- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407937
作品紹介・あらすじ
新しい恋人、春志と、性的に特殊な事情を持つ人々が集まる見せ物一座"フラワー・ショー"に参加した一実。だが、一実自身は同性である映子に惹かれてゆき、そして-果して親指Pを待ち受ける運命は?性の常識を覆し、文学とセクシャリティの関係を変えた決定的名作が待望の新装版に。
感想・レビュー・書評
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新恋人 春志と、性的に特殊な事情を持つ人々が集まる見せ物一座「フラワー・ショー」に参加した一実。
だが、一実自身は同性である映子に惹かれていき、、、そして―果して親指Pを待ち受ける運命は・・・!?
性の目覚め、しばらくはPの可能性や快楽を追求するのは親指Pに限らず、、、かもしれません。もう、動物か!ってくらいそのことしか考えられないギラついた時期を抜けると、肉欲を切り離したところにある本当の気持ちに気づくとか。
「性の常識を覆し、文学とセクシャリティの関係を変えた」と唱われていますが、下巻はペースダウンというか。
目覚めたら大きな毒虫に変化していたグレゴール・ザムザに比べれば、足の親指の一本程度、靴下や靴でなんなく誤魔化せますが、されど形状はP。一般男性は生まれつきあの奇っ怪な持ち物を所有している。あのようなものが自分についていたならば、、、、持てあますかな。
そもそも何故今頃これを書いているかと言えば、「据え膳食わぬは男の恥」論について考え込んでいるからです。「据え膳食った結果、悪者扱いされた」男性は本当に悪い奴なのかどうか。悪いのはPと、Pの弱みにつけ込もうとする女豹系女子ではないのかね。むむー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男と女の感覚の違いだろうか、表現がとても濃厚で読んでいてだんだんぐったりとしてしまった。こんな話どうやって映画化するのだろうか。
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女性にペニスが生えたとして、そうなった時の想像力に凄いものを感じた。
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読み終わって、まさにこの物語は「親指Pの修行時代」を描いていたのだなと思った。凝り固まった男性・女性の身体性への先入観や性愛観を無意識のうちに持ってしまっていることに気付かされたけれど、どちらもとても個人的かつ個性的なことなんだから通念に縛られる必要はない。そのようなことを、全く押しつけがましくなく示してくれた作品だった。
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江戸川乱歩や筒井康隆を彷彿とさせる内容。
LGBTって言葉が無い頃に書かれた話としては非常に先進的だったんだろうと思います。勿論親指Pという発想事態は現代においても先進的だと思いますが。。。
エピローグの最後の一行が秀逸です。 -
一実を通して模範的な恋愛や性愛から逸脱することを学んで春志を通して社会に受容される価値観も要ることを知った。行儀が良過ぎる感想だろうか。異性間で性器を結び付ければ正解というわけでないのだろう。肌と肌を触れ合わせるだけで快く感じること。それならば異性でなくても恋人でなくても良いのかも知れない。少し人恋しくなるような小説だった。
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昔読んだ本
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やっぱり最後まで合わなかった…、「だったらなんだ?」感が主人公の行動に常につきまとって、結局彼女やフラワーショーメンバーのやることなすこと全部気に入らず。ただこれは個人の受け取り方次第なので、面白くないというわけでは決してないと思う!どうして本作が90年代最高峰とまで呼ばれるのか、自分の課題としてもう一度考え直そう。
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読み終えてなんというかスゴイお話です。