無人島 1969-1974

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309242903

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  • 精神医学は長いあいだ、収容所と裁判所との二重の関係のなかで、理性、権威、権利の名のもとで語る規範的な規律であった。次に精神分析が解釈的規範としてやってきた。内部での狂気、倒錯、神経症、「エスが言いたいこと」が追及された。われわれは今日、新たな機能主義の権利を要求する。つまりもはやエスが言わんとすることではなく、どのようにエスが作動し、エスが機能しているかということである。あたかも欲望が何も言わないのではなく、大きな社会的機械や技術的機械との特殊な関係のなかでつねに、小さな機械の組合せ、欲望機械であったかのように。君の中の君の欲望機械とは何か。難解で美しいテキストの中で、マルクスは、単に人間の二つの性、男性と女性との関係としてだけではなく、「人間の性と非人間の生との」関係として、人間の性関係について考える必要性を喚起していた。彼はあきらかに動物を考慮していたのではなく、人間の性的関係のなかにある非-人間的なものについて考えていたのである。すなわちそれは欲望機械である。おそらく精神分析は、その幻想や夢の概念の中にまでそれを性的関係の擬人化観念のままにとどまらせていた。
    現実のマゾヒスト機械(現実のパラノイア機械、スキゾフレニー機械などもまた存在するのだ)を示しているピエール・ベニシュウのそれのような模範的な研究は、人間におけるそのような機能主義の、あるいは分析の、そして「非人間的な性」の道をつくっている。(『無人島1969-1974―「君のなかの君の『欲望装置』とはなにか」』p209)

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著者プロフィール

(Gilles Deleuze)
1925年生まれ。哲学者。主な著書に、『経験論と主体性:ヒュームにおける人間的自然についての試論』『ベルクソニズム』『ニーチェと哲学』『カントの批判哲学』『スピノザと表現の問題』『意味の論理学』『差異と反復』『ザッヘル゠マゾッホ紹介:冷淡なものと残酷なもの』『フーコー』『襞:ライプニッツとバロック』『フランシス・ベーコン:感覚の論理学』『シネマ1・2』『批評と臨床』など。フェリックス・ガタリとの共著に、『アンチ・オイディプス』『カフカ:マイナー文学のために』『千のプラトー』『哲学とは何か』など。1995年死去。

「2021年 『プルーストとシーニュ〈新訳〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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