異性 (河出文庫 か 10-5)

  • 河出書房新社
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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413266

作品紹介・あらすじ

男と女はひかれあいながらも、どうしてわかりあえないのか? 二人の人気作家が究極の難問に挑む、恋愛考察エッセイ。早くも文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 異性が云々というより、穂村さんと角田さんのおふたりのエッセイ集ということで読んでみました。
    長い間積読でしたが、とても面白く、一気読みでした。

    往復書簡のような形態で、お互いの前のエッセイに答えるように書いていく。
    非モテだと告白しているふたりだが謙遜だろう。
    角田さんは「大学一年の頃から彼氏がずっと途切れたことがない、と何かの本で書いてらしたし、穂村さんの他のエッセイにも元カノ達の幻影(笑)がたっぷりと含まれている。

    でもものを書く人って恐ろしいこと平気で書きますね(笑)
    そのゾクゾクを楽しみたくて読んでいるのだけれど。

    「内面か外見か」
    「恋愛カーストの呪縛」
    「主電源オフ系男女」
    「錯覚と致命傷」     など

    私はどちらのエッセイにも共感と驚きを感じました。
    解説が酒井順子さんと完璧な布陣。
    名解説で文章書くのが嫌になるくらいです(笑)

  • ❇️読了❇️
    [異性]
     角田 光代/穂村 弘
    エッセイ集。
    解説の酒井順子さんも書かれているように「これは男女が上手くやっていくためのハウツー本ではありせん」。まさにハウツー本でも指南書でもなく、お互いの考え方、行動、言葉遣い等の違いを端的に論じた面白い内容。
    角田さん、穂村さんのどちらにも頷ける点があり、性別を変えれば23章タイトルなどは私自身云われたまま。
    穂村さんは歌人ですので短い言葉で表現するのがお得意だし、角田んは物書きですから話題の展開、纏めが巧み。
    良いコンビネーションでした。

  • 男はこうだ、女はこうだというのは
    永遠にテーマになることなのだなぁ。

    読めばなるほどと思ったり
    私は違うと思ったり。

    わかっちゃいるけど結局のところは人それぞれ・・・


  • あぁ、、、なんでこんなにおもしろい本を本棚で眠らせていたんだ。大馬鹿者が。

    最近角田さんのエッセイを再燃して読んでいたが、やはりわたしが角田さんの書き物が好きな理由として酒好き、旅好き、恋愛へのめり込み方、フルマラソン走っちゃうような根本的な部分が似ていて、自分が抱えていたもやもやを上手く言語化してくれているので、「アァ…アァ……」とカオナシのような呻き声をあげながら読んでしまう。


    「モテは美醜じゃなく内面じゃなくスペースだ」
    これは色んなところで語られていることだが、角田さんの言葉が一番しっくりときた。

    好きなように好きなまま暮らして、自然と運命の人と出会えるようなことはないのだ。好きな人に好いてもらうには、そのための努力をしなければならない。
    恋愛にスケールのでかい夢を抱いてはいけない。

    まずはスペースをつくるために目の前のことを一つずつ真剣に取り組んでいこう。


    「だから男は(女は)ダメなんだ」といった語り口ではなく、穂村さんと角田さんがお互いの意見主張を理解し合おうとしっかり「対話」をしている様子が見られて非常に勉強になった。

    わたしもこういったことができるようにならないといけないんだよなぁ…深く反省。


  • 異性に関する疑問を角田さんと穂村さんが順番に投げ掛けていくのがラリーのようで面白い。激しく同意!と頷いたり そうだったのか!と疑問が解けたり。 私は穂村さんの男目線の意見に納得することも多く、そして角田さんの女ってこうなんだからという意見にそうなの?と思ったりもして、自分はやっぱり男的な感覚が多いんだろうなぁと改めて思った。

  • 男性と女性は脳のつくりが違うから云々…

    という堅苦しい内容ではなく、ただただ純粋に男女の考え方や捉え方の違いを楽しんでるように感じた。

    なんだかんだ人間って愛おしいよなぁ…。

  • めっちゃ面白かった。

    性差のせいかうまくいかないあれこれの、根源が少し見えた気がする。目から鱗。

    お二方の、こじらせた感じの書きぶりによって親しみやすく笑って読めるものになっている。

    まあしかたないんだな、と思うライン引きの参考にしたい。

  • お互いに相手の性を攻撃したり敵視したりせず、角田光代さんと穂村弘さんが男女の感覚の違いを交互に純粋に掘り下げていくので、うわ〜こんなに違うんだ…となりながらも全く嫌な感じがしないです。
    むしろ興味深いし、これを読んで他の人と話し合いたいくらい。本当にこうなの?みたいに。
    角田さんのとこはわかる!がいっぱい、ほむほむのところは目からウロコがたくさん落ちました。ずっと不思議だった、男性が監督気分でコメントしながらスポーツ観戦する理由がわかりました。好きなチームは、所有なのか。
    わたしもひとりで生きていける側でした、いつも。なんだよ社交辞令か。「お前より今はあいつが好き」、なんですね、長患いして損した。ひとつ強くなりました。

  • 異性、というテーマがあまり好みではなかったが、角田さんと穂村さんの月ごとの手紙形式で語られていくのが良かったのか、とにかく読み終えることができた。

    独身の頃なら、もっと楽しめたかなぁ、と思う。

    さかのぼり嫉妬、とか。
    (恋人の元彼、元彼女に嫉妬しまくる現象のこと(^-^))
    穂村さんのネーミングセンスは相変わらず健在。

    男女の相違をおかしく追求していく姿勢に、星三つ。

  • 男と女の間にはこんなに深い溝があるのか~^^;
    納得する部分、納得できん! と思う部分。多々あるけど、それでも気分が悪くならないのはひとえにお二方の品性の問題なんだろうな。
    ますます二人が好きになったわぁ!

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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