わが愛しの芸人たち

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 17
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309015934

作品紹介・あらすじ

落語、漫才、コメディー、吉本新喜劇、音曲、浪曲、講談、声帯模写…放送作家時代から追いかけた、総勢40余人への思い入れの総決算。

感想・レビュー・書評

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  • 吉川潮でピンと来た。
    演芸評論家であり芸人小説家の吉川潮が書いた、
    芸人の舞台のパンフや、新聞・雑誌・本の解説をまとめた一冊。(平成15年発行)

    目次をさらって芸人の顔ぶれに嬉しくなっちゃいました。
    ブラック、昇太に、談春、志らく、花緑、こぶ平、四代目三木助。
    志ん朝、春風亭柳昇。
    やっさん、たけしに、ショパン猪狩、カツシン、国元武春だ、
    山陽、安鶴、高田の文夫。
    トリは家元、立川談志。

    吉川潮、小林信彦、いいなぁ。
    「落語家さんと友達だと楽しいでしょうね」と言われて吉川潮。
    「排他的、自惚れ、顔で笑って腹で馬鹿にするそんな体質の落語家たち。
    だが「話のわかる人」と認識されると本音を漏らす。
    飲めば先輩、仲間の悪口も。だけど洒落が効いててオチがある。おかしさたるやない。
    だからこそ付き合いづらい連中と20年来友達付き合いをしているんだ。」

    家元こと立川談志のイリュージョンの意味が少し見えた気がしました。
    (…「極貧の中の生活」つまり「人間の常識」なんていう学習の入る余地すらない世界。
    …「常識という学習の嘘、無理」を嗤うのが家元の落語の根本、基本であり、
    …「人間という不完全な生き物」の中にあるイリュージョンという、 
    常識で統一されないモノ、それらまで語るのが家元の「落語」であるのだ。)

    泣きたいのに笑っちゃう。嬉しいのに泣いてしまう。人って可笑しなものですね。

  • 吉川さんが良く
    「○○○○」という噺家さんと
    同時代に生きていて良かった
    と書いておられますが

    落語好きの私も
    この時代に
    演芸評論家として
    吉川潮さんがいてくれて良かった
    と まったく 同じ事を思います

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著者プロフィール

演芸評論家、小説家。1948年生まれ。
立教大学卒業後、放送作家、ルポライターを経て演芸評論の道に。
1980年からは小説を書きはじめ、「芸人小説」というジャンルを切り開く。
2003年~2014年、落語立川流の顧問をつとめる。
著書に『江戸前の男』(新田次郎文学賞)、『浮かれ三亀松』(以上、新潮文庫)、『流行歌 西條八十物語』(大衆文学研究賞、ちくま文庫)、『談志歳時記』(新潮社)、『芸人という生きもの』(新潮選書)などがある。

「2016年 『深川の風 昭和の情話それぞれに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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