- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021942
作品紹介・あらすじ
テキトーなのか、マジなのか?時代を越えた前代未聞のお悩み相談!世間に媚びないユーモアと痛快な毒で人生の本質を示す永遠の問題昨。
感想・レビュー・書評
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くそみたいな相談に、むちゃくちゃな回答。でもそんな自分には到底理解できないような考え方に対して、そういういなし方もあるのだなと思った。共感できるかどうかは別として、こういう考え方もあるのかと。友人とは、そのときどきに選んだり捨てたりするアクセサリーだから、たよりにしようと思うのは悪いこと。「安っぽい人間になりたくてたまらないのに人間は錯覚で偉くなりたがる」
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人間として生きるという言葉を信じません。だたわけもなく生きているのが人間です——世間に媚びない独自のユーモアと痛快な毒が溢れる唯一にして永遠の人生指南の書、待望の復刊! (内容)テキトーなのか、マジなのか?
時代を越えた前代未聞のお悩み相談!世間に媚びないユーモアと痛快な毒で人生の本質を示す永遠の問題昨。 -
約50年前の1967年から1969年、20歳前後の読者が多い「話の特集」に掲載された身の上相談集。日常生活のつまらなさ、退屈といった悩みに対する人間滅亡教教主の回答。道徳とか常識は一切ない。例えば「生きるに値する何かを発見するなどとはとんでもない思違いだと思います。」「計画を書いて実行するなんてバカ」「集団生活が上手くゆかないことを心配する必要はない」「孤独が当たり前」「アウトサイダーでいい」「教養など捨てろ」「人間に本物などない」「みんなニセモノ」「食べる分だけ働いていればノンビリしていられる」
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図書館より。
アナーキー。そしてファンキー。これが「楢山節考」の作者の方とは。「生きているのはひまつぶし」「生まれることは屁と同じ」「言わなければよかったのに日記」も読みたい。 -
「楢山節考」の著者による、読者からの悩み相談への助言回答集。昭和46年発行なので、ほぼ自分の年齢。当時から人々の悩みの内容はほとんど変わっていないんだなあと。人間関係・男女関係・将来への不安・政治への不満・容姿や能力…等々。深沢氏の回答はどれも逆説的なもので、こういう助言を受けると悩んでいること自体がバカらしくなる。
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1967年から1969年にかけて雑誌に掲載された深沢七郎の人生相談で、雑誌の読者層のせいか投書してくる読者は20歳前後が多い。この時代は日米安保が問題となり反戦をスローガンに、若者たちがさかんに「運動」を繰り広げ、大騒ぎしていた頃である。そういう背景が、これらの若い投稿者のうしろにある。
この本は深沢七郎ファンにとってもあまり重要なポジションを占めるものではないだろう。しかし、私にとっては、淀んだ心に活を入れてくれる素晴らしい指南書であった。
人間は「ただわけもなく生きている」存在で、うじ虫、芋虫とおなじであり、何も考えず何もしないのが極意である、というのが、深沢七郎の「人間滅亡教」の核心である。
この思想系にあっては、「社会などというものを作ることがいけないのです。人は孤独が当たり前で社会などというものは作られたものなのです。それを作った奴は悪魔なのです。」(P57)ということになる。
さらに「仕事は食うためのものだから給料さえ貰えばいいのです。仕事はその人の人生に何の関係もないのです。」(P139)といった割り切りかたは痛快だ。
絵画や詩や小説を作るのを好む青年に対しては、好きなことをやるのはとてもいい、という。ただし「他人に読んでもらったり、見てもらうためではなく自分のためにすることです。」と忠告を与える。この箇所に個人的に強い感銘を受けた。作曲などしていれば、自分の作品の<社会的ポジション>などがどうしても気になってくる。しかしそれは迷いなのだ。好きなことを自分のためにやり、他の余計なことは考えない。まさにそうあるべきなのだろう。
心が弱く迷いに満ちた私は決して深沢七郎のようにはなれないが、こうした本を読むことで、新たな視座があることを実感することができる。これは貴重な体験だ。
ところで、最近の若者がいまふうの悩みを持ちかけたら、深沢七郎はどのように答えるのだろう? ネットなどという新たな幻想の「社会」に骨抜きにされた生のありようを、彼はどのように判定するのだろう? -
ふわっとした深沢ワールド。
著者の回答より、いつの時代の若者も同じような悩みを持っていることを改めて感じる。
気楽にまったり自分に正直に行こうということかな。。。