- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309030005
感想・レビュー・書評
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ほぼ同期の作家2人の育児にまつわる往復書簡。白岩玄さんは男性による育児界の肩身の狭さ。山崎ナオコーラさんは性別にこだわらず「1人の人」として子供と向き合う姿勢。2人の育児に対する迷いや、それに対する互いの考えを尊重し合っていて、とてもいい反響をし合っているなと思った。
人を育成するということは、基本的な考え方も教えていく必要がある。教えていくにあたり、その親が持っている考え方=哲学が色濃く反映してしまう。その濃淡について世の中の親はこんなに考え尽くして、悩んで育児にあたっているんだと、尊敬する。
「親だけでなく、時代や文化や環境だって育児をしている」
「ウイルスは悪意を持ってない。人類を滅ぼそうとしているのではない。ただ人間とウイルスが交わると、病気が起こるだけのこと」
「経済格差、ルッキズム、差別、いじめは、決して個人の問題ではなく、社会の問題であり、個人は変わる必要がなく、社会が変わるべきなのだ、と考えていきたい」
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デビューが同期だという白岩玄さんと山崎ナオコーラさんの育児エッセイ。2018年1月から2021年10月にわたるコロナ生活記録でもある。
コロナについても育児についても自分の心情についても、何となくでごまかさない真摯な2人のやりとりが続く。
少し前のことなのに、もう忘却の彼方で、懐かしい気持ちで読んだ。小さな子を育てる不安、コロナの全貌がわからない不安、急激に変化する社会の空気への戸惑い。私にもたくさんあったことを思い出した。 -
白岩さんと山崎さん。共に作家で二児の親。手紙をやりとりするように綴っていくお互いの思考。人の意見を聞いて気づくことや考えさせられること。自分のいたらなさもお互いの違いも真摯に受け止めるからできること。考えは深まる深まる。コロナ前とコロナ禍。親としても考えさせられるよね。ミルクとコロナな。
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育児エッセイとされているが、前半のbefore corona のあたりは、子どものことより暮らしの中で感じてきたことを書かれている印象だった。
お二人のバックグラウンドによる考え方、特に「競争」や「席とり」については同じような気持ちになるので、とても身近に感じた。
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こどもについて、生きている社会について、よくよく考えて過ごすおふたりの考えの応酬がとても興味深かった。
やり過ごすことは簡易だけど、ふたりはよく立ち止まって考える。それがとても刺激にもなるし自分が抱えていたもやもやを言語化してもらえたところもある。
追いかけるように一緒に考えたくなった。