葬偽屋は弔わない: 殺生歩武と5つのヴァ二タス

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024158

感想・レビュー・書評

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  • +++
    自分が死んだら周りの人たちはどんな反応するんだろう。その願い<葬偽屋>が叶えます。人の本音が見えてくる本格人情ミステリ!
    +++

    葬儀屋、ならぬ、葬偽屋の物語である。殻と呼ばれる本人そっくりの人形を作って偽の葬儀を執り行い、列席者の反応を確かめるという仕事である。終わった後には必ず偽の葬儀だということを明かす、などいくつかのルールがあるが、基本、依頼は断らない。煩悩時の原液住職・殺生歩武の副業なのである。元保険調査員で、わけありのセレナ、殻の製作者であり、カフェサボタージュのオーナーの黒村が一応スタッフである。依頼者が抱える問題を調査し、葬儀を行って周りの反応を見ることで解決に導くのだが、怪しげな仕事の割には心温まる結末に落ち着くのが不思議でもある。最後には歩武自身の過去も、セレナのしがらみも、黒村の屈託も、納まるべきところに納まり、物語自体も、一応ハッピーエンドと言えよう。葬偽屋の仕事ぶりをもっと見たいと思わされる一冊である。シリーズ化希望。

  • アレゴリーを知るとふと目にした蝶やシャボン玉まで見方が変わってしまいます。
    表紙がインパクトあってセレナって大人っぽい人をイメージしてたけどやっぱり森晶麿先生の好みが出てる。
    言葉ではっきり言わなくても愛されてるんだもん。パートナーっていい言葉だぁ。

  • 自分が死んだことにして偽の葬儀を行う「葬偽屋」を訪れた5人の物語。シュールな設定はユニークで面白いのですが、繰り出される美術蘊蓄は門外漢にはちとつらいです。シリーズ化希望。

  • 偽りの葬儀を執り行い、亡くなったと仮定した『お客』の周りの反応やいかに~という人間の裏表を描き出すだけの連作短編集なのか、ふむふむと思い軽い気持ちで手に取ったけれど、そこは「黒猫シリーズ」でああも鮮やかに美しい世界を見せてくれた森先生、単純に納まるわけはないのでした。

  • 森さんらしい蘊蓄。偽の葬儀屋。

  • まあまあ楽しめた。

  • ドラマ化したらうけそう

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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