東国武将たちの戦国史: 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226385

感想・レビュー・書評

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  • 北条とか太田道灌とか
    あの交通機関が無かった頃に
    小田原から川越とか、よく移動してたよな

  • 越山の章を読んで、上杉謙信の、義を重んじ領土的野心を持たないという世間一般の評価に対しての見解が大変興味深かった。また、越山を暖地で越冬する渡り鳥に例えているのも秀逸だと思った。妻帯問題も腑に落ちた。

  • とても面白く読めた。学校の日本史や歴史ドラマの主流でない東国の歴史を知ることで、上方や織田、豊臣、徳川の動きも多層的に理解できる。
    リーダーシップ、後継者選び、同盟、縦深戦略などにおいて共通点と相違点を確認しながら読むとよいですね。

    私は新潟生まれで上杉謙信には一定の理解をしているつもりだったが、山内、扇谷さらに武田や北条の目線で見られるのは貴重だった。

    武田信玄の晩年の戦略の狂いはなぜなのかもっと知りたいと感じた。

    以下は発見。
    北条五代の百年帝国は興味深い。伊勢宗瑞から北条氏直まで個性的なリーダーと体系的な統治がされていたことをよくわかった。氏綱の印判状の革新的な一面、氏康の権謀術数など、さらに深めてみたい。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    関東を中心とした東国の戦国史を10エピソードが纏められている。
    応仁の乱より前に関東で発生した享徳の乱の一部である「長尾景春の乱」から秀吉による「小田原の役」までの120年間に起きた戦国史が扱われている。
    前半は戦国時代では著名な武田信玄や北条氏康、上杉謙信らが当主となる前の戦国史が中心となっている。今までにあまり知らなかったエピソードを知ることができた。
    後半は氏康の河越夜戦や謙信の関東遠征、信玄の駿河侵攻など比較的に有名なエピソードが新たな視点で解説され、今までの通説と合わせて考えると戦国時代をより魅力的に感じることができた。
    また、戦国武将を生身の人間として考える考察は歴史の考察としては正しくないのかもしれないが、戦国武将をより身近に感じることができた。

  • 面白かった。東国における戦国時代黎明期の事例が強く印象に残る。東国の戦国黎明期においては北条早雲や長尾為景、太田道灌のエピソードをせいぜい知っていた程度。この本のように東国を網羅的に把握してはいなかった。なにはともあれ、長尾景春……強い。

  • 足利公方・関東管領からひも解くとだいぶまた理解が進んだ。

  • 八王子出身者としては、やはり北条関係の戦国史が一番興味深いです。武田、上杉(直江)は大河になっているのだから北条もなんとか大河でやって欲しい。内訌が無かったらからつまらないかもしれないが、近隣の小大名との関係の変化や、攻略など面白いはず。この本でまた関東の戦国史について少し詳しくなりました。

  • 河越夜戦 のみ読了。後世、北条8000対連合軍80000で、10倍近い敵に対して、8000の北条が勝ったなどとよく書かれているが、史料からみつもると、だいたい北条11000対連合軍20000ぐらい、20000のうち、5000ぐらいは戦意の低い公方軍で、そんなには戦力差がなかったことが説かれている。山内上杉としては、決戦に持ち込まず、大軍で包囲しているというプレゼンスで、戦わずして、自勢力に有利な状況に持ち込もうとしていたが、北条氏康が乾坤一擲、勢いのまま扇谷上杉軍を急襲、その崩れが全軍に波及したこと、河越籠城側の北条綱成が、氏康の攻撃と機を同じくして、公方軍に襲いかかり、敗走させたことが、勝利に導いた。機を見て賭けに出られたか出られなかったかが、明暗を分けた。戦後の情勢としては、扇谷上杉は滅亡、山内上杉と公方は生命以外のすべてを失い、失われたものはすべて北条氏康のものになった、と。

  • 応仁の乱よりも50年ほど早く戦国時代に突入した東国を舞台に、単なる戦国通史としてだけではなく、戦乱を中世の「戦争」としてとらえ、「軍事」の視点で戦国武将たちの実情に迫る一冊。

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著者プロフィール

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で中世軍事考証を担当。大河ドラマ「真田丸」でも戦国軍事考証を務めた、ちょっとマッドな歴史研究家。単著に『東国武将たちの戦国史』(河出書房新社2015)、『土の城指南』(学研パブリッシング2014)、『「城取り」の軍事学』(同2013)、『戦国の軍隊』(同2012)など、共著に『図解 戦国の城がいちばんよくわかる本』(KKベストセラーズ2016)、『北条太平記』(桜雲社2016)、『神奈川中世城郭図鑑』(戒光祥出版2015)ほか、専門の論考や調査報告書、雑誌記事など多数。

「2022年 『オレたちの鎌倉殿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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