一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

著者 :
  • 宝島社
3.51
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本棚登録 : 1094
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299044143

作品紹介・あらすじ

たった数ページで、あなたの日常が蝕まれる……恐怖の深淵を覗く物語21編!
ホラー小説の旗手が贈る、戦慄の初ショート・ショート集

「得体が知れないからこそ怖く、面白い。」――野水伊織(声優)

◆「どパァん! ……って感じやねん、飛び降り自殺の音って」
自宅マンションからの飛び降り件数が異常に多い理由とは? (「名所」)

◆とある町の小学生たちは、夏休みにも登校するという。「かみさま」を作るために。
僕にはそれがどういう意味を持つのかはわからないが、先生も、親も、その親もずっと続けてきたからだ――。(「かみさまとにんげん」)

◆愚鈍なバイト仲間の人生相談に乗ることになったバイトリーダーの私。
善意で引き受けただけだったが、雲行きはどんどん怪しい方向へ――その衝撃の結末とは? (「さきのばし」)

ほか

感想・レビュー・書評

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  • 澤村さんも、本作も前から気になってました
    図書館の新刊情報で本作を見つけたとき、すぐさま予約を入れて借りてきました!

    結論からいうと…、

    いいですね!



    どパァん!

    最初の出だし一行目が「どパァん!」ですよw
    これなんだと思います?

    飛び降り自殺の音ですって!
    マンションの十三階から十四階の踊り場から落ちたら「どパァん!」らしいです
    残念!
    うちのマンションは十階建てだから「どパァん!」が聞けない…
    そこ、残念がるところでないですね
    すみません、不謹慎でした…


    本作は短編集でどれもサクッと読めて、程よい怖さがいい!
    サクサク読みながら『さきのばし』の話になったとき、
    んっ!?
    あれっ!?
    なんか作風が変わったと思いました
    これ、コメディー??と思いながら読んでましたが最後にゾワッとやられました


    澤村さんの他の作品も読んでみたいです♪

    • ゆーき本さん
      夏の終わりにホラー祭りかな?
      :;(∩´﹏`∩);:
      夏の終わりにホラー祭りかな?
      :;(∩´﹏`∩);:
      2023/08/30
    • 1Q84O1さん
      ゆーき本さん
      カリスマの忠告に従ってお盆を外しました!w
      さぁ、今からがホラー祭りですよw
      ゆーき本さん
      カリスマの忠告に従ってお盆を外しました!w
      さぁ、今からがホラー祭りですよw
      2023/08/30
    • 1Q84O1さん
      ほん3さん
      どパァん!読みましたよ!
      澤村さんいいですね♪
      何冊か読んでみたいと思います!
      ほん3さん
      どパァん!読みましたよ!
      澤村さんいいですね♪
      何冊か読んでみたいと思います!
      2023/08/30
  •  平凡な日常の一寸先に潜む闇を描くオカルトホラー掌編集。
              ◇
     小学校高学年らしい少女が友だちを連れてニュータウンに建つマンションの階段を昇っている。このマンション・サンビレッジは自殺の名所として知られ、いろいろなところに住む人が夜間に身投げしに訪れるという。

     少女は観光案内のように、人が地面に叩きつけられたときの様子や音を説明しながら、飛び降り地点に選ばれる 13階と 14階の間の階段踊り場まで昇ってきた。
         (第1話「名所」)全21話。

          * * * * *

     ショートショートにはさほど興味がなくて、星新一さんや阿刀田高さんなどレジェンドと言われる方の作品でもあまり読んで来なかったのだけれど、澤村伊智さんの初ショートショートとあって読む気になりました。

     結論から言うと、短すぎるものはやはり物足りなく感じました。かなり綿密に伏線を巡らせておいて、きれいに回収していく澤村さんの作風が好きなので、そのように感じるのかも知れません。

     21話中でおもしろいと思ったのは2つです。

     1つ目は第9話「さきのばし」。
     オカルトではなくブラックジョーク的な内容で、前半から中盤にかけてコミカルな場面が多くて楽しめました。そして雲行きが怪しくなる終盤に差し掛かり結末の予想もついたのだけれど、40 ページを費やしただけの満足感はありました。
     ただ肥後ちゃんは、親密な彼氏が常にいるような女性に見えないので、そのへんの違和感が強く残りました。

     2つ目は第18話「無題」。
    これは14ページもので、作品中ではやや多め程度のページ数なのですが、なんとなくあの名作『ぼぎわんが、来る』を連想させる作りで、読み終わってうれしくなりました。

     ミステリーなどにも活躍の場を広げていらっしゃるようですが、やはり澤村さんにはオカルトホラーがよく似合うと、改めて感じさせてくれる作品でした。

  • 図書館で借りた
    予約が多く人気のある本でした
    何話かわからない話があったが
    基本的にどの話も怖かった
    一気に読んでしまったが
    昼間に読んで良かったと思います
    夜ならもっと怖かったと思います

  • よくぞここまで、の一冊。

    出てくる、どんどん出てくる澤村ホラー。
    それはまさに恐怖の福袋。

    次はどんな恐怖が姿を現すのか、惹き込まれまくり。
    これは何?この後は?

    最後に暗闇ど真ん中に置き去りにされたような感覚もたまらない。 

    断トツの怖面白さだったのは「さきのばし」。
    やれやれ…と読み手をも油断させてからのよくぞここまで!の突き落とし方は頭一つ突き抜けている感じ。

    各話、あの手この手の魅せ方は職人技の域。

    そして得体のしれないもの、あちら側の人を描きながらも生身の人間が心の奥に抱え持つブラックを全面に出す。
    それが実に巧い。

  • 21編のホラー。謎のままの得体の知れない怪異もある。おすすめは「せんせいあのね」「さきのばし」。「夢殺」は嫌いな人限定ではない,悪夢。

  • 【収録作品】名所/みぞ/せんせいあのね/君島くん/保護者各位/血/かみさまとにんげん/ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート/さきのばし/深夜長距離バス/内見/満員電車/空白/はしのした/青黒き死の仮面/通夜の帰り/喫茶店の窓から/無題/夢殺/冷たい時間/残された日記

    ショートショートなのだけれど、ほんとに怖い。深夜バスも田舎も無理かもしれない。

  • サクッと読めるのにゾッとする。21編のホラーショートショート集。
    一冊でこんなに読めるの得した気分。私は『さきのばし』が面白かったです。

  • 人間の奥にある嫌な部分を探して抉るのが本当に上手い。『保護者各位』紙切れ一枚のお知らせなのにぞっとした。かにくおばさんの響きが気持ち悪くて、そういえば小学校の頃口裂け女や地域あるあるの怖い噂で、特に雨の日傘をさして一人で帰る時、後ろを振り向くのが怖かったことがあったなぁと思い出した。

  • ホラー、ミステリー、叙述トリック、いろんな形で怖がらせ、楽しませてもらえました。
    ショートショートが21編、短くも読みやすく、それぞれがしっかり落としてくれて個人的にかなり評価高いです。
    小学校から保護者向けの案内書面を1ページ毎に並べ、そこから何が起きているのか読み解くストーリー、すごく面白いなと、印象に残ってます。
    また再読するかなって思ってます。

  • 解釈できないお話も多く、読解力の無い私はモヤモヤする怪談。何が何だか分からない怖さもあるのかも。頑張ってる人は報われてほしくなる。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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