出会い

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 71
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309205885

作品紹介・あらすじ

ラブレー、ドストエフスキー、セリーヌ、カフカ、ガルシア=マルケス、フェリーニ…クンデラが愛する小説、絵画、音楽、映画を論じた、決定版の評論集。

感想・レビュー・書評

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  • 『存在の耐えられない軽さ』『不滅』などのフィクション作品でも、クンデラは独自の社会時評や芸術論を展開しますが、そんな彼の評論集が面白くないわけがない。

    画家のフランシス・ベーコンにはじまり、ドストエフスキー、フィリップ・ロス、ラブレーなどの作家論を展開します。これらの評論に一貫して感じ取られるのは『すでに芸術の時代は終わってしまった』というクンデラのノスタルジーです。
    正直、古典芸術を至上とする俗物紳士のように見えなくもありませんが(すいません!)、映画文化を白痴化の代理人と断罪し、映画誕生百周年に寄せて『それはわたしの祭りではない』と突っぱねる態度にはしびれました。やっぱり、このじいさんカッコいいわ~。

    個人的に好きなのはドストエフスキー論の、『喜劇の喜劇的な不在』。TVに映る、喜劇的でないにもかかわらず笑い転げる大衆に、クンデラはお得意の逆説的な皮肉をぶつけて冷笑を浴びせています。しかしまた、そんな時代に生きざるを得ない彼の姿に、一抹の寂しさを感じました。

    他の評論集にも興味が湧く一冊でした。

  • 「出会い」かぁ、クンデラが出会った人の話なんだろうけど、ハヴェルについては書かれているのかなぁ?

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    「ラブレー、ドストエフスキー、セリーヌ、カフカ、ガルシア=マルケス、フェリーニ……愛する小説、絵画、音楽、映画を論じ、モダン・アートを粘り強く擁護する、クンデラ評論の決定版。」

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著者プロフィール

1929年、チェコ生まれ。「プラハの春」以降、国内で発禁となり、75年フランスに亡命。主な著書に『冗談』『笑いと忘却の書』『不滅』他。

「2020年 『邂逅 クンデラ文学・芸術論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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