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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309207643
感想・レビュー・書評
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M.デュラス『苦悩』冒頭2作が映画に対応するテクストだけど「帰ってこない」ときのデュラスの精神状態もさることながら状況として壮絶なのは「帰ってきたあと」だった。収容所から瀬戸際で助け出された夫のチフスの看病、飢えへの対応、それが彼女の文章で立ち上がってくるときの濃密な死の匂い。
やっぱり情景をイメージしやすいのは映画に対応した2作だったけど、「オーレリア」の時間と空間の概念を飛び越える描写と少女への切実なデュラスの眼差しに打たれた。たしかにこれは舞台で発話されるのがいい、声でもって語りたいテクストだと思った。少女は戦禍の只中にいながりも解放されていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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