- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309206332
感想・レビュー・書評
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着信音がムチ打ち音と悲鳴、裏切り者と決めつけられた者達への暴行…と国家のために働く親衛隊士の生活は忙しい。伝統の飲み物や食べ物を食べちらかし美しい車には残虐の印をつけてこれみよがしに疾走。快楽や秘密取引。美しいアクアリウムや天眼女。未来の設定でも大昔から変わらないある国の一部の話。ヨーロッパとは疎遠になりつつ中国にじわじわ蝕まれていて不安だけど…燃えろ!光れ!えんやさ!下半身と痛みで行動するのだ!蒸し風呂の部分にはやられました…色々すごいです。
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シンプルに、「何が書いてあるんだかわからない!」
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帝政となり、恐怖政治の専制国家・警察国家となった近未来のロシアを描くディストピア小説。ウクライナを侵略し、プーチン大統領が支配するロシア連邦も似たようなものである。むしろロシア連邦の本質を戯画化した小説と言えるだろう。
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専制政治が復活した近未来のロシア、親衛隊の性と暴力に満ちた一日をユーモアたっぷりに描く。非常に露悪的で冒涜的な内容だが、風刺が効いておりロシア男性の精神性を喝破している。文学という言葉の想像力を駆使した芸術でこそ味わえる背徳的小説。
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書評はブログに書きました。
https://dark-pla.net/?p=3161 -
皆今まで、ソローキンの世界に憧れ、陶酔してきたとは思うが、共感という意味では難しい物があって、コロナという殺人兵器がばらまかれ、人間の尊厳、命の重さなど、今まで日本人が軽視してきた物がせりあがり、ノンフィクションがフィクションの仮面を被り、何だか今の時代は、ソローキンの差し出している見えていなかった部品が、ありかだけでも見えてきたように思う。その正体は宇宙人と闘うための能力なのかなー。
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はじめてのソローキン。印象としては日本国内で言うと町田康「パンク侍、斬られて候」や村上龍「昭和歌謡大全集」のような感じかな。近未来のロシア親衛隊士の様子を描いていて多くは、皮肉や揶揄、諷刺なのだろうけれど外国人には、そうなのだろうなと思う程度でそこの会心性は非現代ロシア人にはわかりにくい。が、それを抜いても面白い。ノーマルな範疇に退屈を感じてきた人向けだけどこれはこれで面白いと思う。
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【選書者コメント】「燃えろ、陰嚢!光れ、玉茎!ソローキン、四界に敵なし!」(出版当時の柳下毅一郎による帯コメントより)
[請求記号]9800:237 -
ニュースを見聞きする度に予想はしていたことだけれど、『青い脂』から7年、ソローキンにある意味これだけ直截的な作品を書かせるほどロシアは大変な事になっているのかというのが一読後の正直な感想。