日本語のかたち (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 94
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412092

作品紹介・あらすじ

一、二、三…は横長なので欧文と違って縦書きがふさわしい、日本語はいまだ言文不一致である、等々の慧眼が光る出色の日本語論、ことばの姿かたち論。「形式的」がいけないことを指すようになってしまった現状に異を唱え、スタイルの思想、名文、漢字と仮名、直線と曲線、語尾論…から復権する、日本人が失ったものを求めて。

感想・レビュー・書評

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  • 書名から、勝手に言語学的な観点から日本語を掘り下げている本かなと予想して買ってみたけれど、読んでみたら仕組みとか音だとかの構造的な細かい話ではなく、縦書きか横書きか、硬筆か毛筆か、など書き言葉としての日本語について書かれていた。

    期待していた内容とは違ったものの、文字の「外見」に焦点を当てているものは初めてだったのでそれなりに楽しめた。

    ひらがな・カタカナ・漢字という3種の文字が存在し、縦書き・横書きを目的に応じて使い分け、使用する筆記具によっては芸術作品にもなりうる日本語をこれまで特に不思議にも思わず使ってきたけれど、この本を読んで、これらが日本語の大きな特徴のひとつである事を認識できたのはいい収穫だったように思う。

  • 英語は声が主で文字が従
    日本語は文字が主で声が従
    という点、ほんとにその通りだと思った。

    なぜ日本語は縦読みなのかということや、
    語尾を工夫して文章にリズムを生むという話

    いろいろと面白かった。

  • 『思考の整理学』より 読みやすい。

  • 書かれた1980年に比べると日本語を「書く」機会は極端に減っていて、書のかたちで自分を表現することの愉しみ、また、感じてもらえる期待に遊ぶ感性そのものをもたない世代になっているのだと思う。それはつまらないことだ。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 「読み」の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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