- Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309413785
感想・レビュー・書評
-
武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000236862
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間の思考とは、日常とは、この本のような無秩序な断片の集合なんだと改めて気付かされる。gleeのセリフが出てきたのはびっくり。保坂さんも観てるのかglee。
-
とりとめもなく想像が拡がって当初何を考えていたのかさえ思い出せなくなってしまうことがある。断片的な散文がとりとめなく続く本書はそんな理屈抜きの現象を連想させる。理解が困難なものや突然はしごを外された感の強い文章も多いが、決して読者に迎合しないそれらの集合体は不思議な魅力を持つ。
-
友人、猫やカラス、家、夢、記憶、文章の欠片……日常の中、唐突に訪れる小説の断片たち。ページを開くと、目の前に小説が溢れ出す! 断片か長篇か? 保坂和志によって奏でられる小説の即興演奏。
-
カフカの遺したノートに倣った、断片的な文章の集積。
磯崎憲一郎が解説で『この小説の面白さは、分かる人には分かるが分からない人にはいくら言葉を尽くして説明したところで分かっては貰えない、という諦念を前提にせざるを得ない』と書いているが、確かにこの『小説』にはそういう側面があると思う。
断章は日常のワンシーンを切り取ったものであったり、どこか現実離れした光景であったり、何かの引用であったりと様々だ。その文章をただ読む(※ここで何かテーマを考えたり、深い意味があるのかと悩むのはあまり意味がない)。自分のリズムと文章のリズムが一致した時はとてもいい気分になった。