滅ぼす 上

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 320
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309208879

感想・レビュー・書評

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  • 2026年12月23日、インターネット上に拡散される謎の映像とメッセージ、財務大臣をギロチンで斬首するフェイク映像は、相当に手が込んだレベルの高い映像で。冒頭の緊迫感に期待が高まったが、その後の展開はスローダウン、まったりと、鬱々とした感じさえする流れで、どこへ話が進むのか迷走気味になり。しかし、上巻のラストで、冒頭の出来事への驚きのリンクが明らかになり、下巻に多いに期待!

    2027年のフランス大統領選を前に、謎のテロ組織が暗躍するなか、経済・財務大臣秘書官のポールは、妻との関係に回復の兆しを見出す。やがて現大統領の肝煎りで、テレビの人気タレント、サルファティが立候補し…。

  • X(旧Twitter)で頭が良さそうな人が皆読んでたので読んだ。フランス次期大統領戦の最中、謎のテロリストが台頭し、経済大臣の秘書の回りの人達の色々を書いた話。フランスの小話と、各登場人物の考えを細く散漫に書いているのでXのTLを見てるかのような印象だった。まだ下を読んでないけど、ボールとブリュダンスが仲良くなって、オーレリアンが無事に離婚できるように応援する

  • 巧妙なフェイク動画の謎は、船を沈めたテロリストの正体は、正五角形と五芒星の意味は、ポールの父親のメモの真意は…すべての伏線は一体どこに行ってしまったのか?
    下巻の半ば以降は、ポールが患った病を通して生の意味を問う、ひたすらそんな類の描写に尽きることに、いささか面喰らい、そして肩を透かされた思い。
    性描写がここまで必要なのかどうかも、私には分からない。
    惹句にあるように、リーダビリティが高いことは認めるが、カタルシスを得ることはなかった。

    「フリードリヒ二世は愛犬のそばに埋葬されることを望んでいた。邪悪な種である人間にかこまれて眠らなくていいように。」
    「森は、生命の本質であり、闘いも痛みも知らない、穏やかな生命である。永遠を思い起こさせることはなく、それは問題ではなかったが、我を忘れてじっと眺めていると、死はそれほど重要ではないと思われてくるのだった。」

  • もはや一種の黙示録とも呼べる文学作品を作り続けているフランスの鬼才、ミシェル・ウエルベックによる新著であり、過去の作品と比べても単行本上下巻という大著。

    個人的に新著が出たら、迷わずに買うことを決めている現代作家の一人がウエルベックなのだが、迷わずに買ったことを全く後悔しないほど完成度高く魅惑的な作品であった。

    ウエルベックの作品は登場するテーマや意匠に強い共通性がある。デビュー当初は、カルト宗教やセックス/性の問題に始まり、ここ10年ほどは極めてアクチュアルな移民問題やテロリズム、資本主義の限界など政治・経済学的な側面が強まっている。本書はまさにウエルベックを構成するであろう様々なテーマ・意匠が総動員されることで、作家自らの代表作といって過言ではない文学世界が構築されている。

    正直、圧倒的な物語の面白さはありつつも、その陰惨たるテーマ・意匠の連続によって読み手の体力を著しく奪う書物に仕上がっている。そのような辛さを味わってでもなお先を読み進めたいという中毒性を与えてくれる作品というのは非常にレアであり、その黙示録的な現代社会の救いのなさの前でただ佇むことしか私にはできない。

  • 上巻はいつものウェルベック 現在から一歩先の未来 世界観が広がる内容

  • 淡々と物語が進んでいく
    下は面白くなるかな?

  • 同年代の自分と重なる部分があり、導入の巧みさ、
    ウェルベックの過去作で一番面白かった ある島の可能性 より引き込まれてしまった

  • 記録

  • 953

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著者プロフィール

1958年フランス生まれ。ヨーロッパを代表する作家。98年『素粒子』がベストセラー。2010年『地図と領土』でゴンクール賞。15年には『服従』が世界中で大きな話題を呼んだ。他に『ある島の可能性』など。

「2023年 『滅ぼす 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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