次の町まで、きみはどんな歌をうたうの? (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 589
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407869

感想・レビュー・書評

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  • ディズニーランドに行く恵太とルリ子に便乗して、一緒に東京までドライブすることになった小川望とコロ助。真夜中のSAでの望のルリ子への告白、長年思い続けた東京に住む清水さんへのコロ助の告白、4人内部のそれぞれの関係性による様々な会話。たった3日の、それもほとんどが車中での会話なのに、4人それぞれの世界観がよく分かるのが面白い。
    この作品は時間の描き方がとっても上手。気の置けない仲間と過ごす夜の、なんだかフワフワして現実世界から浮遊したような感覚、その後に迎える朝の、紛れもない現実とある種の残酷さ、昼間の地に足の着いた面白みのない、けれどもありのままの時間の流れ。それぞれの時間にそれぞれの過ごし方があり、その表現の仕方が絶妙。夜から朝への変化って、非現実から現実へ変化する様をまざまざと体感させられるようで個人的には嫌いだ。切なすぎるし、このまま夜だったらいいのに、なんて思ってしまう。もはや恐怖ですらあるほど。それでも夜は明ける。様々なことが時間の流れと共に変化する。ただその自然の流れも悪くないんじゃないかな、なんてこの本を読むと思えてくる。休日、気持ちよく迎えた朝のような気持ちのいい読後感。

  •  これは映画化してほしい

     ヨ・ラ・テンゴの「The Crying of Lot G」

     「君が笑ったらぼくも笑ったような気分だ、君が泣いたらぼくは最悪な気分だ」

     ありきたりだけど素敵な言葉

  • 面白かった。特に2つめの眠い話が好きだ。

  • 小林望が好きです。
    やりたい放題、自由奔放に生きているようで、
    実は人一倍他人のことをよく考えているような、小林望が好き。

  •  柴崎さんの作品は初めて読んだ。
     個人的には後半の「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」が好き。どうしてもすぐ眠ってしまう女の子が、眠らないことを決意してからの話。
     なんだか、物語にスッと入り込んで読めてしまった。

  • 本当に何気ない風景と生活なんだけど、それが描写次第でこうも読めるものになるのかと思う。毎日が、本当はすごく面白くって素敵なもの。そう教えてくれる作者さん。2つ話が入ってますが、どちらも良い。特に、「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」は良い。いっつも眠い自分には、なんだかひどく身近に思える話。寝ないって目標立てるけど、やっぱり寝てしまって自分に言い訳。そんな人、結構多いんじゃないかなと思う。そんなダメダメな日常でも、辛い事が少しあっても。一日一日はいつもそこにあって。悪い事ばっかりじゃないよって。この話が、そう教えてくれてるような気がする。

  • もうハードカバーが手に入らなくて・・・文庫買っちゃった。表題作のほか1篇はいってました。やっぱりこの人の文体好きです。ゆるさがいい。

  • タイトル買いしました。
    表題作より同時収録の「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」が好き。好き、というか大好き。
    25歳までは眠いんだってさ。あたしは25過ぎたけどまだ眠いや。

  • この人の本はいつも、空気を感じて、音も聞こえて、そして匂いもするのだ。

  • 表題作もいいですけど、僕はそれよりももう一篇の方。「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」がよかったですわ。これは非常に高度な展開だなぁって思った。(06/10/30)

著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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