カフカ式練習帳 (河出文庫 ほ 3-3)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413785

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  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000236862

  • 人間の思考とは、日常とは、この本のような無秩序な断片の集合なんだと改めて気付かされる。gleeのセリフが出てきたのはびっくり。保坂さんも観てるのかglee。

  • とりとめもなく想像が拡がって当初何を考えていたのかさえ思い出せなくなってしまうことがある。断片的な散文がとりとめなく続く本書はそんな理屈抜きの現象を連想させる。理解が困難なものや突然はしごを外された感の強い文章も多いが、決して読者に迎合しないそれらの集合体は不思議な魅力を持つ。

  • 小説の断片や引用を並べただけとも言えるけど、そこがまた保坂っぽくて良い。ふつうの小説は読み飽きたって人にもオススメしたい。でも、まずは保坂のほかの作品を読んで、耐性をつけて(この文体に自分が向いているかどうか)からにしても良いかも。
    ちなみにぼく自身は、保坂にやられっぱなしですw

  • 友人、猫やカラス、家、夢、記憶、文章の欠片……日常の中、唐突に訪れる小説の断片たち。ページを開くと、目の前に小説が溢れ出す! 断片か長篇か? 保坂和志によって奏でられる小説の即興演奏。

  • カフカの遺したノートに倣った、断片的な文章の集積。
    磯崎憲一郎が解説で『この小説の面白さは、分かる人には分かるが分からない人にはいくら言葉を尽くして説明したところで分かっては貰えない、という諦念を前提にせざるを得ない』と書いているが、確かにこの『小説』にはそういう側面があると思う。
    断章は日常のワンシーンを切り取ったものであったり、どこか現実離れした光景であったり、何かの引用であったりと様々だ。その文章をただ読む(※ここで何かテーマを考えたり、深い意味があるのかと悩むのはあまり意味がない)。自分のリズムと文章のリズムが一致した時はとてもいい気分になった。

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著者プロフィール

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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