- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309204017
作品紹介・あらすじ
あの夏、ニューヨークはおしゃれで、華やかに輝いていた。でも、19歳の私はガラスの覆いに閉じこめられ、心は不思議に虚ろだった。30歳で自ら死を選んだ詩人シルヴィア・プラスの自伝的小説。
感想・レビュー・書評
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電子レンジに頭を突っ込んで自殺した話があまりに有名なシルビア・プラスの小説。実体験に基づいているそうで、挫折し精神に異常をきたしていく19歳の主人公エスターは完全に著者なんだろうなと思うと重苦しいことこのうえない。若いうちに読んだ方が良いと言われているけど私はそうは思わない。この生々しいイタさは色々通過できた後に読む方が身のためな気がする。自分は自分が思ってるほど周りの人にとって重要な存在でもないし、一目置かれてもいないっていうことに自分で気づく辛さよ。詩人である著者のキリリとした読みやすい文章が救い。
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翻訳が酷かった。特に前半のファッションに関する文章は全くセンス無さすぎ。そこがキーでもありウリでもある作品なのに…あとコーヒーカップの受け皿、みたいな直訳も…そこはソーサーでいいでしょ、全体的にほんとうに残念すぎる。何より後書きで翻訳者がこの物語はハッピーエンドと断言していて読後感台無しになった。この小説の終わり方のあのどこがハッピーエンドなのか…そしてそれはあんたが決める事じゃない。
新訳が出たら読みたい本。 -
少女特有の揺らぎを抜き取れてる。
考えることをやめなかった人。嘘がつけなかった人だったんではないかと推測。
万人には推奨できないし、ベストセラーになる類の本でもない。
啓発もしないし、白黒もつけない。
モヤモヤ。磨りガラス。
この危うさを記せる観察力と表現力が、羨ましい。 -
若干文章に拙い感じがあるもののそれも込みでこの本の魅力だと思った。久々にズキズキした小説。
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精神を少しずつ病んでいく過程が悲しくて苦しいのだけど、文章の美しさで読み切り。巻末の訳者解説も感動的な読み応えでした。
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僕のわがままなのだろう。アルコール漬けにされた赤ん坊の標本を見るのが好きな人物の物語に、魅力を感じられないのである。
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久しぶりに文学的なものを読んだなあという気持ち。
コカインで入出獄を繰り返している受刑者がシルヴィア・プラスの詩を好んで読んでいると、刑務所図書館の本で読んだのでどんなものかと手を伸ばした。
詩の翻訳は小説の翻訳より難しい気がして(詩の韻やリズムが翻訳するときに多少なりとも損なわれる)、小説の方を読んでみたのだけれど、ほぉおおという感じ。
初校ゲラができたとき大笑いして破り捨てたとあとがきにあったが、彼女のように(って詳しくは知らんけど)繊細でシニカルな人間が、自伝的小説を書くとそういう気持ちにもなるのかなと。
前半のニューヨークの描写は、主人公が憂鬱とはいえ出てくるものがキラキラしていてステキだった。けれど、後半の主人公が自殺未遂をしてから精神病院に入ってそこで鬱々とする描写は読んでるこちらもつかれた。ベルジャーにいるみたいとはよく言ったもので、現実と自分の間がガラスで覆われているような感覚がずっと描写されている。
主人公をうんざりさせた世界がどんなものか読むとよくわかる。 -
多感で繊細
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小橋めぐみさんの書評を読んで興味を持ったけど、わたしには難しくて流れがつかみにくかった
後半やっと見えてきたなというところで終了
ただ、もう一度ちゃんと理解して読みたいと思わせる本