦のところはいいのかしら。あざみさんのお母さんは、娘の結婚相手を知らないはずはないだろうし。まぁ、これはフィクションだからいいのか。


    2021.1.23 読了

  • 手先から数滴の水を出す、人の感情が形になって見える、パンに入ってものが必ずわかる…など、「ちょっとした」超能力者を持つ一族で起きた相続にまつわる事件。
    超能力者とミステリという反則な組み合わせだが、さくっと軽いテイストで読めた。
    役に立つような立たないような…といった微妙な能力の種類が面白い。

  • 超能力とミステリー。ミステリーの世界では、真相を語る上で超能力の存在は本来反則技だったんだろう。論理だけで推理していくはずのミステリーにそんなものがあるのはズルい。
    でも、いつの間にか増えている超能力がらみのミステリー。クローズドサークルを作り出すための設定としての超能力という使い方をする作品もあるが、本作は気軽に超能力がらみの謎解きを楽しむ部類の作品だ。あっと驚くような真相が待っているわけではない(なるほどねと感じる程度)。
    でも十分楽しんだ。こんなんでもミステリーは楽しめる。

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