- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299012364
作品紹介・あらすじ
本年度の第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作は、金に目がない凄腕女性弁護士が活躍する、遺産相続ミステリー! 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなった。数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。一方、麗子は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていた。ところが、避暑地を訪れて手続きを行なったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまう――。
感想・レビュー・書評
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ーあ...じゃぁ...折角なのでシリーズ第二弾ー
「元彼の遺言状」。前回の「流浪の月」と共にノーマークだったが縁があり紛れた一冊だ。このミス作品は変化球が過ぎるイメージであまり積極的にはなれない傾向がある。そしてこちらも例に漏れず期待を裏切らない変化球な物語だった。一気読みは難しかったが、中毒性がある。小休憩を数え切れないほど挟んだはずなのにあっという間に読み終えていた。
女性弁護士の理想像を詰め込んだ金の亡者、高飛車美女の剣持麗子。冒頭で既に暴走している彼女の言動に男性読者陣の眉間の皺が刻まれる光景が鮮明に浮かんでくる。なるほど、早速エンタメモードに脳内モデルチェンジだ。
麗子は元彼、森川栄治が残した奇天烈な遺言状に隠れた気の遠くなる様な莫大な金額の遺産をせしめようと、彼の友人の代理人として森川一族の相続問題に首を突っ込んでいく。
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つまりはジェンダーに対しての問い掛け、女性の強さを強調した作品なのだろうか。掴みにくいが、実際にこの部分を論点にしたレビューも見掛けるし、著者の意図は置いといて読者が感じる部分があるのは確からしい。
うーん、ジェンダー問題に私自身の理想や思想がある訳では無いので釈然としていないが、「題材」にする事自体は非常に興味がある。
だが、これがこの作品に当て嵌るのかと考えると首がすわらない。確かに強い女性、剣持麗子はカッコイイが女性が男性側に対して持つ不満をそのまま具現化しているだけのように感じた。「貴方もやってるんだから私だって」みたいな、論点のズレた主張に感じてしまう。
「男だ女だ」以前に、我を通す人間を「強い人」として美化している作品はあまり好みでは無い。ファンタジーと一蹴されそうだが、強い信念と他者への思い遣りはセットであって欲しいのだ。わぁ、偽善者!!
...とは言えこれは著者の意向を考えず、ジェンダー問題に視点を置いたらの個人的な不満であり、ミステリーとしてはとても面白かった。一族総出の森川相関図は当然の様に頭を大混乱に陥らせてくれるのだが、不思議とこんがらがる事は無い。皆、個性があるので一人の人物として自然と認識できる。読みやすい。安定のどんでん返しは構えすぎて爽やかに通過して行ったのが残念だったが、これは大賞作品に課せられた性かと思う。先読みなんて出来なかったのだから、「斬新」の看板(あくまで手に取る以前の私の想像)は伊達では無かった。
終盤はコメディ色が一層強まる。凄く小さな可愛い伏線達を余すこと無く回収する繊細さは、ここまで物語を追った自身としては小さな喜びだ。最後まで楽しませてくれて嬉しかった。
しかし... 残念ながら次を追う意欲は今の所湧いて来ていない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今年一番の芸能ニュースと言えば?
『本仮屋ユイカ休養』なんちて
(ダジャレ史上最速)
さて『元カレの遺言状』です
間に合いました!なんとしても2022年中に読みたかったので間に合って良かったです
ということで、このダジャレを言いたかっただけという新川帆立さんファンガチ勢には少なからず申し訳ない想いを抱えたまま新川帆立さん初読です!
うーん若干コメディー寄りのミステリーなんかな?
面白かったです
それにしても「このミス」ってなんか一風変わった作風のものが多いですよね
選考基準に「斬新さ」を求めてるからなんかな
少し「このミス大賞」という括りで読み進めても面白いかな?とは思ったりはしました
それと新川帆立さん、なかなか経歴が面白い人ですよね
現役の弁護士さんでもあるので、主人公の剣持麗子にも少なからず自身も投影されてるのかな?とか思ったりして
コメディータッチなのに法律のところはしっかりしてて、法に対する想いみたいなんもきっとご自身の考えが反映されてるんでしょうね
別シリーズの『競争の番人』の方はドラマ見てたんでこっちもちょっと読んでみようかなと思う冬の雨の日
最後に大事なことをひとつ
本仮屋ユイカさんは現在は元気に芸能活動を再開されてます
健康が一番!(なんだこのまとめ)-
つまり……ダジャレから始まる読書もある。ということですね。
本仮屋ユイカさん?
芸能関係の人、まったくわからないんだよね~(笑)
もと...つまり……ダジャレから始まる読書もある。ということですね。
本仮屋ユイカさん?
芸能関係の人、まったくわからないんだよね~(笑)
もとかれやさんなのか、もとかりやさんなのかもわからん><2022/11/26 -
モトカリヤユイカ嬢です
ってこっちの言い方のが良かったなw
そうです!ダジャレから始まるミステリー!そんなん執筆して下さいモトカリヤユイカ嬢です
ってこっちの言い方のが良かったなw
そうです!ダジャレから始まるミステリー!そんなん執筆して下さい2022/11/26
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新川帆立さん。真っ赤な表紙を眩しく感じながら、初めましてのご挨拶。
冒頭から、せっかくの男性のサプライズにケチをつける麗子。高飛車か?
ボーナスの額を減らされて、上司にくってかかり「辞めてやる!」と啖呵をきる
麗子。やはり、高飛車なのか。
麗子の好物は、お・か・ね、なのだ!
ボーナスが大幅に減額となると、腸が
煮えくりかえるのは、麗子の場合あたり前か?と思う。
とにかく、中身も言動も何もかもが
強い女弁護士。
日本中探して、麗子のような女弁護士はそう簡単には見つからないと思う。
まあ、探す必要はないが・・・
この話、遺産相続だけあって登場人物、
親戚関係が多いので、頭の中で相関図を
作らねばならない。
元彼の遺言は、ややこしい。
そして、細かい。
何故かということを書いてしまったら、
ネタバレになると思う。いや、いちいち
書いていられない
元彼の遺言状、元彼女に当たる女性と
いうのが、これまた多くいる。麗子は
学生時代に3か月付き合っただけなのに
リストアップされている。
やはり、細かい。遺言状の主は、性格の細かい人だったのか?
麗子は勘もいいようだ。
一緒にリストアップされた女性に寄り添い慰め、優しい面も顔を覗かせる。
いろいろと勘を働かせながら。
でも、何故か犬には嫌われるようで、
いつも吠えられているのは、可哀想でも
あり、面白くもあった。
2021、6、25 読了-
アールグレイさん、
共読です!
冒頭50ページは、麗子のパーソナリティに惹かれまくりました。
そこからのまさかの大失速。。。
期待度...アールグレイさん、
共読です!
冒頭50ページは、麗子のパーソナリティに惹かれまくりました。
そこからのまさかの大失速。。。
期待度高すぎたのかなぁ。
ミステリーとしてもちょっと残念な内容でした。
うーん、もう少し新川作品読もうと思います。2023/01/14 -
こんばんは★ポプラさん
ん~そう!
最初の辺りはとても面白く楽しめるのです。でも、正直なところ半分を過ぎて、かしら?途中は今ひとつなのです...こんばんは★ポプラさん
ん~そう!
最初の辺りはとても面白く楽しめるのです。でも、正直なところ半分を過ぎて、かしら?途中は今ひとつなのです。
それでも、何故か私は帆立さんの次から次と出版されることに気を獲られ、ついに多分現在出版されている六冊を読了してしまいました。
凪良ゆうさん、思ったより読みやすく、主人公に想いがは入り込んでいそうです。流浪の月です。やっと半分なので、レビューはもうしばらくお待ちを
(o´∀`)2023/01/14 -
アールグレイさん、
この本は期待度が半端なかったので、そのギャップが凄かったです。
帯の文言が煽ってきましたよね。これがちょっとどうなの...アールグレイさん、
この本は期待度が半端なかったので、そのギャップが凄かったです。
帯の文言が煽ってきましたよね。これがちょっとどうなのよ、と思いました。購買戦略としてはそうなんだろうけど、ちょっと残念でした。
凪良さん、楽しんでね(^^♪2023/01/15
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ドラマ化されると知って、絶対その前に…と読みました。
書籍は、映像化されると 違ってしまうことが多いので。
違うのは印象だったり、内容や、結末だったりすることも。
さて この作品の主人公、気が強く頭の切れるお金の亡者。
“剣持 麗子”って、名前からしてイケてる。
オープニングの、彼氏・信夫とのシーンが衝撃的。
頭をガツンと殴られた感じ。
でも、世間との乖離度合いがぶっ飛んでいて
そこは嫌味というよりは、彼女への興味が溢れだす。
うまいなぁ、この感じ。
ボーナス250万円が不服で、しばらく休みをとった麗子。
何気なく送った “顔だけが取り柄の” 三人前の元彼へのメール。
それが、彼女を大きな渦に巻きこんでいく。
作者の新川帆立さんの来歴が興味深い。
小説を諦めなくて済むよう弁護士資格を取られたとか。
仕事の経験が小説にも役に立っているわけですね。
そして、こう語ってらっしゃいます。
「現実の世の中では女性もしっかり働いて経済を回しているのに、
小説になるとジェンダーバイアスがかかっていることが多い。
現実と創作物のギャップを、私が小説書くことで埋めたい」
「女性も」と言わなくてはならないところに
ジェンダーレス社会の壁の高さを感じますが、
聡明でやる気に満ちた人々の力が元気な社会を築いていく
そんな希望と元気を、彼女の作品と言葉から受け取りました。-
丁寧な返信に感謝しています。
ドラマをちょい見して原作を読んでみようかしらん?と目下思案中です。
ドラマより原作の方の掴みが面白そう(*...丁寧な返信に感謝しています。
ドラマをちょい見して原作を読んでみようかしらん?と目下思案中です。
ドラマより原作の方の掴みが面白そう(*^-^*)2022/04/16 -
2022/04/24
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しずくさん
そんな、背中を押しただなんて (〃▽〃)
しずくさんのレビュー、素敵でした。
ポトラッチの話は面白いですよね。
...しずくさん
そんな、背中を押しただなんて (〃▽〃)
しずくさんのレビュー、素敵でした。
ポトラッチの話は面白いですよね。
妙に納得します。
コメント、ありがとうございます☆彡2022/04/24
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新川帆立さんは作家を目指しながら「経済的に食べていけないと夢も追えない」と、弁護士になった。
東大卒でプロ雀士の経験もあると…。
すげー頭いいな。尊敬!
第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。
金に目がない凄腕女性弁護士が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言状の謎に迫る!
面白いです。 -
近々ドラマ化される話題作を読んでみました。
なかなか強烈な主人公と風変わりな元彼の遺言状。
数百億円の遺産の分け前を獲得するために入った財産家の謎に飲み込まれていって…。
序盤こそ人間関係を掴むのに大変だったけど。
中盤以降は怒涛の展開。
それぞれの繋がりと想い。
よく練られた作品だと思いました。
面白い作品でした。
新川さんの他の作品も読んでみたいと思います。-
2022/04/09
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ロカさん、はじめまして!
オススメありがとうございます!!
「倒産続きの彼女」も実は購入済なので、後日読んでみたいと思います。ロカさん、はじめまして!
オススメありがとうございます!!
「倒産続きの彼女」も実は購入済なので、後日読んでみたいと思います。2022/04/10 -
2022/04/10
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最初から最後まで文句なしに面白かった!
麗子がばっさりとした性格のキャラで気持ちよかった。
さばさば、ではなく、ばっさり、である。
設定も展開も伏線も理路整然としていて無駄がなくて、作者の新川帆立さんも相当頭の切れる弁護士なんだろうなあと推測した。
法律や経営の専門的な話も出てくるけれど、簡潔に説明されていて分かりやすい。
「遺産は僕を殺した犯人に相続する」という元彼の遺言状。彼は病死したはずだが、亡くなる前に会ったという友人から、犯人に仕立て上げてほしいと頼まれ、代理人として奮闘する話……のはずが、それだけでは終わらず、真相を明らかにしていくストーリー。
人間関係やそれぞれの思惑がうまい具合に絡み合っていた。
「お金より大事なものはない!」と豪語する麗子だけど、もしかしたら本当はそうでないかもしれない…とちょっとだけ人間味をのぞかせたり、強気の中で不器用な優しさを見せたりと、麗子のキャラクターが好感もてた。
後半の、「お金より大事なもの」についてのあのセリフ、麗子と同様に私もニヤリとした。
ドラマ化か映画化するだろうなぁ。イメージは北川景子さん!
津々井先生は小日向文世さんかな。
元彼役は、ナルシストでも嫌味のない、爽やかイケメン俳優がいい。笑
とにかく爽快で、今まで読んだミステリーで1番気に入った作品かも。
新川帆立さん。今後の作品もぜひ読みたい作家さんになりました。-
衣都さん
コメントありがとう!
お久しぶりです。
衣都さん、鋭い!そうですよね、私は本棚の下段にいってしまった元彼・・・をいったん削除して、...衣都さん
コメントありがとう!
お久しぶりです。
衣都さん、鋭い!そうですよね、私は本棚の下段にいってしまった元彼・・・をいったん削除して、最上段に並べたのですから。昨夜、仕事の帰りに息子に借りてきてもらいました。こんなこともあろうかと、貸し出しカードを持たせてありました。 エヘヘ(^g^)
昨夜は目次と書評を読み、今から帆立ワールドへ初めましての挨拶をします。どんな本なのでしょう?先に息子が笑いながら読んでいました。借りてきてくれた人間に文句は言えません。・・・ホラ、ブツブツ言いながら読んでいる!どうにかして、本を取り戻さねば!
母の読書を邪魔するな!と。読むのが遅い私、レビューは100%書きます!ゆっくりお待ち下さい。
(*^_^*)2021/06/15 -
私は読み終わった順に並べたい派なので、いつも登録済みだったら一旦削除して登録しなおしてます。笑
息子さんも読書家なんて素敵ですね!笑いながら...私は読み終わった順に並べたい派なので、いつも登録済みだったら一旦削除して登録しなおしてます。笑
息子さんも読書家なんて素敵ですね!笑いながら先に読まれているのを見るとすごく気になってきますよね…笑2021/06/15 -
2021/06/15
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遺言の発想が面白い。起承転結もしっかりしていて、ラストもなるほどなと思わせる内容。読み易くて読者に優しいミステリだった。
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11冊目『元彼の遺言状』(新川帆立 著、2021年1月、宝島社) ドラマ化も決定している、『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作。犯人を推理するのではなく、依頼人を犯人に仕立て上げるという逆転の発想は確かに非常に面白い。後半はかなり強引な感じがするし、ちょっとそれはどうなの?という展開も続く。オチはかなり力技で、なんとか決着をつけたな、という印象。正直、主人公や登場人物には最初から最後まで全く好感が持てなかったが、それも作者の意図するところか。「お天道様に恥じるようなことは何もしていないと思った。」
著者プロフィール
新川帆立の作品





