- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309022796
感想・レビュー・書評
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妻が死んだ。突然、知らない男性と一緒に行った旅行先で。冷蔵庫の中には、たくさんの作り置きのおかずと毛ガニが1杯残されている。
妻ゆずこの残したおかずを消費していくことで、妻とのことを自分なりに片付けていこうとする夫の気持ちが切ない。
残されたカニの中に、不倫をしながらしっかり家計簿をつけるゆずこという不条理な女が、カニミソとして住みついている、と言うフレーズが著者っぽく、そのカニを間男に食べさせるという仕返しを成し遂げ、晴れて踏ん切りがついた太一が嫌いになれなかった。
もうひとつの短編『夢見入門』も、大学生カップルの、彼女とのことを自分たちなりに終わらせようとする彼氏の話で、根っこは表題作と同じかなと思いました。
伊藤たかみさん、やっぱりすごく好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろさが全くわからなかった。
残念。
あと2冊借りてあるけど…。 -
2015.06 市立図書館
雑誌の本の紹介に載ってって、興味をそそられて借りてみた。お初の作家さん。
表題作の「ゆずこの形見」は、おもしろかったけど、「夢見入門」の方は、うーん?? -
不倫途中に死んでしまった妻を思う夫と、残された子供の話。
蟹の擂り身を不倫相手に食べさせるところがおもしろかった。 -
亡くなるのは寂しいけど、そこですらほっこりというか。
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温度感は好きなんだけど、設定に無理があり、創り話っぽさが際立つ。
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あらすじだけを読むと暗い感じですがゆずこの描写が少ない為か不思議とゆずこを嫌な女だとは思えないんです。
ゆずこを許すことも憎むこともできない太一がカニを始末することで彼女への宙ぶらりんな気持ちを落ち着けてゆく。
前に進もうとする太一を応援したくなる本でした。 -
面白かったです。