葬偽屋は弔わない: 殺生歩武と5つのヴァ二タス

著者 : 森晶麿

• 河出書房新社 (2015年10月22日発売)

感想・レビュー・書評

[シュンスケさんの感想 · 2016年2月10日]

葬儀ならぬ葬偽で人の感情を炙り出す。死に触れることで死について考えると同時に生についても考えさせられる。いつもながら森さんの知識や発想の多彩さにはただただ関心させられます。

[しりうす☆さんの感想 · 2016年2月4日]

ちょっと無理がありますが…
面白かったです。

[shifu0523さんの感想 · 2016年1月21日]

【収録作品】第一話　シャボン玉、消えた／第二話　蝶々、遊べや止まれ／第三話　砂時計、さようなら、こんにちは／第四話　頭蓋骨のためのレクイエム／第五話　貝殻鳴らそ／エピローグ

[マエダさんの感想 · 2016年1月20日]

当たり前だが暗い。
美術の知識を絡めてくるところがらしい。流れる音楽とか。
黒猫で充分かなあ。

[ひなさんの感想 · 2016年1月17日]

葬偽屋、それは字の通り“偽の葬儀を行う”業者だ。寂れた寺の住職である殺生歩武が裏稼業として行っているその仕事に、ふとしたことから関わることになったセレナ。依頼人は、失踪した母に再会したい少年、愛する男の真意を知りたいバーのママ、初恋の少年の葬儀をして初恋に蹴りをつけたい女性、裏切り者をあぶり出すために葬儀をするヤクザ、そして歩武の過去の人物……。葬偽を通して、セレナは生と死に向き合っていく。

セレナ、歩武、黒村のキャラが良いし、話も分かりやすいしで、森さんのこれまでの本では一番とっつきやすいかも。芸術談義は入るけど。セレナの元彼の件はかなり無理があったけど、どの話もキレイに落ちがついて良かった。続編があっても良いなぁ。セレナは探偵にむかないな、

[ao-nekoさんの感想 · 2016年1月16日]

偽の葬儀を行う、風変わりな「葬偽屋」。依頼人の目的もまた風変わりなものが多いけれど、それなりに納得はできるのかも。本来死者のためであるように思える「葬儀」ですが、実は生者のための儀式なのだということを再認識させられた気分でした。
個々の案件に絡む謎もさながら、謎めいた葬偽屋・歩武の正体に迫る謎も魅力的。うそぉ、そんなところに伏線があったのか！　そして生きることに背を向けようとしたヒロインと同じように、生きることの意味をほんの少し考えることが出来たかも。

[blueclover28さんの感想 · 2016年1月14日]

設定もキャラもお話も既視感を感じるのは何故なのか。

[さゆらさんの感想 · 2016年1月8日]

胡散臭げな題名でしたが、美術薀蓄、というと怒られそうですが、まあ、そんな語りは他の本よりも黒猫シリーズに近い気がします。
雰囲気かも。

偽物の葬儀という商売、探したらありそうだ…でも、作中で言われてる通りに色々ヤバそうだ。
しかし、人というのはあっさり死んでしまうのだなあ。

うーむ、よく考えたら歩武氏は無戸籍状態なんだよな。
色々大変そうだ。住職と養子縁組とかしていたならそうでもないのかな。
どうなんじゃろ。

ドラマ化できそうだなーとか思っていた。
叙述もあるけど、やりようによってはいけると思う。
まあ、ドラマ見ないけど、私。

[marimocoさんの感想 · 2015年12月23日]

偽の葬儀で人の心の真実を暴き出す「葬偽屋」を舞台に、自殺志願者のセレナと、謎めいた僧侶・殺生歩武が事件に挑む連作短編集。
一話目ではった伏線を、その後きれいに回収できてるのはお見事。まぁ、ちょっと出来過ぎの感はあるけれど。
西洋美術のウンチクといい、セレナと歩武の微妙な関係といい、黒猫シリーズや『偽恋愛小説家』を思わせるし、人の死を扱っているのに、最終的に前向きな気持ちにさせてくれるところも、森さんらしい。

[11142921さんの感想 · 2015年12月16日]

2015/12/16(水曜日)

著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞（早川書房刊）。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』（角川書店）の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』（講談社）、『偽恋愛小説家』（朝日新聞出版）、『かぜまち美術館の謎便り』（新潮社）などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」