#殺人事件の起きないミステリー 自薦『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ傑作選 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299046543

作品紹介・あらすじ

人が死ななくても、ミステリーってこんなに面白い! 『このミス』大賞シリーズのなかから、著者自ら選んだ“人の死なないミステリー”のみを集めました! 抽選くじの番号が重複してしまった理由とは……岡崎琢磨「ビブリオバトルの波乱」。危険なダイエットを続ける女子大生に隠された秘密とは? 友井羊「ふくちゃんのダイエット奮闘記」。日常に潜む謎を名探偵たちが華麗に解決! 怖がりさんでも楽しめるとっておきのミステリー集。【目次】ビブリオバトルの波乱(「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズより)岡崎琢磨緋色の脳細胞(『名探偵のままでいて』より)小西マサテル知識と薬は使いよう(「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズより)塔山 郁ふくちゃんのダイエット奮闘記(「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズより)友井 羊暗い部屋で少年はひとり(「谷中レトロカメラ店の謎日和」シリーズより)柊サナカ

感想・レビュー・書評

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  • 所謂日常の謎を集めた短編集。新作ではなく既刊からの選り抜きなので、購入の際は収録策をご確認ください。宝島社文庫のカタログ的な1冊ですね。

  • タイトルの通り、殺人事件の起きないミステリー。

    ◆あらすじと感想
    『ビブリオバトルの波乱』(「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズより)岡崎琢磨
    新聞社主催のビブリオバトルという本の推薦スピーチ大会決勝戦で起きたくじ引きの不正事件にまつわるミステリー。
    反応的に榎本さんが犯人ぽいとは思っていたけれど男子二人も関わっていてちょっとややこしい。実希と和将二人の会話を盗み聞きしただけで真相まで辿り着いたカフェの店員すごい。不正がないように運営をするべきという榎本さんの意見はまさに正論。

    『緋色の脳細胞』(『名探偵のままでいて』より)
    小西マサテル
    認知症を患う祖父だが、どこか違和感がある。この違和感の正体は何なのかー。
    知性があり優しいおじいちゃん、ものすごく惹かれる。物語だから最後温かい感じで終わるが、もともと頭の良かった人の認知症って、現実には本人も家族も本当にしんどいと思う。レビー小体型認知症という種類と症状は本作を読んで初めて知った。

    『知識と薬は使いよう』(「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズより)塔山 郁
    ある女性の祖母の認知症の薬が消えてしまう謎を薬剤師が解くミステリー。一つ前の『緋色の脳細胞』でもレビー小体型認知症が出てきたので、この並びに編纂の意図を感じる(笑)てっきりこちらも、おばあちゃんが捨ててるというオチかと思ったら違った。経験したことないけれど、認知症の家族の介護は本当に大変だと思う。毒島さんのアルハラ男に対する一括はカッコよかった。NN ND DDについては知らなかったので勉強になった。

    『ふくちゃんのダイエット奮闘記』(「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズより)友井 羊
    ダイエットしているのに一向にやせられない女性の謎にまつわるミステリー。
    摂食障害の一言で、謎自体は一発で解けるし、こちらも物語だから体重は戻りつつあるように書かれているが、現実はそんなに簡単な病気ではないよね。ルッキズムの風潮だけではなく、本人の性格や、親子・兄弟姉妹の関係性等、複雑な要因が絡まり合って、本人も周りも気づいた時には修正が難しいほど食と体型への意識が過剰になっている場合がほとんど。殺人事件は起きないけれど、この病気で命を落とす人もいることはとても悲しい。

    『暗い部屋で少年はひとり』(「谷中レトロカメラ店の謎日和」シリーズより)
    カメラが大好きな古田少年が残した絵を元にしたミステリー。古田くんが頭脳明晰なのと病人が出てこない為、本作の中で一番心置きなく読めたし、頭のいい古田くんが絵に込めたメッセージをちゃんと解きたいと思えた。

    トリックや伏線がしっかりしたミステリーは本腰入れて向き合いたいから、割と読むのに気合いが必要だけれど、短編ミステリーは予め短編ということがわかっているから、気負いなく読み始めることができるのがいい。内容も私好みのが多くて楽しめた。

  • 2023年9月宝島社文庫刊。5人の著者が選んだミステリー5編。
    岡崎さん、塔山さん、友井さん、柊さんは、シリーズものからのチョイス。柊さんは未読なのでわからないが、他の3人は選んだ作品がイマイチ。もっと面白いのがあると思うのだが…。小西さんの認知症の探偵というのが気になるので読んで見ようと思います。

  • 心が整う素敵な傑作選です。道徳性や人格的な何か大事な感覚が研ぎ澄まされるっていうか。善悪の判断、生命の尊さ、誠実であること、寛容性や家族愛、思いやりと親切心・・・これなら殺人事件は起きないです。


  • 人の死を扱わない純粋に謎を解くミステリー。

    殺人事件が起きないので、
    凄惨な場面や暴力的な描写がなく
    構えず穏やかな気分で読めました。

    人の心の底や家庭の奥を覗き見るような
    秘めたる部分を詳らかにする物語。

    〜〜〜〜〜〜〜
    ビブリオバトルの波乱 岡崎琢磨
    緋色の脳細胞 小西マサテル
    知識と薬は使いよう 塔山郁
    ふくちゃんのダイエット奮闘記 友井羊
    暗い部屋で少年はひとり 柊サナカ
    〜〜〜〜〜〜〜〜

    個人的には、『知識と薬は使いよう』が
    納得感が得られて好きな読後感でした。

  • 人が死なないミステリー短編集。どの作品も文体はライトでありながら、読み進める内に「なぜだ?」と意識づけられる。真実を知った時に「なるほどね」と思う。その心の動きこそがミステリーの真骨頂なのではないだろうか。
    派手なトリックはなくとも、静かに心に響く。そんな短編集でした。

  • タイトル通り殺人事件は起きないので、血や憎悪などの生々しい表現が苦手な方でも読めます。平和に謎解きを楽しめました。

  • 小西マサテルさんの名探偵のままでいてがとても好きです

  • 図書館で借りた本。

  • スープ屋しずく。美味しそうでほっこり。

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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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